トミー・リー・ジョーンズ

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テンプレート:ActorActress トミー・リー・ジョーンズTommy Lee Jones, 1946年9月15日 - )は、アメリカ合衆国俳優

来歴

テキサス州出身。父親は油田で働き、母親は婦人警官。

高校卒業後、家計を助ける為に父親の働く油田会社に就職。傍ら寝る間も惜しんで独学で勉強し、1年後、奨学金でハーバード大学英米文学部に進学。この時点の夢は文学と演劇の教師になることで、大学では演劇部に所属していた。因みに寮のルームメイトに後の副大統領となるアル・ゴアがいた。

文学と演劇を教える教師を目指していたが、次第に舞台に立つ事を夢見るようになる。大学卒業後、ブロードウェイに憧れてマンハッタンへと出る。そこでは小さな食堂で皿洗いの仕事をしながら、稽古に励んだ。そんなときに友人と受けた映画のオーディションに合格し、1970年ある愛の詩』で映画デビューした。しかし、同映画の製作元パラマウント映画の上層部から「顔つきがキツい」とクレームがつき、映画自体は大ヒットしたものの苦い映画デビューとなった[1]

その後はしばらく役に恵まれず、下積みが長く続き、『ある愛の詩』の次の出演作は『ライフ・スタディ』という低予算作品だった。同作まで3年間、映画の仕事がなく、その間は最初の妻であるジャーナリスト、ケイト・ラードナー(リング・ラードナーの孫)に養ってもらっていた[1]

1980年代はテレビ出演が主で、映画は出演しても脇役だった。しかし『JFK』や『沈黙の戦艦』出演の頃から注目されるようになる。1993年の『逃亡者』ではハリソン・フォード演じるキンブル医師を追い詰める捜査官役でアカデミー助演男優賞を受賞した。以降、主演作品に恵まれるようになる。2005年には自身が監督・プロデュース・出演した『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。

1999年京都の老舗で日本屈指の宿である俵屋旅館が火事になったとき、偶然宿泊していた。鎮火後、「火事が消えたのならあの部屋に戻りたい」と言い、周囲を困惑させたとする逸話がある[2]

2006年4月からは日本国内においてサントリー缶コーヒーBOSSレインボーマウンテンのCM「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」に出演。毎回日本の様々な職業に潜入するというストーリーで、2014年4月現在、9年目を迎える長寿CMシリーズとして定着している。

2011年4月からはサントリーグループによる東北地方太平洋沖地震復興支援として、坂本九のヒット曲である「上を向いて歩こう」・「見上げてごらん夜の星を」の両曲を同社グループのCM出演者総勢71名がリレー方式で歌う企業イメージCMにも出演。歌声も披露している。

2012年8月からは、「BOSSコーヒー20周年」とソフトバンクモバイルの「プラチナバンド開始」の共同キャンペーンの一環として、「宇宙人ジョーンズ」と「白戸家」両シリーズのコラボレーションCMにも出演している。

出演作品のテレビ放送やDVDなどの日本語吹き替えは、主に菅生隆之小林清志池田勝谷口節等が担当。CMでは谷口が声を担当していたが没後は映画吹き替えが多い菅生隆之がCMも担当している。

『JFK』、『天と地』、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』で共に仕事をしたオリバー・ストーン監督と、生年月日が同じ1946年9月15日である。

人物・エピソード

2012年、『メン・イン・ブラック3』のプロモーションワールドツアーで、唯一、日本だけに参加し、「私は本当に日本が大好きで、日本に来るのはいつも幸せ。本当に美しい国ですし、私にとっては第二の故郷。ファンがいるということはあまり意識していませんが、こうやってみなさんにお会いでき、本当に嬉しく思います」と、自らの日本好きを語った[3]。また2013年にも『終戦のエンペラー』のプロモーションで来日予定であり、「10年来の歌舞伎のファンだ」と歌舞伎座への訪問も予定している[4]

