ホノルルマラソン

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テンプレート:出典の明記 ホノルルマラソン (Honolulu Marathon) は、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島ホノルル市で開催されるロードレース(マラソン)大会で、2013年までに41回開催されている[1]。1977年以降は12月第2日曜日に開催することになっている[2]。1985年の第13回大会以降、長年に亘り日本航空(JAL)が協賛しており、現在の正式大会名は「JALホノルルマラソン」となっている[3]。近年は参加者の過半数を日本人ランナーが占めている。

概要

コースは、アラモアナ公園をスタート、一旦ダウンタウンに向かった後アラモアナに戻り、その後ワイキキを通りダイヤモンドヘッド、ワイアラエ・ビーチを眺め、カラニアナオレ・ハイウェイを通ってハワイカイを折り返し、カピオラニ公園をゴールする42.195km(26.2マイル)のフルマラソンコースで、一般部門と車椅子部門の2部門で構成されている[4]

通常フルマラソンのスタート時刻は午前5時、車いす部門はそれに先立つ4時55分となっている。また一般部門では総合表彰とは別に各年代の上位選手を対象にした表彰、また予め登録された3名1組によるチームの合計タイムで競うチーム部門(3名の合計年齢及び男女の構成状況による9つのカテゴリー)を対象とした表彰もある[4]

アメリカ合衆国ではニューヨークシティーマラソンボストンマラソンシカゴマラソンと並ぶ「全米4大マラソン大会」(規模としては3位)の一つであり、全世界を通じても参加人数的に6番目の規模の大会はあるが、マラソンとしては高温下、また風が強い中で行われるという気象条件、さらにコースのアップダウンなどの条件が厳しいため、先述の3箇所のマラソンと違い、「世界記録が決して出ないコース」とも言われ、実際大会最高記録は、男子が2時間11分12秒 <ジミー・ムインディ (ケニア2004年)>、女子が2時間27分19秒 <リュボフ・デニソワ(ロシア2006年)> と、男女とも比較的平凡な記録である。

但し大会の特徴の一つとして、時間制限を設けていないこと(ゴール時間および参加標準記録。但しゴールゲートは16時台を目処に撤去され、それ以降ゴールした参加者のゴールタイムは手動計時となる)や、大会当日に満7歳以上の健康な人なら誰でも参加できること[4]も手伝って、健康づくりのために参加している一般市民ランナーや、フルマラソン初参加のランナーも多く、「世界一の市民マラソン大会」、「ジョガーの祭典」とまでいわれる。

またフルマラソン、車いすマラソン部門のほか、フルマラソンスタートの約25分後にスタートし、カピオラニ公園まで約10kmを歩く「レースデー・ウォーク」(開始当時の呼称は「メイヤーズ・ウォーク」)も行われている。

日本人ランナーも、アメリカ合衆国の観光ビザ取得が免除されたバブル景気期(1989年)以降、1999年アメリカ同時多発テロ事件の影響で1万人を下回った2001年2013年以外は常に全参加者の半数以上を占めており、さらに冠スポンサーの日本航空は、大会開催に合わせツアーを企画し多数の臨時便を運航している[5]。このため、現在の大会公式スポンサーは、ナイキ社以外、冠スポンサーの日本航空も含め全て日本企業となっている。なお、日本人ランナーが参加者の半分以上を占め、女子では2003年早川英里2008年嶋原清子が優勝してるものの、男性優勝者は過去に出ていない。

歴史

1973年12月16日に第1回大会を開き、2012年までに40回開催されている。第1回大会は地元ハワイ州に在住しているジョギング愛好家167人によって行われた。なお第1回目の男性優勝者はダンカン・マクドナルドで、女性優勝者はジューン・チュンであった[6]

1976年に日本人としては初めて佐々木生道が参加。その後は年々参加者を増やしていき、1982年の第10回記念大会で1万人を突破した。1985年の第13回大会以降日本航空が冠スポンサーとなったこともあり、日本人参加者が増加を続け、1992年の第20回記念大会以後は毎年2~3万人程度が参加している。

