ピーマン
テンプレート:栄養価 ピーマンはナス科の一年草、およびその果実。学名はCapsicum annuum L. 'grossum' であり、トウガラシの栽培品種に分類される(' 'は栽培品種を表す)。果肉は種子以外ほとんど空洞である。
日本の店頭で食用として販売されるものは、明治初頭にアメリカから伝わったイスパニア種を品種改良した中形で緑色のものが多いが、近年はカラーピーマンも出回っている。緑色は未成熟の果実のためであり、成熟すると一般的なものは赤色のほか黄色、橙色に変わるものもある。北米では大形の成熟した様々な色のものが流通する。その他に、未成熟で白色や、黒色(濃い紫色)、紫色のものもある。加熱すると緑色に変化し、熟すると橙色、赤色に変わる。英語では「Green pepper」、「Red pepper」、「Yellow pepper」などと呼ばれる。
日本語における「ピーマン」の由来は、ピメント(フランス語の「piment」あるいはスペイン語の「pimiento」テンプレート:要出典範囲)とされる。なお、ピーマンを意味するフランス語は「poivrons」である。
栽培
ピーマン自体はトウガラシの品種の一つであり、果実は肉厚でカプサイシンを含まない。カラーピーマンも未熟果では緑色などであるが、成熟すると赤色、橙色、黄色などに変化する。
ピーマンの一種アナスタシア(フルーツピーマン)の販売されているものにも緑色のほかに、赤色、黄色、橙色、黒色(紫色)など様々な色のものが存在する。
日本でパプリカと呼ばれる品種は、肉厚で果実の部屋数が3-4に分かれた綺麗なベル形の品種である。
高温を好み、多湿と乾燥には弱い。このため日本では冬から春にかけての時期はハウス栽培が行われている。これらの栽培は日本でも温暖な気候となっている宮崎県と高知県で特に盛んに行われ、日本国内で冬から春に出回るピーマンは両県産のものが多い。
日本では5月頃に植え付けされ7月から10月頃にかけて収穫されるのが一般的である。生産量の日本一は茨城県(2006年)。他に宮崎県、高知県、鹿児島県、岩手県、福島県などが主な産地として知られる。
日本で栽培される品種
- 大型
- カルフォルニアワンダー, ラージベル
- 中型
- 獅子, 京波, ちぐさ
食材
種以外の周りの果肉を食する。カラーピーマンの様に、成熟した果肉には甘みがある。未成熟の果肉には、独特の青臭い風味と苦味がある。青臭さは火を加えることにより軽減される。1990年代にパプリカが普及するとピーマン嫌いの子供向けに広く使われるようになった。2012年3月、タキイ種苗とお茶の水女子大学との共同研究により、クェルシトリンがピーマンの苦味成分であることが解明された[1]。
ビタミンCを多く含む。ビタミン成分は緑色のときよりも熟して赤や黄色になったときの方が増加する。また、フラボノイドが含まれており、これがビタミンCの熱による破壊を軽減していると考えられている。このため、レモンよりも遥かに多くのビタミンCの摂取が可能である。家庭で保存するときには、密閉を避けて7–8°C程度の場所に置くのがよい。それよりも低温の場所に長時間置くといわゆる低温障害を起こし、果肉の張りが失われる。
日本の一般家庭で広く普及したのは、第二次世界大戦後の1950年代以降である。
代表的な料理
- 青椒肉絲
- 生のまま刻んでサラダに用いる
- 網焼にする
- 野菜炒め、スープの具材にする
- 揚物、天ぷら
- 酢漬(ピクルス)
- 肉詰めピーマン、ドルマ:空洞部分にファルスを詰めて焼いたり煮たりしたもの
- ラタトゥイユ
- ピペラード
芸術
- 『ごめんねピーマン』
- 作詞:井出隆夫、作曲:越部信義
- ピーマンが嫌いな子供を主人公にした童謡。『おかあさんといっしょ』で使われているタンゴ調の楽曲。
その他
- 1970年代後半、「頭がピーマン」という流行語があった。ピーマンの中身が空洞であることを元に、「頭が悪い」という意味で使われた。
出典
外部リンク
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