ニトログリセリン
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Chembox ニトログリセリン(テンプレート:Lang-en-short)とは、示性式 C3H5(ONO2)3 と表される有機化合物。爆薬の一種であり、狭心症治療薬としても用いられる。
グリセリン分子の3つのヒドロキシル基を、硝酸と反応させてエステル化させたものである。狭義のニトロ化合物ではなく、硝酸エステルである。 甘苦味がする無色油状液体。わずかな振動で爆発することもあるため、取り扱いが難しい。
医薬品
血管拡張作用があるので狭心症の薬になる。
現在医薬品として用いられている物は硝酸イソソルビドなどのニトロ基を持つ硝酸系の薬品が主である。ニトログリセリンを使用する場合であっても添加剤を加えて爆発しないように加工されている。それらを加工して爆薬を作ることは可能であり、アメリカなどでは医薬品のニトロも爆薬、兵器として敵対国への輸出を禁止している。
爆発性
加熱や摩擦によって爆発する。爆薬としてダイナマイトの原料になる。ニトログリセリンは低速爆轟を起こしやすいため、衝撃感度が高く小さな衝撃でも爆発しやすい。そのため、アセトン、水などと混ぜて感度を下げるか、ニトロゲル化して取り扱う。
8 テンプレート:℃で凍結し、14 テンプレート:℃で溶けるが、一部が凍結すると感度が高くなる。
溶かす場合には湯煎するなどして間接的に加熱する。
膠化した物でも、凍結と解凍を繰り返すと液体のニトログリセリンが染み出して危険である。ダイナマイトなどに加工された状態であっても凍結は避けなければならない。
歴史
1846年にイタリアの化学者、テンプレート:仮リンク が初めて合成に成功した。爆発力がすさまじく、一滴を加熱しただけでガラスのビーカーが割れて吹き飛ぶほどの威力があった。その後、アルフレッド・ノーベルらの工夫により実用化された。
製造法
グリセリンを硝酸と硫酸の混酸で硝酸エステル化するとニトログリセリンになる。
物語に登場するニトログリセリン
ニトログリセリンの性質は、様々な物語で取り上げられている。アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督のサスペンス映画『恐怖の報酬』(1953年)では、油田火災を爆風で消火するため、ニトログリセリンをごくごく普通のトラックで運ぶことになった男たちの恐怖が描かれている。
その他の事柄等
結晶化に関するデマ
亜酸化窒素との混同について
ドラッグレース用競技車やチューニングカーで使用されるナイトラス・オキサイド・システム(「ニトロ」と呼称する)は亜酸化窒素 (N2O) を使用している。また、正式な略称も「ナイトロ(ス)」である。
亜酸化窒素はニトログリセリンと同じ窒素化合物ではあるが、化学的特性は全く異なるもので、爆発性も無い。体積比にして 21% の酸素含有量である空気に対し、33% である N2O を利用し、吸気量に限界のある内燃機関で、より多くのガソリンを燃焼させるために用いられている。
関連項目
- グリセリン
- 小林誠 (医学者)
- フィリピン航空434便爆破事件 - 使用された薬品がニトログリセリンである
- 恐怖の報酬
- 恐怖の報酬 (1977年の映画) - 上記のリメイク
- りぜるまいん - 登場キャラクターのりぜるが流す涙の成分がニトログリセリン