トクヤマ
株式会社トクヤマ(テンプレート:Lang-en-short)は、日本の大手総合化学工業メーカー。東京都渋谷区と東京都港区西新橋に本社機能の一部を持つとともに、登記上本店(徳山製造所)を創業地である山口県周南市(旧徳山市)御影町に置く。開発・製造拠点として山口県周南市と茨城県神栖市に工場を、茨城県つくば市に研究所を持つ。
沿革
- 1918年2月 関西貿易業界の立役者である岩井勝次郎によって、山口県都濃郡徳山町(後の徳山市で、現在の周南市)にアンモニアソーダ法製造を目的とした日本曹達工業株式会社が設立される。
- 1936年1月 社名を徳山曹達(とくやまソーダ)株式会社へ改称。
- 1949年5月 東京証券取引所、大阪証券取引所に上場。
- 1994年4月 現在の社名に改称。
- 2009年12月 大阪証券取引所上場廃止。
- 2010年7月29日 連結子会社の徳山生コンクリートが解散[1]。
事業
旧社名の示すとおり、元々は電解ソーダをはじめとしたナトリウム部門が主力であったほか、セメント製造分野でも、山口県や九州を中心に「トクヤマ」のブランドで知られ、大手の一角を占めてきた。近年は事業の多角化を進め、石油化学全般の様々な分野に力を入れている。中でも高純度ポリシリコンは世界第二位の生産量を誇っており、99.999999999%(イレブンナイン)という高い純度を持っている。
1982年には、吸湿性の高い粒状塩化カルシウムを主成分とした除湿剤「水とりぞうさん」を発売し、家庭用品分野に進出した。同製品はエステー・白元などの競合製品が登場した後もトップクラスのシェアを誇ってきたが、トクヤマが経営上の理由から2004年に家庭用品部門をオカモトへ事業譲渡したため、以後の製造・販売はオカモトが手がけている(一時、小林製薬が有力候補とされていたが断念した)。
また、かつては新日鐵化学(当時、上場会社)や南部工業と共同出資して設立していた南部化成を通じプラスチック形成加工事業へも参入していたが、金型・試作品大手のアークに買収され資本撤退。なお、そのアーク社も近年の経営環境の悪化や世界不況などの関係でグループ再編が取り沙汰され、2009年に南部化成の株式を国内の有力投資会社・日本みらいキャピタルの組成するファンドへ売却している。
なお社名の由来ともなった旧徳山市を含む周南地域では、地名としての徳山と区別するためしばしば「株トク」と呼ばれる。