ユウナ (ファイナルファンタジー)
テンプレート:Pathnav ユウナ (Yuna) は、コンピュータゲーム『ファイナルファンタジーX』および『ファイナルファンタジーX-2』の登場人物。担当声優は、日本語版では青木麻由子、英語版ではHedy Burress。
目次
概要
- ベベル出身。父親ブラスカのナギ節が始まった年にキマリに連れられビサイド島に移り住む。その後、ビサイド島で正式な召喚士となり、「シン」を倒す旅に出る。
- 母親はアルベド族の族長シドの妹で、父親がブラスカなので、ヒトとアルベド族のハーフ。そのためか、左右の瞳の色が違う特徴(オッドアイ)がある。左目は父・ブラスカと同じ蒼青色、右目は母親・アルベド族の特徴である翠緑(エメラルドグリーン)色の瞳である[1]。
- 父のガードであったジェクトの息子ティーダをいつも気にかけている。
- 自らが「シン」(エボン=ジュ)を討ち果たし大召喚士になった後は、行方不明となったティーダの面影を求め、飛空艇でスピラの空を駆け巡る。初版(X)ではRPGとしては珍しい和装のキャラクターとして注目された。
性格
ファイナルファンタジーX
正式な召喚士となり、その使命を背負い命を捨てる覚悟を持って旅をしているため、悲壮な決意が見え隠れする。困った人を見捨てられない真面目で優しい性格。嘘や隠し事が苦手で、問題を一人で背負い込みやすく甘え下手だが、自分の意志を曲げない強い心を持つ。ティーダの前では年頃の女の子の顔を見せる。
ファイナルファンタジーX-2
永遠のナギ節をもたらした大召喚士としてスピラの英雄と目されるが、「シン」を倒し、永遠のナギ節を手に入れた喜びよりもティーダを失ったショックの方が大きいため、空虚を抱えている。そんな自分を変えるため、時にティーダのように明るく軽く振る舞う場面や「ムカツク」などリュックの口調を真似して喋る場面をゲーム本編で垣間見ることができる。お人好しの性格はそのまま。
身なり
FFXでは和風の袴・振袖をモチーフとした清楚なスタイルであったが、X-2ではタンクトップにホットパンツの組み合わせで着用している。有名人であるユウナの印象を変えるためリュックが用意した。XとX-2とを比較すれば、基本的に女性キャラクターの肌露出度が高くなっており、ユウナも例に漏れず露出度が高くなっている。 身長は162cm。
ファイナルファンタジーX
袴(はかま)に振袖をモチーフとした清楚な姿。キャラクターデザイナーの野村哲也によれば、元々は琉球服をもとにデザイン構想していたが、キーリカでの水上の異界送りシーンを構成する際に振袖に変更され、結果として袴振袖のデザインになったという。袴着は神道における巫女の常用着であり、また袴に振袖姿は女子学生の卒業式や成人式などでの定番服となっている。袴和装では通常使用しない袋帯を着装しているほか、履物としてブーツを着装するなど独特のデザインとなっている。
DVDでの特典映像としてワッカのもとで、この格好のまま海に潜って着衣水泳ならび潜水の訓練を受けている想定でのシーンが収録されている。
またユウナの背中にバハムートのタトゥーを入れる構想があったため、背中はイブニングドレスのように肌が露出して大きく明(あ)いている。袴や帯のデザイン、アクセサリ、司祭のロッドのデザインは「オオハマボウ(沖縄方言で"ゆうな")」。
聖ベベル宮ではウェディングドレスを着用している。
ファイナルファンタジーX-2
活動的な服装になり、タンクトップにホットパンツのスタイル。胸にブリッツボールチーム「ザナルカンド・エイブス」のチームシンボルを模したメタルアクセサリをしており、谷間を強調したような服になっている。二丁拳銃「タイニービー」を装備したガンマンスタイル(ドレスフィア「ガンナー」モデル)。髪型、服装ともに前作の主人公ティーダを意識している。ピアス、ネックレスは変わらず付けており、服の色合いや、つけ毛は巫女の髪の結び方であったりと前作の名残はある。
所属団体
FFXでは「召喚士は寺院で修行をする定めである」と教育されているため、ユウナを中心とした「召喚士旅団」を組んで修行の旅をしていた。X-2ではスフィアハンターが出現し始め、ユウナも度々参加を要請されるが断っていた。しかし、リュックが持って来た「ティーダの面影を持つ青年が映るスフィア」を見て、リュックが所属するスフィアハンター「カモメ団」に入る。
ファイナルファンタジーX
召喚士ユウナを中心とした召喚士とそれを守るガード衆(ティーダ・ワッカ・ルールー・キマリ・アーロン・リュック)の旅団。
ファイナルファンタジーX-2
スフィアハンター「カモメ団」世間的リーダー(本当のリーダーはリュックの兄であるアニキ)。
団員:ユウナの他、リュック・パイン・アニキ(リーダー)・ダチ(情報解析員)・シンラ(天才アルベド少年)
家族・親族
- ブラスカ(父)
- ファイナルファンタジーXの話から10年前、自らの命と引き換えに究極召喚によってシンを倒し殉職。大召喚士となった。
- シド(伯父)
- アルベド族のボス。ユウナの母の兄。つまり伯父。アニキとリュックの父親である。
- リュック(従妹)
- ユウナの母の兄の娘。つまりいとこ。ユウナが召喚士だった頃はユウナのガードとして旅に出る。後スフィアハンター「カモメ団」にぎやか担当。いつも明るく活発的な少女。X-2でのユウナの性格は「(Xのユウナ+ティーダ+リュック)÷3」だと言っても過言ではない。
