ブリヂストン美術館
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ブリヂストン美術館 (ブリヂストンびじゅつかん) (英称:Bridgestone Museum of Art)は、東京都中央区京橋にある、西洋美術、日本近代美術を中心とした私立美術館である。公益財団法人石橋財団が運営している。
概要
ブリヂストンの創業者である実業家石橋正二郎の収集した美術品を展示するため、1952年、東京・京橋に新築されたブリヂストンビル内に開館した。石橋は昭和のはじめ頃から日本の近代絵画の収集を始め、西洋美術の収集に本格的に乗り出したのは第二次大戦後のことであった。石橋は、戦前にすでに日本にもたらされていた西洋美術のコレクションを、戦後まとまった形で入手し、美術館開館までのわずか数年間に日本有数の西洋美術コレクションを形成した。
石橋正二郎は美術館の開館後も収集を継続した。1956年には財団法人石橋財団が設立され、1961年には美術品も財団へ移管された。同じ1956年、石橋の郷里の福岡県久留米市には石橋文化センターが設置され、センター内には姉妹館の石橋美術館が開館した。
館では1999年にリニューアルを行い、内装を一新した。印象派絵画の展示室は、従来の無機質な空間ではなく、床に絨毯を敷き、壁は色付きとして、19世紀当時、絵画が鑑賞されていた時代の雰囲気を出している[1]。
主な収蔵品
- レンブラント・ファン・レイン『聖書あるいは物語に取材した夜の情景』1626-28年
- カミーユ・コロー『ヴィル・ダヴレー』1835-40年
- オノレ・ドーミエ『山中のドン・キホーテ』1850年頃
- ギュスターヴ・クールベ『雪の中を駆ける鹿』1856-57年頃
- エドガー・ドガ『レオポール・ルヴェールの肖像』1874年頃
- ルノワール『すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢』1876年
- カミーユ・ピサロ『菜園』1878年
- エドゥアール・マネ『自画像』1878-79年
- アルフレッド・シスレー『サン=マメス、六月の朝』1884年
- フィンセント・ファン・ゴッホ『モンマルトルの風車』1886年
- ポール・ゴーギャン『乾草』1889年
- ギュスターヴ・モロー『化粧』1885年-1890年
- ポール・セザンヌ『サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール』1904-06年
- モーリス・ド・ヴラマンク『運河船』1905-06年
- クロード・モネ『黄昏、ヴェネツィア』1908年
- アメデオ・モディリアーニ『若い農夫』1918年頃
- モーリス・ドニ『バッカス祭』1820年
- ジョルジュ・ルオー『郊外のキリスト』1920-24年
- ピカソ『腕を組んですわるサルタンバンク』1923年
- パウル・クレー『島』1932年
- アンリ・マティス『青い胴着の女』1935年
- 青木繁『天平時代』1904年
- 藤島武二『黒扇』(重文)1908-09年
- 山下新太郎『読書』1908年
- 藤田嗣治『猫のいる静物』1939-40年
- 小出楢重『帽子をかぶった自画像』1924年
- Paul Cézanne - Mont Sainte-Victoire and Chateau Noir (Bridgestone Museum).jpg
セザンヌ『サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール』1904 - 06年頃
- Henri Rousseau - Meadowland.jpg
アンリ・ルソー『牧場』1910年
- Gustave Moreau - La Toilette.jpg
モロー『化粧』1885 - 90年頃
- Claude Monet - Water-Lilies (Bridgestone Museum).jpg
モネ『睡蓮の池』1907年
利用案内
- 開館時間
- 火曜〜土曜 10:00 - 20:00
- 日曜・祝日(休日)10:00 - 18:00
- 入館は閉館の30分前まで
- 休館日 毎週月曜日(国民の祝日や休日の場合は開館 それにあたる場合は火曜日以降の最初の平日)
脚注
- ↑ 宮崎克己「ブリヂストン美術館への招待」『読むブリヂストン美術館』所収、p.7
参考文献
- 石橋財団ブリヂストン美術館編 『読むブリヂストン美術館』、2001
- 石橋財団ブリヂストン美術館編 『特集展示 コレクター石橋正二郎』、2002
- 週刊朝日百科 『日本の美術館を楽しむNo.3 ブリヂストン美術館』 朝日新聞社、2004
関連項目
- 石橋文化センター - 石橋正二郎がブリヂストン創業地である福岡県久留米市にコレクションと共に寄贈した石橋美術館がある。このセンター自体、石橋が寄贈したものである。
- オーディオテクニカ - ブリヂストン美術館でレコードコンサート担当だった松下秀雄が、自作のレコードプレーヤー用のカートリッジを販売するため創業した。