ペリカン文書 (映画)
テンプレート:Infobox Film 『ペリカン文書』(ぺりかんぶんしょ、原題: The Pelican Brief)は、ジョン・グリシャムの同名原作小説をもとに1993年、アメリカで製作されたリーガル・サスペンスである。日本でのロードショーは1994年4月。
この映画で主演のジュリア・ロバーツは若い法学生を演じ、出世作の一つとなった。デンゼル・ワシントンはワシントン・ヘラルド紙の高名な敏腕記者を演じた。
ストーリー
ワシントンD.C.で2人の最高裁判事が、ほぼ同時に国際テロリストの手によって殺害される。殺された判事の弟子のひとりトーマス・キャラハン(サム・シェパード)は、ニューオーリンズのテューレーン大学のロー・スクールで教授をしているが、ニュースを聞いていたく傷心する。その学生で恋人のダービー・ショウ(ジュリア・ロバーツ)は、2人の最高裁判事を殺害するための動機についてリサーチをし、ある仮説にたどりつく。しかし、あまりにも荒唐無稽な内容だった為、授業用のレポートとしてキャラハンに提出する。
キャラハンは、葬儀に出席するためにワシントンD.C.へ行き、そこで同窓のFBI法律顧問(ジョン・ハード)に会う。そして、何気なくショウのレポートを顧問に見せる。レポートはFBI長官に渡り、ホワイトハウスから警備体制の甘さを非難される。腐っていた長官は、しっぺがえしのつもりで「ペリカン文書」と名前がついたそのレポートを大統領補佐官に見せる。数日後、ニューオリンズにいたショウの目の前で、キャラハンが乗った車が爆弾で吹き飛んだ。
この間、ワシントン・ヘラルドの敏腕記者グレイ・グランサム(デンゼル・ワシントン)は、法律関係者であるらしい「ガルシア」と名乗る男から、内部告発とおぼしい電話を受ける。「ガルシア」は決心がつかず電話を切ってしまうが、逆探知によって公衆電話をつきとめた記者は張り込みをして「ガルシア」の顔写真を撮影するも本人には逃げられてしまうのだった。
出演
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | テレビ朝日版 | |||
ダービー・ショウ | ジュリア・ロバーツ | 日野由利加 | 田中敦子 | |
グレイ・グランサム記者 | デンゼル・ワシントン | 原康義 | 大塚芳忠 | |
トーマス・キャラハン教授 | サム・シェパード | 納谷六朗 | 小川真司 | |
ギャヴィン・ヴァーヒークFBI顧問 | ジョン・ハード | 山口嘉三 | 秋元羊介 | |
スミス・キーン編集長 | ジョン・リスゴー | 石井敏郎 | 池田勝 | |
フレッチャー・コール大統領補佐官 | トニー・ゴールドウィン | 神谷和夫 | 江原正士 | |
米国大統領 | ロバート・カルプ | 内田稔 | 小林修 | |
デントン・ヴォイルズFBI長官 | ジェームズ・B・シッキング | 丸山詠二 | 坂口芳貞 | |
ボブ・グミンスキーCIA長官 | ウィリアム・アザートン | 稲葉実 | 千田光男 | |
ローゼンバーグ裁判官 | ヒューム・クローニン | 糸博 | あずさ欣平 | |
マシュー・バー | ジョン・フィン | |||
カーティス・モーガン / ガルシア | ジェイク・ウェバー | 藤原啓治 | 宮本充 | |
サラ・アン・モーガン | ミシェル・オニール | 田中敦子 | ||
エドウィン・F・スネラー | スタンリー・アンダーソン | 津田英三 | 小島敏彦 | |
カーメル | スタンリー・トゥッチ | 立木文彦 | 仲野裕 | |
エドワード・リニー | ピーター・カーリン | 坪井智浩 | ||
アリス・スターク | シンシア・ニクソン | 津村まこと | ||
エドウィン・ニューマン | 本人 | 藤本譲 | 大木民夫 |
- テレビ朝日版 - 初放送1996年11月10日 『日曜洋画劇場』
- 制作:ニュージャパンフィルム、演出:松川陸、翻訳:徐賀世子、調整:長井利親、プロデューサー:福吉健
スタッフ
- 製作: ピーター・ジャン・ブルッグ
- 監督: アラン・J・パクラ
- 原作: The Pelican Brief(ジョン・グリシャム・著)
- 配給: ワーナー・ブラザーズ
トリビア
テンプレート:雑多な内容の箇条書き テンプレート:出典の明記
- 原作ではデンゼル・ワシントン演じるグレイ・グランサムは白人である、とはっきり記述されており、勤務しているのもワシントン・ポストという設定になっている。プロデューサーは同社からの許可が得られなかったため、ワシントン・ヘラルドに変更した、と完成した後のインタビューで述べている。
- 脚本には、最後ジュリア・ロバーツ演じるダービーが寛いでいるビーチにある別荘はグレイ・グランサム(デンゼル・ワシントン)が所有しているもので、あからさまではないもののそれなりの関係にまで発展したと窺わせるシーンもあったのだが、黒人女性ファンの反発と白人男性ファンの反感を恐れたデンゼル・ワシントンの意見で頬へのキスとハグだけに変更された、と1996年のジェームス・リプトンのインタビューでジュリア・ロバーツは答えている。
- この映画でジョン・リスゴーはデンゼル・ワシントン演じるグレイ・グランサムの上司である編集長スミス・キーンを演じているが、この映画以前に2人は1991年の映画『リコシェ』で検事ニック・スタイルス(デンゼル・ワシントン)と脱獄囚ブレイク(ジョン・リスゴー)で共演している。