ホンダ・CBX400F
テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 CBX400F(シービーエックスよんひゃくエフ)は、かつて本田技研工業が1981年から1984年にかけて製造販売していたオートバイである。
概要
ドリームCB400FOUR以降、ホンダはミドルクラスのスポーツモデルとしてホークシリーズを販売していたが、これは3バルブヘッド搭載とはいえ目新しさのないSOHC直列2気筒エンジンであり、ホンダ製スポーツモデルの人気はやや低迷気味であった。対して、1979年に発売されたカワサキのZ400FXはドリームCB400FOUR以来の直列4気筒、そして当時高級メカニズムとされたDOHCエンジン搭載のスポーツモデルとしてヒット作となった。
更に翌年の1980年には、ヤマハからはXJ400、スズキからはGSX400Fと相次いで直列4気筒、DOHCのスポーツモデルが投入される。更にヤマハからは水冷2ストロークエンジンを搭載し、400ccクラスのオートバイとも肩を並べられる性能を持つRZ250が発売され、それぞれヒット車種となった。
このような状況を打破し市場人気を回復する必要性と直列4気筒モデルの投入を要望する市場からの声に押される形で、ホンダからCBX400Fが1981年11月17日に発売された[1]。
CBX400Fの特徴は、
- ドリームCB400FOURの再来のようなコンパクトな設計の車体
- CB750F似のメータパネル、鍛造製のセパレートハンドルとブレーキペダルとチェンジペダル
- ドリームCB400FOUR以来の特徴的なデザインの4-1-2エキゾーストシステム(正面から見るとエキゾーストパイプがX字型に配置されており“Xエキゾースト”と呼称された)
- 中空アルミスイングアーム+プロリンク・サスペンション
- 前後のヴェンチレーテッド・インボード・ディスクブレーキ
- ブレーキ・トルク・センサー型アンチダイブ機構
などである。そして当時の400ccクラス随一の48馬力を獲得しただけでなく、完成度が高くスポーツ性の高い走行性能もあって瞬く間に他社の4気筒スポーツモデル以上の売り上げを記録、それから長い間安定した人気を得たヒット車種であった。
1982年には日本で初めてフェアリングや方向指示器キャンセル機構を装備したCBX400Fインテグラが発売され[2]、姉妹車として排気量を拡大したCBX550Fインテグラも発売された[3]。更に翌1983年3月にはアメリカンタイプのCBX400customをラインナップに加えている[4]。
やがて時代は本格的なレーサーレプリカブームに突入。ホンダの後継モデルであるCBR400Fへバトンタッチされる形で1983年に一旦は生産を終了したが、レーサーレプリカとは一線を画すCBXの人気は、その後も依然として治まらず、市場からの再生産の要望により翌年の1984年に再生産が行われた。その結果、当時の125cc超の二輪車の累計販売台数で総合1位になっている。なお、この記録は2003年にヤマハ・マジェスティに抜かれるまでは、長い間破られなかった。
バリエーション
- FC - 初期型(俗に1型と呼称される)
- 色は赤、赤・白ツートン、青・白ツートン。
- FF - 再生産車種(FCと対比し2型と呼称される)
- 外見上ほとんど差がないように見えるが、エンジンは後継機のCBR400Fをベースにしているため、内部の部品などはかなり違っている。外観上の識別は、ホイールが黒になったこと、そして車体色が赤・白、黒・赤のツートンの2種類。
- F2C (インテグラ)
- 国内車両初のカウリング搭載車。色は赤・白ツートンと青・白ツートン。
- K - 教習車
- 各種インジケーター類のほか、ハンドルがCB750FBのものになっている。
現状
発売終了から30年近く経った現在でも中古車市場で価格高騰が続くほどの人気があり、当時の新車販売価格(初期型470,0000円/485,000円)[1]の3倍程度が中古価格の相場となっているが、コンディションの良い車両だと10倍程度の値段がつく加熱ぶりである[5]。この人気から全国的に車両盗難が相次ぎ、件数が通常の約3倍と突出していることから、この車種は損害保険会社に盗難保険への加入を拒否される異例の事態となっている[5]。 このオートバイは現行のモデルにも影響を与えており、CB400スーパーフォアの車体色には「キャンディブレイジングレッド」(赤白ツートンに黒ライン)や「パールヘロンブルー」(青白ツートンに赤ライン)といったCBXのカラーリングを模したグラフィックがラインナップされており[6][7]、人気となっている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 新設計DOHC・16バルブ・4気筒(マルチ)エンジン搭載、世界初のインボード・ベンチレーテッドディスク・ブレーキシステムなど 数々の新技術を採用した自動2輪車「ホンダ スーパースポーツCBX400F」を発売
- ↑ 日本初、フェアリング標準装備の中型スポーツバイク「ホンダ スーパースポーツ CBX400Fインテグラ」を発売
- ↑ DOHC・16バルブ・並列4気筒エンジン搭載、フェアリング標準装備の俊敏な大型スポーツバイク「ホンダ スーパースポーツCBX550Fインテグラ」を新発売
- ↑ DOHC・16バルブ・並列4気筒エンジン搭載のスポーツバイク「ホンダ・CBX400カスタム」を発売
- ↑ 5.0 5.1 盗難保険入れないオートバイ…30年前生産終了(読売新聞) - Yahoo!ニュース - データなし(2012年9月8日時点のアーカイブ)
- ↑ ネイキッドロードスポーツバイク「CB400 SUPER FOUR」に新色を追加し発売
- ↑ ネイキッドロードスポーツバイク「CB400 SUPER FOUR」と「CB400 SUPER BOL D'OR」をマイナーモデルチェンジして発売