ヤツガシラ
テンプレート:生物分類表 ヤツガシラ(戴勝 八頭、学名Upupa epops)は、ブッポウソウ目ヤツガシラ科に分類される鳥類の一種である。
形態
全長約28cm。雌雄同色。くちばしは黒で細長く下に曲がっている。頭には広げると扇状になる冠羽があり、橙黄褐色で先は黒い。頭部、上背、胸は橙褐色で、翼と尾は黒褐色と白色の横縞模様になっている。体の下面は白みを帯びる。
分布
ヨーロッパ南部および中部、アフリカ、南アジアから、東南アジア、中国、沿海州にかけて分布する。北方で繁殖した個体は、冬季南方へ渡る。
日本では、少数が旅鳥もしくは冬鳥として渡来する。記録は全国からあるが、南西諸島では春の渡りの時期に毎年通過する。秋田県、長野県、広島県では繁殖の記録がある。
戦後になって、皇居に1個体が飛来したときは昭和天皇が観察を行っている。この時、天皇は皇居内の畑で芋ほりをしており、ヤツガシラを見つけた途端、侍従に急いで双眼鏡を持ってくるように命じ、事情のわからない侍従は「芋を掘るのに双眼鏡が何故いるのですか」と聞き返したという。生物学者としての一面を兼ね備えた昭和天皇らしいエピソードである。その後、香淳皇后がその絵を描いている。
2008年5月29日、イスラエル建国60周年を記念する一環として、投票により国鳥に選ばれた[1]。余談ではあるが、ユダヤ教の律法においてヤツガシラは避けるべき不浄な鳥類に定められている[2]。
生態
平地の開けた草地や農耕地に生息する。
食性は主に動物食で、地上を歩きながら昆虫類などを捕食する。
繁殖形態は卵生。樹洞や石垣の隙間などに営巣するが、巣箱を利用することもある。4-6月に5-8卵産む。抱卵日数は16-19日で、20-27日で雛は巣立つ。
Sibley分類体系上の位置
脚注
参考文献
関連項目
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