ルドルフ・オットー
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ルドルフ・オットー(Rudolf Otto, 1869年9月25日-1937年3月6日)は、ドイツの哲学者、宗教哲学者。マールブルク大学の教授で退官。
イマヌエル・カントとド・フリースの研究から、崇高で聖なるものとは、という問題意識を持つようになり、宗教哲学の研究に移行した。代表作は、『聖なるもの』(1917年)で宗教学の重要な原典である。キリスト教の教義に依拠せず、哲学の立場から宗教にどうアプローチするかということになると、オットーにたどり着くといわれる。 神聖で、それでいて道徳や習俗、認識とは別途のものを彼は、「ヌミノーゼ」という概念で呼ぶ。その他、彼には神秘学、罪、宗教哲学概説、といった分野の業績がある。古代インド神話学にも通じていた。
邦訳の著作
- 『聖なるもの』
- 『聖なるもの-神的なものの観念における非合理的なもの、および合理的なものとそれとの関係について』
- 華園聰麿訳 創元社(2005.3) ISBN 4-422-13005-6
- 『西と東の神秘主義 エックハルトとシャンカラ』
- 華園聰麿、日野紹運、J・ハイジック共訳 人文書院 (1993.3) ISBN 4-409-03037-X
- 『インドの神と人』
- 立川武蔵、立川希代子訳 人文書院 (1988.12) ISBN 4-409-41039-3
参考文献
- 藤原 聖子 『「聖」概念と近代―批判的比較宗教学に向けて』
- 大正大学出版会、2006年7月 ISBN 4-924297-29-1
関連文献
関連人物
- ミルチャ・エリアーデ オットーから影響を受けた
- ウィリアム・ジェームズ 哲学者・宗教学者
- ジェームズ・フレイザー 金枝篇が著名
- マックス・ミュラー
- シュライエルマッハー オットーに影響を与えた
- エラノス会議 晩年ユングとマルティン・ブーバーと交流した。