主な出演作品

公開年 邦題
原題
役名 備考
1970 ある愛の詩
Love Story
ハンク
1976 チャーリーズ・エンジェル/ぶどう園乗っ取り殺人事件
Charlie's Angels
テレビ映画
激突39台!史上最大の自動車事故/ハイウェイ・パニック
Smash-Up On Interstate 5
テレビ映画
ジャクソン・ジェイル
Jackson Country Jail
1977 ハワード・ヒューズ物語
The Amazing Howard Hughes
ハワード・ヒューズ テレビ映画
ローリング・サンダー
Rolling Thunder
ジョニー・ヴォーデン
1978 ベッツィー
The Betsy
アンジェロ
アイズ
Eyes of Laura Mars
ジョン
1980 歌え!ロレッタ愛のために
Coal Miner's Daughter
ドゥーリトル・リン
1981 死刑執行人
The Executioner's Song
ゲイリー テレビ映画
1983 キャプテン・ブーリーの大冒険
Savage Islands
ブーリー・ヘイズ 日本未公開
1985 ニューヨーク・コマンドー/セントラルパーク市街戦
The Park is Mine
ミッチ 日本未公開
1986 ブラックライダー
Black Moon Rising
クイント
1987 ビッグタウン
The Big Town
ジョージ・コール
1988 ストーミー・マンディ
Stormy Monday
コズモ
1989 背徳の罠/死者のメッセージ
Broken Vows
ペーター 日本未公開
ロンサム・ダブ
Lonesome Dove
ウッドロウ テレビ映画
ザ・パッケージ/暴かれた陰謀
The Package
トーマス
1990 アパッチ
Fire Birds
ブラッド・リトル
1991 JFK
JFK
クレイ・ショー アカデミー助演男優賞ノミネート
英国アカデミー賞 助演男優賞ノミネート
1992 沈黙の戦艦
Under Siege
ウィリアム・ストラニクス
心の扉
House of Cards
ジェイク
1993 逃亡者
The Fugitive
サミュエル・ジェラード アカデミー助演男優賞受賞
ゴールデングローブ賞 助演男優賞受賞
天と地
Heaven & Earth
スティーブ・バトラー
1994 ワイルド・メン
The Good Old Boys
ヒューイ・キャロウェイ テレビ映画
製作・脚本兼任
ブローン・アウェイ/復讐の序曲
Blown Away
ギャリティ
ザ・クライアント 依頼人
The Client
ロイ・フォルトリッグ
ナチュラル・ボーン・キラーズ
Natural Born Killers
ドワイト・マクラスキー
ブルースカイ
Blue Sky
ハンク・マーシャル
1995 バットマン フォーエヴァー
Batman Forever
トゥーフェイス
ハーヴェイ・デント
タイ・カップ
Cobb
タイ・カッブ
1997 ボルケーノ
Volcano
マイク・ローク
メン・イン・ブラック
Men in Black
エージェントK
1998 追跡者
U.S. Marshals
サミュエル・ジェラード 逃亡者』のスピンオフ作品
スモール・ソルジャーズ
Small Soldiers
声の出演
1999 ダブル・ジョパディー
Double Jeopardy
トラヴィス
2000 英雄の条件
Rules of Engagement
ヘイズ・ホッジス
スペース・カウボーイ
Space Cowboys
ホーク・ホーキンズ
2002 メン・イン・ブラック2
Men in Black II
エージェントK
2003 ハンテッド
The Hunted
L.T.
ミッシング
The Missing
サミュエル・ジョーンズ
2005 チアガール VS テキサスコップ
Man of the House
ローランド 日本未公開
製作総指揮
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
The Three Burials of Melquiades Estrada
ピート・パーキンズ カンヌ国際映画祭 男優賞受賞
監督・製作
2006 今宵、フィッツジェラルド劇場で
A Prairie Home Companion
アックスマン
2007 ノーカントリー
No Country for Old Men
エド・トム・ベル 英国アカデミー賞 助演男優賞ノミネート
告発のとき
In the Valley of Elah
ハンク・ディアフィールド アカデミー主演男優賞ノミネート
2009 エレクトリック・ミスト 霧の捜査線
In the Electric Mist
デイヴ・ロビショー 日本未公開
2010 カンパニー・メン
The Company Men
ジーン・マクラリー
2011 The Sunset Limited 監督兼任
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
Captain America: The First Avenger
チェスター・フィリップス
2012 メン・イン・ブラック3
Men in Black III
エージェントK
31年目の夫婦げんか
Hope Springs
終戦のエンペラー
Emperor
ダグラス・マッカーサー
リンカーン
Lincoln
タデウス・スティーブンス
2013 マラヴィータ
The Family / Malavita
ロバート・スタンスフィールドFBI捜査官

主な受賞

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:アカデミー賞助演男優賞 1981-2000 テンプレート:カンヌ国際映画祭男優賞 2000-2019 テンプレート:全米映画俳優組合賞助演男優賞

テンプレート:Normdaten
  1. 1.0 1.1 2008年4月号「日経エンタテインメント!」(日経BP社)
  2. 『俵屋の不思議』 著:村松友視
  3. 『MIB3』の続編あるかも! ウィル・スミスらが来日しジャパンプレミア 2012年5月9日 ムービーコレクション
  4. トミー・リー・ジョーンズ来日決定!“第2の故郷”日本で念願の歌舞伎座を訪問 2013年7月4日 シネマトゥデイ