ハリソン・フォード
テンプレート:ActorActress ハリソン・フォード(Harrison Ford, 1942年7月13日 - )は、アメリカ合衆国の俳優である。イリノイ州シカゴ生まれ。
父親のクリストファー・フォードはアイルランド系アメリカ人で元俳優、母親のドロシー・フォードはラジオ女優でロシア系ユダヤ人。身長183cm。
経歴
ウィスコンシン州の私立リポン大学在学中に演劇に目覚め、中退後、地元劇団での活動を経て、本格的に俳優として活動するためロスアンゼルスに移住。そこでコロンビア映画の重役に認められ、同社所属の俳優として契約を結び、1966年『現金作戦』で映画デビュー。その後は大作映画やテレビドラマで脇役やゲスト出演を続けるも、充分な作品に恵まれない状況や映画俳優としての出し方に疑問を抱き、契約終了後は独学で技術を学び、大工に転職[1]。家のリフォームや家具作りをしながら生計をたてる一方で、俳優として活躍するチャンスを模索した。
その後、大工仕事を通じて知りあった映画プロデューサー、フレッド・ルースの紹介を受け、映画『アメリカン・グラフィティ』に出演。自身の役柄に対して、様々なアイディアを出すなど積極的な姿勢が評価され、監督であるジョージ・ルーカスの信頼を得ると共に、この映画のプロデューサーでもあったフランシス・フォード・コッポラにも注目され、続けて『カンバセーション/盗聴』に出演。その後はアメリカン・ゾエトロープ(コッポラのスタジオ)で裏方として働きながら、コッポラやルーカスなどと親交を結んだ。
1977年には、フレッド・ルースの紹介で『スター・ウォーズ』のオーディションに参加、参加時の不安な心境と男らしい雰囲気が決め手となり、ハン・ソロ役に抜擢され、同映画の爆発的ヒットに伴い、一躍人気スターとなった。『スター・ウォーズ』旧3部作のハン・ソロ役を演じる一方、『ナバロンの嵐』や『ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど』など数々の話題作に出演し、俳優としての活動に弾みをつけ、1981年には、ジョージ・ルーカス製作の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に主役のインディ・ジョーンズを演じた。同作も『スター・ウォーズ』同様大ヒットを記録し、後にシリーズ化された。
アメリカ映画界の二大ヒーロー役を手にし、アクションスターとして活躍する一方、1985年には『刑事ジョン・ブック 目撃者』で正義感溢れるタフな刑事役を主演し、アーミッシュの文化に戸惑いながらも、犯罪を目撃した母子と心を通わせる人間味豊かな演技が評判を呼び、その年のアカデミー最優秀主演賞にノミネートされ、演技力も高く評価された。
その後は、ロマン・ポランスキー、アラン・J・パクラ、マイク・ニコルズなどアメリカ映画界を代表する監督陣の映画に相次いで出演。『ワーキング・ガール』では、ヒロインと恋仲になる重役を軽妙なタッチで演じ、『心の旅』では記憶喪失となりながらも、暖かい人間性を取り戻していく辛辣な弁護士を演じるなど、ロマンチック・コメディからサスペンスまで幅広いジャンルの映画に出演し、俳優としての幅を広げた。
1992年にはベストセラー作家、トム・クランシー原作の映画『パトリオット・ゲーム』で、人気キャラクター・ジャック・ライアンを演じ、大ヒットを記録。前作の成功を受け製作された続編『今そこにある危機』にも同役で主演し、三度目の当り役となった他、1993年には、過去にゲストした人気ドラマ『逃亡者』の映画版で主人公リチャード・キンブルを演じ、興行的に大きな成功を収め、同時にゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、ハリウッドのマネーメイキングスターとしての地位を確固たる物とした。
90年代から2000年代もマイペースに俳優業を続け、2008年に4度目のインディ・ジョーンズを演じた『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』では、60代ながらも果敢にアクションに挑戦した他、2010年に公開された『小さな命が呼ぶとき』では俳優として出演した他に、自身でも2度目となる作品の製作総指揮を担当する等、精力的な活動を行っている。
2015年公開予定の『スター・ウォーズ:エピソードVII(原題) / Star Wars: Episode VII』に、ハン・ソロ役で出演することが発表された[2]。
エピソード
- 無名時代は、ハリウッド界隈でも腕の良い大工として知られ、ジェームズ・コバーンをはじめ、多くのハリウッドスターを顧客に持っていた。大工としての才能も傑出しており、仕事を始めてまもないころに知人の紹介でセルジオ・メンデスのスタジオの改築を手がけた際は、大工となって日が浅いにもかかわらず、手馴れた手腕で取り組み、その見事な仕上がりにメンデス自身から驚きと賞賛を得たほどである。本人も大工仕事には愛着を持っており、俳優として成功の後も時折、自宅の家具作りやリフォームを自らの手で行っている。
- ワイオミング州ジャクソンホールに800エーカー(3.2km2)の農場を所有し、気に入った映画の脚本がない場合は、同地でのんびりと過ごすというライフスタイルを貫いている。また、飛行機とヘリコプターのライセンスを持ち、過去にヘリコプターや飛行機で人命救助を行い、『インディ・ジョーンズ』ばりの私生活と話題になった。自ら飛行機を操縦して来日したことがある。
- プライベートはほとんど明かさないことで知られている[1]。