関連行事

大会直前の水曜から土曜の間、「ホノルルマラソン・エキスポ」を開催している[7]2003年以前は、ワイキキにあるアウトリガー・リーフ・ホテルで小規模に開催されていたが、2004年大会から、ハワイ・コンベンション・センターで開催するようになった。参加選手のゼッケン(レースデー・ウォークを含む)やタイム計測のためのチャンピオンチップ(2007年のみSAIタグ)を参加者各自で受け取るコーナーのほか、大会スポンサーを中心に数多くの店舗や関連グッズを販売するサービスブースなどが出店する。

また、大会前々日の金曜夕方、大会ゴール地点に程近いワイキキ・シェルで、有料のイベント「ホノルルマラソン・ルアウ」が開催されている[8]。以前は「カーボローディング・パーティー」と称しており、その名の通り炭水化物中心の料理がビュッフェ(バイキング方式)で提供されていた[9]。現在も料理内容は大きく変わらないが、ショーの出演者の方に力を入れるようになっている。なお、飲物も追加料金不要で飲み放題であったが、2007年から、それまで追加料金不要で提供されていたビールバドライト)のみ追加料金が必要となった。

時間計測システム障害問題

2007年、第35回大会から、それまで7大会連続で使用されたチャンピオンチップに代わり、SAIタグを計測に使用することが、大会開催のおよそ10日前、11月29日に発表された。しかし、大会開催当日の12月9日、コース各所で豪雨となり、一部ランナーのタイムが計測できず、完走者に発行される完走証に、従来行われていた途中経過タイム記載が一部できなくなるという障害が発生した。

この問題について、ホノルルマラソン協会は、イベント当日に各ランナーに計測タイムの速報値を渡す予定にしていたがこの障害によりできなくなったスポンサーのNTTドコモ、および不利益を被った各ランナーに対し、公式ホームページなどを通じ公式謝罪した。

また、2008年大会では、SAIタグを利用せず、再びチャンピオンチップ使用に戻した。

参加者数

年度 回数 総参加者数 うち日本人 完走者数
1973年 1 167 0 151
1974年 2 315 0 297
1975年 3 782 0 706
1976年 4 1,670 1 1,443
1977年 5 3,500 120 2,900
1978年 6 7,204 200 5,587
1979年 7 8,500 500 6,512
1980年 8 8,419 650 6,630
1981年 9 7,270 977 7,170
1982年 10 12,275 1,500 10,023
1983年 11 10,847 1,300 8,434
1984年 12 10,653 1,867 8,166
1985年 13 9,310 2,361 7,646
1986年 14 10,354 3,553 8,537
1987年 15 10,413 4,551 8,793
1988年 16 10,205 5,094 8,808
1989年 17 10,813 6,004 9,673
1990年 18 13,268 8,674 11,866
1991年 19 14,605 10,236 13,038
1992年 20 30,905 18,286 23,515
1993年 21 29,514 19,001 23,640
1994年 22 32,771 21,291 25,833
1995年 23 34,434 21,717 27,022
1996年 24 30,864 18,285 24,414
1997年 25 33,682 17,952 26,495
1998年 26 27,704 13,925 22,112
1999年 27 26,724 12,877 21,211
2000年 28 26,465 14,282 22,636
2001年 29 23,513 9,159 19,236
2002年 30 30,428 17,266 26,477
2003年 31 25,283 15,149 22,161
2004年 32 25,671 15,723 22,407
2005年 33 28,048 17,345 24,295
2006年 34 28,635 17,905 24,575
2007年 35 27,827 17,056 23,299
2008年 36 23,232 14,407 20,062
2009年 37 23,469 14,402 20,557
2010年 38 22,806 13,490 20,417
2011年 39 22,615 12,360 19,310
2012年 40 31,083 16,283 24,413
2013年 41 30,568 13,577 22,064

