下沼駅
下沼駅(しもぬまえき)は、北海道(宗谷総合振興局)天塩郡幌延町字下沼にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅である。駅番号はW73。電報略号はモマ。
午前中の普通列車1往復はこの駅を通過する。
歴史
- 1926年(大正15年)9月25日 - 国有鉄道天塩南線幌延駅 - 天塩北線兜沼駅間延伸開通に伴い開業。同時に天塩南線と天塩北線を統合し線路名を天塩線に改称[1][2]。一般駅。
- 1930年(昭和5年)4月1日 - 天塩線を宗谷本線に編入、それに伴い同線の駅となる[1]。
- 1977年(昭和52年)5月25日 - 貨物取扱い廃止。
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年) - 1986年(昭和61年) - 駅舎改築、貨車駅舎となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
駅構造
単式ホーム1面1線を有する地上駅。ホームは線路の西側(稚内方面に向かって左手側、旧1番線)に存在する[4]。分岐器を持たない棒線駅となっている[4]。かつては相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅であった[5]。当時は互いのホームは駅舎側ホーム中央部分と対向側ホーム南側を結んだ構内踏切で連絡した[5]。駅舎側(西側)が下り1番線、対向側ホームが上り2番線となっていた[5]。そのほか1番線の稚内方から分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[5]。交換設備運用廃止後は線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は分岐器の名残で湾曲している[4]。
無人駅となっている。駅舎は構内の南西側に位置しホーム南側に接している[4]。有人駅時代からの駅舎は改築され、ヨ3500形車掌車[6]を改造した貨車駅舎となっている[4]。旧駅舎の基礎の上に設置されている[7]。出入口にはスロープが新たに設置されている[7]。トイレは無い[7]。2008年(平成20年)時点では安牛駅同様に外壁塗装の劣化が激しかった[7]。駅舎内部は地元の住民の手で、壁掛けなどにより装飾されている[8]。
いわゆる秘境駅の一つとされる[8]。駅に沿って鉄道林がある[8]。
駅名の由来
当駅の所在する地名より。地名は、アイヌ語の「パンケ・トウ」(下の沼)の意訳に由来する[7][9]。
利用状況
駅周辺
西側は牧草地と少数の住居・牛舎などの酪農施設・寺院が点在し、その先の防風林の向こうには広大な下サロベツ原野が広がる。東側は鉄道林があり、林の先は丘陵地となっている。
- 湧水サロベツ 権左衛門(下沼湧水) - 地元の有志によって管理されている誰でも自由に汲むことの出来る湧水地。駅より西に徒歩2分。約100m。駅前通り沿い北側にある[7]。
- 国道40号(天塩国道) - 上記鉄道林と丘陵地との間を、宗谷本線と平行に通っている。
- 名山台展望公園 - 利尻富士、日本海、サロベツ原野の広大な風景を一望できる展望台[7]。駅より北に徒歩15分。直線距離で約0.5km[5]。国道40号沿い。
- サロベツ原野(下サロベツ原野) - ラムサール条約登録の泥炭湿地の広大な原野。駅より西に約1.5km[5]。
- パンケ沼 - 駅名の由来である下サロベツ原野の中にある大きな沼[7]。「パンケ」とはアイヌ語の「下流側」の意。駅より西に徒歩30分以上。約2.0km[5]。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道
- 宗谷本線
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:宗谷本線- ↑ 1.0 1.1 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)179-180ページより。
- ↑ 2.0 2.1 書籍『日本鉄道旅行地図帳 全線全駅全廃線 1 北海道』(監修:今尾恵介、新潮社、2008年5月発行)47ページより。
- ↑ 書籍『無人駅探訪』(監修:西崎さいき、文芸社、2011年6月発行)149ページより。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)150ページより。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)185ページより。
- ↑ 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫、2007年5月発行)22ページより。
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 7.7 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)221ページより。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 書籍『写真集 秘境駅III』(著:牛山隆信、栗原景、メディアファクトリー、2009年7月発行)179-180ページより。
- ↑ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)125ページより。