- 映画のプロモーションを積極的に行うことで知られ、日本には1982年の『ブレードランナー』で初来日以降、2008年の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』まで、映画PRで計9回来日している。
- 2001年には、『ギネスブック』では最も裕福な俳優と記されたほか、2003年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに選ばれている。
- 私生活では、1964年にメアリー・マーカットと結婚、2人の子供をもうけたが1979年に離婚。1983年に脚本家であるメリッサ・マシスンと再婚し、息子と娘をもうけたが2004年に離婚[3]。その後は女優のキャリスタ・フロックハートと2010年6月15日、映画の撮影で滞在していたニューメキシコ州サンタフェで挙式した[4][5]。
- 『ファイヤーウォール』や『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』では撮影当時60代ながらほとんどスタントマン、スタントダブルを使わずに演じたという。
- 息子のベンジャミン・フォードはロサンゼルスで2006年からレストランの経営兼シェフをしており好評を博している。ハリソン自身もプライベートで訪れる。
出演作品
映画
日本語吹き替えは、日本テレビを初めとしてテレビは主に村井国夫、テレビ朝日、DVDは磯部勉がつとめ、菅生隆之も複数回つとめている。
年度 | 題名 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1966 | 現金作戦 Dead Heat on a Merry-Go-Round |
ベルボーイ | ノンクレジット |
1967 | Luv | ヒッピー | ノンクレジット |
大いなる砲火 A Time for Killing |
シェーファー中尉 | ハリソン・J・フォード名義 | |
1968 | テキサスの七人 Journey to Shiloh |
ウィリー・ビル・ベアデン | |
1970 | 砂丘 Zabriskie Point |
空港職員 | ノンクレジット |
Getting Straight | ジェイク | ||
荒野の侵略者 The Intruders |
カール | テレビ映画 | |
1973 | アメリカン・グラフィティ American Graffiti |
ボブ・ファルファ | |
1974 | カンバセーション…盗聴… The Conversation |
マーティン・ステット | |
Judgement: The Court Martial of Lt William Calley | フランク・クラウダー | テレビ映画 | |
1976 | Dynasty | マーク・ブラックウッド | テレビ映画 |
1977 | The Possessed | ポール・ウィンジャム | テレビ映画 |
スター・ウォーズ Star Wars Episode IV: A New Hope |
ハン・ソロ | サターン主演男優賞ノミネート | |
幸福の旅路 Heroes |
ケン・ボイド | ||
1978 | ナバロンの嵐 Force 10 from Navarone |
バーンズビー中佐 | |
スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル The Star Wars Holiday Special |
ハン・ソロ | テレビ映画 | |
1979 | 地獄の黙示録 Apocalypse Now |
ルーカス大佐 | |
ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど Hanover Street |
デイビッド・ハロラン | ||
フリスコ・キッド The Frisco Kid |
トミー・リラード | ||
アメリカン・グラフィティ2 More American Graffiti |
ボブ・ファルファ | カメオ出演 | |
1980 | スター・ウォーズ 帝国の逆襲 Star Wars Episode V: The Empire Strikes Back |
ハン・ソロ | |
1981 | レイダース/失われたアーク《聖櫃》 Raiders of the Lost Ark |
インディアナ・ジョーンズ | サターン主演男優賞受賞 |
1982 | ブレードランナー Blade Runner |
リック・デッカード | |
1983 | スター・ウォーズ ジェダイの帰還 Star Wars Episode VI: Return of the Jedi |
ハン・ソロ | |
1984 | インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 Indiana Jones and the Temple of Doom |
インディアナ・ジョーンズ | サターン主演男優賞ノミネート |
1985 | 刑事ジョン・ブック 目撃者 Witness |
ジョン・ブック | アカデミー主演男優賞ノミネート ゴールデングローブ主演男優賞ノミネート |
1986 | モスキート・コースト The Mosquito Coast |
アリー・フォックス | ゴールデングローブ主演男優賞ノミネート |
1988 | フランティック Frantic |
リチャード・ウォーカー医師 | |
ワーキング・ガール Working Girl |
ジャック・トレイナー | ||
