ドダイYS
テンプレート:Pathnav ドダイYS(ドダイワイエス)は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器。型式番号YS-11[1]。ジオン公国軍の開発した重爆撃機。機首に8連装対地ミサイルランチャーを装備。最近の記事ではあまり見られないが、以前は「要爆」(要撃爆撃機)という独自のカテゴリーに分類されていた。
機体解説
本機は機体前面に8連装ミサイルランチャーを装備する爆撃機であり、フラットベッド型(貨物室を持たず、機体上面に貨物をむき出しで固定する)輸送機でもある。
機体上面から吸入した空気を下面から噴出することで、VTOLが可能になっている。また、最前線での戦術輸送を考慮して多数のロケットブースターを備えており、緊急離陸が可能。機体が大きく、重量に比べて推力に余裕のあるエンジンが搭載されており、ペイロードの余裕に着目した軍司令部は機体上部にモビルスーツ(MS)を乗せ、戦場への輸送や降下した大気圏突入カプセルからの回収などの任務を行わせることとなる。
更にはMSを乗せたままでも戦闘を行えることが発見され(熟練のパイロットは必須だが)、MSの行動範囲の拡大、MSと爆撃機の両者にとって不得手であった対空戦が可能、本機に被弾時でもMSが即座に離脱できるなどの有用性からザクIIやグフなどを乗せ、前線で運用された。また、グフの固定武装が空中戦において非常に有効活用できたため、グフには量産時点で本機とのリンクプログラムが搭載された。「本来は中隊長用アンテナとされる額のツノがグフに標準装備されているのはこのため」であるという設定も存在する。それ以降、MS輸送や空中戦のための補助機体はサブフライトシステム(SFS)と呼ばれ、広く利用されることとなった。
連邦の空中輸送部隊にとって本機とMSの連携は大変な脅威で、撃墜されたミデア輸送機もかなりあったとされる。ただし、本機自体はコア・ファイターの機銃一連射で爆発する程度の脆弱な防御力であり[2]、本機側にも少なくない犠牲が出た。
劇中での登場
テレビ版23話にのみ登場。マチルダ・アジャン中尉率いるミデア隊を迎撃するため、マ・クベ大佐の部下クリンク中尉がドダイYS+グフ3機と援護のドップ隊で攻撃をかけた。劇中では、操縦を部下に任せたクリンクが部隊全体を指揮するなど、空中管制機的な運用もされていた。
空からの猛攻は、救援に来たガンダムをも窮地に追い込むが、ミデア隊が運んできたGファイターにガンダムが乗って空中戦を挑んだことで形勢は逆転。ドダイ部隊は全滅した。このエピソードは劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』では全面カットされ、ドダイもGファイターも登場しない。また、テレビ版でも、ホワイトベースがマ・クベの包囲網を脱出した後の出番はなくなったが、第42話にてブラウ・ブロやズゴックらしきMSと共にア・バオア・クー付近の宇宙空間に配備されている姿が確認できる。
漫画『機動戦士ガンダム0079』の第4巻後半では、オデッサ作戦にドダイYSが登場し、ザク・バズーカを持ったグフを搭載した。連邦軍地上戦艦部隊を襲撃するも連邦軍戦闘機に襲われ、グフもろとも撃墜される描写がある。
なお、ザクを搭載可能という設定は放映当時には存在せず、漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』に混戦のオデッサをさまよう主人公たちのザクが、ドダイに乗せてもらうシーンがある。また、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも「オデッサ編」にて、シャアの身を案じたマリガンの乗るドダイが登場するが、本来のMSを運搬するシーンは描かれなかった。
バリエーション
- ドダイGA - 『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』で設定され、ゲーム『ギレンの野望』に登場する先行型のドダイ。爆撃専用型。
- 『MSV-R』では対地攻撃能力向上を図り、大戦後期に実戦配備が開始された新型と設定されている。ミサイルランチャーを4連装に変更され、空いたスペースにエアインテークを、その上部に対地ミサイル・ベイを装備している。主翼はガルウイングに変更されている。SFSとしての運用も可能。また「ド・ダイGA」「ド・ダイYS」と表記されている。
- ドダイYS - テレビシリーズに登場した、グフを搭載して飛行できるタイプ。
- ドダイII - OVA「第08MS小隊」に登場した、ミサイルランチャーを廃しエンジンを強化した輸送専用タイプ。
- ドダイ改