ヒデ夕樹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
移動先: 案内、 検索

テンプレート:Infobox Musician ヒデ 夕樹（ひで ゆうき、1940年11月5日 - 1998年12月8日）は日本の歌手。

本名は平野 英之（ひらの ひでゆき）。芸名は「ヒデ 夕木」、「秀 夕木」、「秀 夕樹」、「秀 勇樹」などの別表記がある。

略歴

1958年、バンド「ザ・タドポールズ」のメンバーとしてデビュー。メンバーの一人だった朝コータローとは、その後も様々な形で共に活動することになる。

1966年、タドポールズが解散。エンディとの男性デュオ「ラッシャーズ」を結成。しかし1968年、エンディの事故死に伴い解散。同年、バンド「ソウルフル・ブラッズ」を結成。その際、藤村俊二によって「ヒデ夕樹」と命名される。

1971年、ソウルフル・ブラッドが解散。同じころテレビアニメ『あしたのジョー』の2代目エンディングテーマ・挿入歌である「力石徹のテーマ」を歌唱。以降、アニメソング・特撮ソング歌手としても活動を始める。

1973年、朝コータローとのデュオ「ヒデとコータロー」を結成（1975年に解散）。バンド活動の傍らCMソングも手掛けるようになり、1973年には日立グループCMソング「この木なんの木（日立の樹）」を歌った。なお、ヒデが歌唱したCMは2005年まで放映されたが、支払われたギャランティーは最初の録音時の一度だけ、2万円程度であったという[1]。

1979年、大麻所持で逮捕されるという事件を起こし、放映中だった『キャプテン・フューチャー』の主題歌がタケカワユキヒデによるカバー版に差し替えられることとなった[2]。

ステージではレイ・チャールズ、スティーヴィー・ワンダーらの歌を好んで歌っており、そのソウルミュージック系の歌唱法をそのままアニメソングというジャンルに取り入れていた。そのため、いずれの曲も大人びた魅力を放っており、聴く人に強い印象を与える。しかし、当時はその大人っぽさが「子供向けではない」と言われ、制作側から敬遠されることもあったという[3]。そのためか、アニメソング・特撮主題歌のレパートリーは同ジャンルの歌手としてはあまり多くない。

1998年12月8日、心不全のため死去（享年58）。この時期はアニメタルの作品のヒットなどをきっかけとした、1970年代のアニメ・特撮ソングのリバイバルブームが始まり掛けていた頃であったが、その死はあまり広くは伝わらず、なぜブームの中で登場してこないのか不思議がるファンが少なくなかった。小林亜星によれば、晩年は機会が得られず不遇をかこち、日立の樹のCMの新録音のため関係者がヒデの行方を捜した時には時既に遅く、人知れず亡くなっていたことが分かったとのこと[1]。

作品

代表曲

テレビアニメ

  • 力石徹のテーマ（1971年、『あしたのジョー』エンディングテーマ） - 「ヒデ夕木」名義。
  • Go!Go!トリトン（海のトリトン）（1972年、『海のトリトン』エンディングテーマ、オープニングテーマ） - 「秀夕樹」名義。
  • ブロッカー軍団マシーンブラスター（1976年、『ブロッカー軍団IVマシーンブラスター』オープニングテーマ）
  • 夢の舟乗り（1978年、『キャプテン・フューチャー』オープニングテーマ）
  • おいらは淋しいスペースマン（1978年、『キャプテン・フューチャー』スペシャル版エンディングテーマ）
  • 忍びのテーマ（1979年、『忍風カムイ外伝』） - オリジナル歌手は水原弘。
  • 小さなわが家 （1982年、『南の虹のルーシー』）
  • わが子よ（1982年、『南の虹のルーシー』）

特撮テレビドラマ

  • 風よ光よ（1972年、『快傑ライオン丸』オープニングテーマ） - 「秀夕木」名義。
  • ゴーゴー・キカイダー（1972年、『人造人間キカイダー』オープニングテーマ） - 「秀夕木」名義。
  • 戦え!人造人間キカイダー（1972年、『人造人間キカイダー』エンディングテーマ） - 「秀夕木」名義。
  • フラッシュ!イナズマン（1974年、『イナズマンF』オープニングテーマ）
  • 鉄人タイガーセブン（1974年、『鉄人タイガーセブン』オープニングテーマ） - 「秀夕木」名義。
  • 戦え!ウルトラマンレオ（1974年、『ウルトラマンレオ』オープニングテーマ） - 番組放送時のクレジットでは本名の「平野英之」名義
  • 青春の旅立ち（1978年、『スターウルフ』オープニングテーマ）
  • さすらいのスターウルフ（1978年、『スターウルフ』エンディングテーマ）
  • 駆けろ!スパイダーマン（1978年、『スパイダーマン』オープニングテーマ）
  • 誓いのバラード（1978年、『スパイダーマン』エンディングテーマ）

映画

  • THE DOGFIGHTER（1982年、『世界の空軍 AIR FORCE'82 ドッグファイト』挿入歌）
  • IF I COULD FIGHT THE WIND ヒデ夕樹 （1982年、『世界の空軍 AIR FORCE'82 ドッグファイト』エンディングテーマ）

CMソング

ベスト・アルバム

脚注

  1. ↑ 1.0 1.1 AERA2007年8月13-20日号「コーポレートキャラクター 日立の樹 日本人を見つめる“気になる木”」（文・神山典士）
  2. ↑ ただし、作曲者の大野雄二は、当初からタケカワユキヒデによる歌唱を前提に主題歌の作曲を行っていたものの、制作側の都合で当初挿入歌『おいらは淋しいスペースマン』のみ担当予定だったヒデ夕樹の歌唱が選ばれたことに激昂。自らの抗議でタケカワ版の主題歌に変更させたと、近年の雑誌インタビューで証言している。また後年、サウンドトラックCD化の際の音源捜索で、タケカワ版が先に録音されていたという事実が判明している（WEBアニメスタイル、コラム。アニメの“音”を求めて、早川優。第2回「音源復刻への長い道程」）。
  3. ↑ 『スパイダーマン』の音楽を担当した渡辺宙明は、『スパイダーマン』でもそのような理由でヒデ夕樹の起用に消極的な意見があったと証言している（『スパイダーマン』DVD-BOX特典解説書より）。
</div>

関連項目

外部リンク

「http://wikippe.e-do-match.com/index.php?title=ヒデ夕樹&oldid=32869」から取得