※28回大会以降の参加者数、日本人参加者数は[10](日本語)。 完走者数は37回[11]、38回[12]、39回[13]、39回[14](全て英語)。

歴代優勝者

太字は大会記録。

日付 男子選手 タイム 女子選手 タイム
1973/12/16 テンプレート:Flagathlete 2:27:34 テンプレート:Flagathlete 3:25:31
1974/12/15 テンプレート:Flagathlete 2:23:02 テンプレート:Flagathlete 3:01:59
1975/12/14 テンプレート:Flagathlete 2:17:24 テンプレート:Flagathlete 2:49:24
1976/12/12 テンプレート:Flagathlete (2) 2:20:37 テンプレート:Flagathlete 2:44:44
1977/12/11 テンプレート:Flagathlete 2:18:38 テンプレート:Flagathlete (2) 2:48:08
1978/12/10 テンプレート:Flagathlete 2:17:05 テンプレート:Flagathlete 2:43:10
1979/12/09 テンプレート:Flagathlete 2:16:13 テンプレート:Flagathlete (2) 2:40:07
1980/12/07 テンプレート:Flagathlete (3) 2:16:55 テンプレート:Flagathlete(3) 2:35:26
1981/12/13 テンプレート:Flagathlete 2:16:54 テンプレート:Flagathlete (4) 2:33:24
1982/12/12 テンプレート:Flagathlete 2:15:30 テンプレート:Flagathlete 2:41:11
1983/12/11 テンプレート:Flagathlete 2:20:19 テンプレート:Flagathlete 2:41:25
1984/12/09 テンプレート:Flagathlete 2:16:25 テンプレート:Flagathlete 2:42:50
1985/12/08 テンプレート:Flagathlete 2:12:08 テンプレート:Flagathlete 2:35:51
1986/12/07 テンプレート:Flagathlete (2) 2:11:43 テンプレート:Flagathlete (2) 2:31:01
1987/12/13 テンプレート:Flagathlete (3) 2:18:26 テンプレート:Flagathlete (3) 2:35:11
1988/12/11 テンプレート:Flagathlete 2:12:47 テンプレート:Flagathlete 2:41:52
1989/12/10 テンプレート:Flagathlete 2:11:47 テンプレート:Flagathlete (4) 2:31:50
1990/12/09 テンプレート:Flagathlete (2) 2:17:29 テンプレート:Flagathlete (5) 2:33:34
1991/12/15 テンプレート:Flagathlete 2:18:24 テンプレート:Flagathlete 2:40:11
1992/12/13 テンプレート:Flagathlete (2) 2:14:19 テンプレート:Flagathlete (6) 2:32:13
1993/12/12 テンプレート:Flagathlete 2:13:16 テンプレート:Flagathlete (7) 2:32:20
1994/12/11 テンプレート:Flagathlete (3) 2:15:04 テンプレート:Flagathlete (8) 2:37:06
1995/12/10 テンプレート:Flagathlete 2:16:08 テンプレート:Flagathlete 2:37:29
1996/12/08 テンプレート:Flagathlete 2:13:23 テンプレート:Flagathlete 2:34:28
1997/12/14 テンプレート:Flagathlete (2) 2:12:17 テンプレート:Flagathlete 2:33:14
1998/12/13 テンプレート:Flagathlete 2:14:53 テンプレート:Flagathlete 2:33:27
1999/12/12 テンプレート:Flagathlete 2:16:45 テンプレート:Flagathlete (2) 2:32:36
2000/12/10 テンプレート:Flagathlete (2) 2:15:19 テンプレート:Flagathlete 2:28:33
2001/12/09 テンプレート:Flagathlete (2) 2:15:09 テンプレート:Flagathlete (2) 2:29:54
2002/12/08 テンプレート:Flagathlete (3) 2:12:29 テンプレート:Flagathlete 2:29:08
2003/12/14 テンプレート:Flagathlete (3) 2:12:59 テンプレート:Flagathlete 2:31:57
2004/12/12 テンプレート:Flagathlete (4) 2:11:12 テンプレート:Flagathlete (3) 2:27:33
2005/12/11 テンプレート:Flagathlete (5) 2:12:00 テンプレート:Flagathlete 2:30:24
2006/12/10 テンプレート:Flagathlete 2:13:42 テンプレート:Flagathlete 2:27:19
2007/12/09 テンプレート:Flagathlete (6)[15] 2:18:53 テンプレート:Flagathlete 2:33:07
2008/12/14 テンプレート:Flagathlete 2:14:35 テンプレート:Flagathlete 2:32:36
2009/12/13 テンプレート:Flagathlete (2) 2:12:14 テンプレート:Flagathlete (2) 2:28:34
2010/12/12 テンプレート:Flagathlete 2:15:18 テンプレート:Flagathlete 2:32:13
2011/12/11 テンプレート:Flagathlete (2) 2:14:55 テンプレート:Flagathlete 2:31:41
2012/12/09 テンプレート:Flagathlete 2:12:31 テンプレート:Flagathlete 2:31:23
2013/12/08 テンプレート:Flagathlete 2:18:47 テンプレート:Flagathlete 2:36:02

