ドレッドノートガンダム
テンプレート:Pathnav ドレッドノートガンダムは、漫画『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』に登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の兵器の一機種。「ドレッドノート」は英語で「勇敢な者」を意味する。
本項では、仕様変更型であるXアストレイ及び、関連作品に登場するドレッドノートイータについても解説する。
機体解説
ザフト初のニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)搭載型核動力MS。地球連合から奪取したG兵器の技術を元に[1]開発され、C.E.71年2月28日に完成した。
本機はZGMF-X09A ジャスティス、ZGMF-X10A フリーダム等、後の核動力機のプロトタイプである。これら核動力機はヴェルヌ等の非MS分野を含む統合設計局により開発され、またZGMF-600 ゲイツの開発は統合設計局をMMI社がリーダーカンパニーとなって率いる形で設計されたが、ドレッドノートはクラーク、アジモフ、ハインラインの3局のみの共同により開発されている[1]。
NJCを搭載した核動力MSの基礎データ収集が目的であるため、開発時間の短縮により、頭部以外はほぼゲイツのパーツを流用している。このことから、本機はゲイツと本機以降の核動力機を結ぶ過渡的な機体と言える。また、後の機体と違い唯一NJCを頭部に搭載しているのも特徴である。なお、このNJCはまだ試験段階の代物であり、宙域レベルでNジャマー領域を無効化するため「ニュートロンジャマー下でもその一帯の宙域で核エンジンが使用可能となってしまう」といったザフト側にとってもマイナスとなりうる面も存在した。
武装は、核エンジンの恩恵によって装備可能となったドラグーンの一種「XM1 プリスティス ビームリーマー」が代表的である。システムの制御に使われる量子通信は、Nジャマー下での無線誘導を可能としているが、消費電力の膨大さから大電力をほぼ恒常的に発生する核エンジンのバックアップは不可欠だった。プリスティスはゲイツが持つビームロケットアンカー「EEQ7R エクステンショナル・アレスター」の発展型であり、ビーム砲内蔵の端末部は本体とケーブルで繋がれている。ただしこれはこの装備がまだ実験段階にある為、端末のロストを防ぐ目的で備えられたものであり、ケーブルが断線したとしても運用に支障は無い。また、射撃のみならず格闘用のビームスパイクとしての運用も可能である。射撃武装の「MA-M22Y ビームライフル」とビームサーベル内蔵の「MA-MV04 複合兵装防盾システム」は、それぞれゲイツが装備する「MA-M21G ビームライフル」「MA-MV03 2連装ビームクロー」の改良型であり、後にドラグーンシステムを搭載した直系の後継機と言えるZGMF-X13A プロヴィデンスの「MA-M221 ユーディキウムビームライフル」や「MA-MV05A 複合兵装防盾システム」の原型となっている。
運用試験はザフト正規軍パイロットではなく、高い空間認識能力の持ち主でもあった民間出向のテストパイロットコートニー・ヒエロニムスが務めた。[2]
「プラントの守護を担う勇敢な機体であれ」という願いを込めて、ドレッドノート(勇敢な者)と命名されたとされている。しかし、実態は常に被曝等トラブルの危険に晒される核エンジンを搭載した事でパイロットの負うリスクが増した事から、「こんな機体に乗る者は勇敢な人物だ」という皮肉を込めて名付けられたという説もある。また、後にドラグーン(有線式であるが、これはドラグーン自体もフェイズシフト装甲で出来ている為の通電用であってガンバレルの様な操作用ではない)が追加装備された際に、ロウ・ギュールから「Xアストレイ」とも呼ばれている。これは、パイロットであるプレアの、核の力を平和の為に使いたいという意思から「兵器としての王道を外れた者」という意味での「アストレイ」と、バックパックに装備されたドラグーンが「X」の形に見える事による。
劇中での活躍
元々テスト機だったドレッドノートは、テスト終了後にはバラバラのパーツに分解され、核エンジンおよび機密パーツ以外は廃棄処分されるはずだったが、地球の深刻なエネルギー不足を解決する為、シーゲル・クラインにより、全てのパーツがジャンク屋を通じてマルキオ導師に渡る様に手配された。
しかし地球へ輸送中、NJC搭載の頭部ユニットをサーペントテールに奪われた為、後に返却されるまではゲイツのもので代用し、予備電源で駆動していた。
後にサーペントテールが頭部を返却した際、リ・ホームで改修される。その後、アンドリュー・バルトフェルドから、本機のテストで得られたデータから生み出されたドラグーンの設計図がもたらされ、ロウ・ギュールによってアメノミハシラにて新たに装備された。
ハイペリオンとの最終決戦の後、プレア・レヴェリーからカナード・パルスに託された。
ドレッドノートイータ
傭兵の道に入ったカナードがロウ・ギュールに依頼して、プレアの遺品であるドレッドノートを改装した機体。
カナード本人の空間認識能力はドラグーンシステムの操作には不十分であったためこれらを全て外し、新たにイータユニットと呼ばれる武装モジュールに換装(一部改修)されている。
イータユニットはあらゆる戦闘に対応すべく開発された多目的武装で、ビーム砲及び機関砲、グレネードランチャーを内蔵した背部の1対のデバイスを前方に展開した砲撃戦形態「バスターモード」、両腕にマウントし巨大なビームサーベルとした格闘戦形態「ソードモード」の2形態に変化する。本体の武装は先の戦いで四散したハイペリオンの残骸から回収された武装を一部改良して使用している。ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」は、本体核エンジンに直結されたパワーケーブルを接続する事でマガジン交換の手間や弾数制限の制約を改善している。もっとも、これが専用装備というわけでは無く、任務によっては従来のMA-M22Y ビームライフルを携行することもある。
両腰にはプリスティス端末に「アルミューレ・リュミエール」の発生器を組み合わせた「アルミューレ・リュミエール・ハンディ」を装備。使用時は前腕部に発生器をマウントする。スティグマト同様有線で電力供給が行われ、連続使用時間が大幅に延長されている。またハイペリオン同様、発振方向を収束することで格闘用のビームランスとしても使用される。
「イータ」とはこの装備のシルエットが「H」に見えることから、ギリシャ語の「Η」(イータ)にちなんで名付けられた。なお、本機は純粋に兵器として使用されているためアストレイの名を冠していない。