1989 | インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 Indiana Jones and the Last Crusade |
インディアナ・ジョーンズ | サターン主演男優賞ノミネート |
1990 | 推定無罪 Presumed Innocent |
ラスティ・サビッチ | |
1991 | 心の旅 Regarding Henry |
ヘンリー・ターナー | |
1992 | パトリオット・ゲーム Patriot Games |
ジャック・ライアン | |
1993 | 逃亡者 The Fugitive |
リチャード・キンブル医師 | ゴールデングローブ主演男優賞ノミネート |
1994 | 今そこにある危機 Clear and Present Danger |
ジャック・ライアン | |
1995 | サブリナ Sabrina |
ライナス・ララビー | ゴールデングローブ主演男優賞ノミネート |
1997 | デビル The Devil's Own |
トム・オミーラ | |
エアフォース・ワン Air Force One |
ジェイムズ・マーシャル大統領 | ||
1998 | 6デイズ/7ナイツ Six Days Seven Nights |
クイン・ハリス | |
1999 | ランダム・ハーツ Random Hearts |
ダッチ・ヴァン・デン・ブロック | |
2000 | ホワット・ライズ・ビニース What Lies Beneath |
ノーマン・スペンサー博士 | |
2002 | K-19 K-19: The Widowmaker |
アレクセイ・ボストリコフ艦長 | 兼製作総指揮 |
2003 | ハリウッド的殺人事件 Hollywood Homicide |
ジョー・ギャビラン刑事 | |
2004 | Water To Wine | バス運転手 | 短編映画 |
2006 | ファイヤーウォール Firewall |
ジャック・スタンフィールド | |
2008 | インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull |
インディアナ・ジョーンズ | サターン主演男優賞ノミネート |
Dalai Lama Renaissance | ナレーター | ドキュメンタリー | |
2009 | 正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 Crossing Over |
マックス・ブローガン捜査官 | |
ブルーノ Bruno |
本人 | ノンクレジット | |
2010 | 小さな命が呼ぶとき Extraordinary Measures |
ロバート・ストーンヒル博士 | 兼製作総指揮 |
恋とニュースのつくり方 Morning Glory |
マイク・ポメロイ | ||
2011 | カウボーイ & エイリアン Cowboys & Aliens |
ウッドロー・ダラーハイド大佐 | |
2013 | 42 〜世界を変えた男〜 42 |
ブランチ・リッキー | |
エンダーのゲーム Ender's Game |
テンプレート:仮リンク | ||
パワー・ゲーム Paranoia |
オーガスティン・ゴダード |
テレビシリーズ
年度 | 題名 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1967 | バージニアン The Virginian |
カレン・ティンダール 若い牛飼 |
計2話出演 |
鬼警部アイアンサイド Ironside |
トム・ストウ | 第1シーズン第13話「The Past Is Prologue」 | |
1968 | モッズ特捜隊 The Mod Squad |
ビーチパトロール警官 | 第1シーズン第1話「The Teeth of the Barracuda」 |
1969 | My Friend Tony | 第1シーズン第6話「The Hazing」 | |
FBIアメリカ連邦警察 The F.B.I. |
エベレット・ジャイルズ グレン・レバーソン |
計2話出演 | |
アメリカ式愛のテクニック Love, American Style |
ロジャー・クレイン | 第1シーズン第9話「Love and the Former Marriage」 | |
1971 | 警部ダン・オーガスト Dan August |
ヒューエット | 第1シーズン第22話「The Manufactured Man」 |
1993 | インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険 The Young Indiana Jones Chronicles |
インディアナ・ジョーンズ(50歳) | 第2シーズン第5話「Young Indiana Jones and the Mystery of the Blues」 |
参考文献
- テレビドキュメンタリー『ハリソン・フォードの“フォース”』 2003年、アメリカ
参照
外部リンク
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- ↑ 1.0 1.1 Inside the Actors Studio. Harrison Ford, Season 6, Episode 613. August 20, 2000.
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