※27回大会以降の優勝者は[10](日本語)。全大会の優勝者は[16](英語)。

過去の日本からの主な参加者

マラソン選手

そのほか著名人多数が参加しているが、非常に多いため割愛した。

車いすマラソン

車いすの部

日本でのテレビ・ラジオ放送

日本ではこの大会の模様を後日ドキュメンタリーの形で放送しているが、大会創設当初はフジテレビジョン火曜ワイドスペシャルなどの枠で放送し、その後は現在に至るまでTBSテレビの制作によりJNN基幹局(TBSテレビ・HBCCBCMBSRKBの5局)で翌年1月成人の日の午前中に放映しているが、2014年(2013年大会分)はTBSテレビのみ元日の午後に84分版[17][18]、TBS以外のJNN基幹局4局は例年通り成人の日の午前中に55分版(TBSテレビ放送分の再編集・短縮版)をそれぞれ放送[19]した。

TOKYO FMでは過去に何度か日曜深夜の放送休止の時間に全国ネットで関連番組を放送したことがあったが、中継ではなくむしろバラエティ的な作りであった(英語が出来ないアナウンサーを走らせて女性外国人走者にインタビューをさせる企画等)。

BSNテレビ・BSNラジオでは「キリン ラン・ランクラブ」と銘打った企画で毎年視聴者・リスナーの参加者を募り、年数回の新潟県内での合同練習をしてから参加、この模様はテレビ・ラジオで番組コーナーや単発番組として新潟ローカル向けに放送される。

大会スポンサー

  • メジャースポンサー(特別協賛)
    • 日本航空 - メジャースポンサーとしての参加のみならず、社員の自主参加によるボランティア活動(ペースランナー等)や、複数の都市より多数の日本人参加者を運ぶチャーター便の運航を行うなど、多岐に渡る運営協力を行っている。
  • サポーティングスポンサー(協賛)
  • コントリビューティングスポンサー(賛助協賛)

[4]

脚注

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関連項目

外部リンク

  • テンプレート:Cite book
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  • JALホノルルマラソン
  • 4.0 4.1 4.2 4.3 テンプレート:Cite book
  • ホノルルマラソンツアー2009
  • テンプレート:Cite book
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  • テンプレート:Cite book
  • 10.0 10.1 テンプレート:Cite web
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  • アンベッセ・トロッサが1位(2時間17分26秒)でゴールしたが、2008年6月24日、ホノルルマラソン協会より同選手がドーピング検査に陽性反応が認められたとの理由により失格となったことが発表され、2位でゴールしたムインディが繰り上げ優勝となった。テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • スポニチアネックス2013年11月16日付 (同日閲覧)
  • TBSテレビ『第41回JALホノルルマラソン』 2013年11月16日閲覧
  • 「第41回JALホノルルマラソン」TV特別番組のご案内 JALホノルルマラソン公式HP 2013年11月29日配信・同年12月7日閲覧