- アニキ(従兄)
- ユウナの母の兄の息子。つまりいとこ。リュックの兄。父シドの元でアルベドのホームを再建することに精を出していたが、後にスフィアハンター「カモメ団」を結成。ユウナに惚れている。本当の名前があったが皆から「アニキ」と呼ばれているうちに本人も忘れてしまった。
恋愛設定
- ティーダ
- Xにおいては、ユウナはティーダ(プレイヤー)をスピラ世界に引きつけ、留める存在である。プレイヤーの物語と旅は、事実上ビサイド寺院でユウナと出会う事で開始される。初めて見た瞬間から互いに好意を持っていたようであり、また父親同士が10年前の偉業(ナギ節)を達成した戦友であることなども、単なる思慕以上の深いつながりを印象づける。スピラ世界におけるティーダ自身(流浪者)や父の境遇への葛藤、ユウナの隠された宿命に対するユウナ自身や仲間の葛藤は、互いに打ち明けられない秘密として通奏低音をなし、そこに淡い好意、諦め、確信や絶望などの大きな波動を描きながら物語の中心的なテーマを作り出している。聖なる泉では抱き合って口付けを交わし、エンディングでも抱き合うシーンがある。X-2の中心となるテーマの一つは「行方不明となったティーダを探す」ことである。
- シーモア=グアド
- ユウナとの結婚を望むが、その思いは、純粋なものか、スピラを「死の祝福」に導く為の野望から来た計算によるものか、物語では判然としない。強く結婚を望むがゆえにアルベドホームからユウナを拉致したり無理矢理結婚しようとしたりする。後に、ユウナを妻としても自身の野望が成就しないことが決定していながら、ユウナ達一行の行く先々に出没し、「殺してでも」ユウナを手に入れようとする。シーモアの歪んだ愛は物語世界に強い輪郭を与えており、一度は受け入れようとし、やがて拒絶するユウナやパーティの心の動きが物語の重要な動機となっている。最後はユウナに異界送りされて散る。
- アニキ
- X-2においてユウナに振り向いてもらおうと必死にスピラ語を勉強し、少々しどろもどろだが日常生活で使えるレベルにまで上達した。しかし、ユウナ本人はアニキの気持ちに気づいていないようである。
その他の作品への登場
- ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial
- ドラゴンクエストシリーズとファイナルファンタジーシリーズの合作であるこの作品にもティーダ・リュック・アーロン・パインと共に参戦。召喚士姿とドレスフィア「ガンナー」姿の2種類のユウナが登場する。
- キングダムハーツ2
- 盗賊「カモメ団」のメンバーとしてリュック、パインと供に小さな妖精のような姿で登場する。財宝を入手するため、マレフィセント側についてソラたちのスパイをしている。
- 半熟英雄シリーズ
- 3作目『対3D』以降将軍として友情出演(グラフィックは通常の将軍と同じ)
- 4作目『七人の半熟英雄』ではカトリイヌが「元召喚士の二丁拳銃使い」としてユウナのコスプレをする。
- 3作目のあるボス戦では背景がなぜかティーダとユウナの公式CGイラストになっていた。
- ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー
- ジェクトと共にコスモス陣営に所属。シリーズで初めてティーダを名前で呼ぶ。X直後の設定のストーリーであり、記憶を失っているティーダと再会を果たす。その後、ティーダ達の未来の戦いに望みを託し、消滅覚悟で最後の戦いに挑むというXとは対照的なエピソードが描かれる。
「ゆうな」について
琉球言葉で「月」の意味があるとされたため[2]その情報が流布されたが、月に相当する沖縄方言は「つき(あるいはシノ)」であり、「ゆうな」はハイビスカスの一種のオオハマボウ(ヤマアサ)の名称である(夕方に開花するため)。また和語ではゆうな(夕菜)は夕食のおかずの意味であり、家族の温かみ、豊穣や恵みを象徴するものとして女子の名前として好まれるものである。キャラクターデザイナーの野村哲也によれば、ユウナの衣服とネックレスはオオハマボウ(ゆうな)をデザインしたものであり、また名前については「よる(朝に夕に~あさなゆうな)」を表す沖縄方言から取ったとしている[3] 。
なお語韻からギリシャ・ローマ神話におけるユノー(ヘーラー)を連想させるが、彼女は地母神であり、配偶者は天空神ユーピテル(ゼウス)。太陽神はアポロ(アポローン)、月神はディアーナ(ルーナ・アルテミス・セレーネー)であり、直接の呼応関係は見られない。ゼイオン(ユーピテル・ゼウス)に配する妻としてユウナ(ユノー・ヘーラー)が最初にあり、北に住む女性の連想から(~レスカ:ロシア語で「小さな」を表す接尾語)ユウナレスカが作られ、キャラクターの編成上、ユウナとユウナレスカの名前が取り替えられたものとも推理する事ができる。物語の中でユウナの名前はユウナレスカからとったものだと設定されている事から説得力のある説ではあるが、由来については上記の通りである。
脚注
- ↑ ユウナの瞳の色は青と緑のオッドアイだが、これは初期PS2本体の電源ランプの色から来ている。
- ↑ デジキューブ「名前の秘密に迫る」『ファイナルファンタジーX シナリオアルティマニア』2001年9月14日発売、419頁。
- ↑ テンプレート:Cite web