タシギ
タシギ(田鴫、学名:Gallinago gallinago)は、チドリ目シギ科タシギ属に分類される鳥。タシギ属の模式種。
分布
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸北部・南部、ユーラシア大陸、アフリカ中部・南部、日本
ユーラシア大陸北部、北アメリカ大陸北部で繁殖し、冬季はヨーロッパ南部、アフリカ、中東、インド、東南アジア、北アメリカ大陸南部に渡り越冬する。
日本では、春と秋に渡りの途中に飛来する旅鳥、もしくは本州中部以南では越冬のため飛来する冬鳥。
形態
体長は約27 cm、翼開長は約43 cm[1]。頭部、胸部、背面は褐色に黒と白が混ざったような羽毛で覆われる。この体色は草の中では保護色になる。腹部の羽毛は白い。次列風切羽の先端部の羽毛は白い。尾羽は通常14枚。
嘴は長く、直線的。雌雄同色である[1]。
生態
日本では、水田、河川、内陸の湿地等に生息する。和名は田によくいることが由来[1]。単独で生活するが、10頭前後の小規模な群れを形成することもある。 繁殖期には、湿地、草原、湿ったツンドラなどに生息する。
食性は動物食の強い雑食で昆虫類、節足動物、甲殻類、種子等を食べる。主に夜間に採餌するが、安全な場所では昼間も行動する。
繁殖形態は卵生。乾いた地上に営巣し、通常4卵を産む。抱卵は雌のみが行い、抱卵日数は17-20日である。
- Gallinago gallinago a1.JPG
水田を歩くタシギ
- Gallinago gallinago eating.JPG
泥の中に嘴を入れて餌を探すタシギ
- Gallinago gallinago MHNT.jpg
- Gallinago gallinago hamburg.jpg
親子(スケッチ)
Sibley分類体系上の位置
亜種
- Gallinago gallinago faeroeensis (C. L. Brehm, 1831)
- Gallinago gallinago gallinago (Linnaeus, 1758) - タシギ、日本で最も一般的なシギ類[1]。
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[3]。
日本の以下の都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[4]。
人間との関係
フランス料理では食材として用いられる。
タシギは狩猟鳥に指定されており、狩猟の対象種である。大日本猟友会が発行している狩猟読本では、『骨が柔らかくその食味は正に焼鳥の王者である』の記述がある。 狙撃(スナイピング、sniping)はタシギ猟からの語源と言われている。
脚注
参考文献
- 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、86項
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、59項
- 高野伸二他 山渓カラー名鑑『日本の野鳥』、山と溪谷社 、1985年
- 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年
- テンプレート:Cite book
関連項目
外部リンク
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- 2006 IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2005. Gallinago gallinago. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.テンプレート:リンク切れ
- BirdLife International 2005. Gallinago gallinago. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.テンプレート:リンク切れ
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