スヴァリイェ級海防戦艦
スヴァリイェ級海防戦艦 | |
---|---|
ファイル:HMS Sverige 1.jpg 竣工時のスヴァリイェ。 | |
ファイル:HMS Sverige.jpg 近代化改装後のスヴァリイェ。 | |
艦級概観 | |
艦種 | 海防戦艦 |
艦名 | 人名 |
前級 | オスカー2世 |
次級 | |
性能諸元(竣工時) | |
排水量 | 常備:6,852トン 満載:7,820トン |
全長 | 119.7m (ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世:121.0m) |
全幅 | 18.6m |
吃水 | 6.7m |
機関 | ヤーロー式石炭専焼缶12基 (1938年にスヴァリイェのみ:ペノエ式重油専焼水管缶4基に換装) +カーチス式高速・低速直結タービン機関2組4軸推進 (ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世:ウエスチングハウス式ギヤード・タービン2基2軸推進) |
最大 出力 |
20,000hp (ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世:22,000hp) |
最大 速力 |
22.5ノット (ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世:23.2ノット) |
航続 距離 |
14ノット/2,720海里 (ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世:14ノット/3,280海里) |
乗員 | 450名 (戦時:553名(スヴァリイェ)、590名(ドロットニング・ヴィクトリア、グスタフ5世)) |
兵装 | 竣工時:ボフォース 1912年型 28.3cm(44口径)連装砲2基 ボフォース 1912年型 15.2cm(50口径)連装砲1基&同単装砲6基 ボフォース 1912年型 7.5cm(53口径)単装砲4基 ボフォース 1916年型 5.7cm(21.3口径)単装砲2基 6.5mm単装機銃2丁 45cm水中魚雷発射管2基 1939年:ボフォース 1912年型 28.3cm(44口径)連装砲2基 ボフォース 1912年型 15.2cm(50口径)連装砲1基&同単装砲6基 ボフォース 1928年型 7.5cm(60口径)連装高角砲2基 ボフォース 1936年型 4cm(56口径)連装機関砲3基 ボフォース 1932年型 2.5cm(58口径)連装機関砲2基 ボフォース 1940年型 2cm(66口径)単装機関砲3基 ボフォース 1936年型 8mm連装機銃2丁 |
装甲 | 舷側:203mm(水線部) 甲板:50mm(主甲板) 主砲塔:203mm(前盾) 副砲塔:125mm(前盾) バーベット部:203mm シタデル:100mm 司令塔:175mm |
航空 兵装 |
なし(1930年:水上機1基) |
スヴァリイェ級海防戦艦 (スウェーデン語:Sverige klass pansarskepp) は、スウェーデン海軍の海防戦艦の艦級である。
概要
本級は国民の拠金によって建造され、1913年2月に進水、1915年5月14日に竣工した。バルト海での行動を前提としているため、吃水が浅く設計されていた。
本級は1934年~1938年に近代化改装を行い、弩級戦艦と見間違えるような外見に変貌した。僚艦「ドロットニング・ヴィクトリア (Drottning Victoria) 」 はジョージ6世戴冠記念観艦式にスウェーデン海軍の旗艦として参列した。その際には、外洋航行能力を持たないフィンランド海軍のイルマリネン級海防戦艦「ヴァイナモイネン」をイギリスまで曳航した。
1960年代に順次、退役した。
艦形
本級の船体形状は当時の主流である平甲板型船体で、艦首構造は冬は氷に閉ざされるバルト海で行動するために砕氷構造を持ち、艦首から艦尾に向けてなだらかに傾斜する甲板から前向きに「ボフォース 1912年型 28.3cm(44口径)砲」を連装砲塔に収めて1基を配置し、その後部に甲板1段分上がって副砲の「ボフォース 1912年型 15.2cm(50口径)速射砲」を連装砲塔に収めて1基を配置していた。艦橋構造は司令塔を下部に組み込んだ箱型とし、後部に単脚式の前檣が立つ。その後部から機関区が始まり、2本の煙突の周囲は艦載艇置き場となっており、後部単脚檣の基部に1基ついたジブ・クレーンにより運用される。後部甲板上には単脚式の後檣の背後に後ろ向きに28.3cm連装砲が1基配置された。舷側甲板上には15.2cm砲が単装砲塔に収められ、片舷3基ずつ計6基が配置された。
前述の1930年代の近代化改装で単脚式の前檣は、頂上部に4つの信号マストの付いた射撃方位盤室を持つ多層構造の三脚檣に改装され、後檣は撤去され、替わりに2番煙突の上部の左右に信号マストが設置された。また、船体の各所に対空火器が増設された。 一番に目を引くのは煙突の形状で、「スヴァリイェ」は1番煙突の途中を強く2番煙突に接近させた形状となった。「グスタフ5世」は2本の煙突の上部をそれぞれ結合させた複雑な形状となった。「ドロットニング・ヴィクトリア」は改装前と同様に2本煙突のままである。このため、他国海軍からは煙突の形状を見れば艦名識別は一目瞭然となってしまった。
- HMS Sverige during WW2.jpg
近代化改装後の「スヴァリイェ」
- HMS Drottning Victoria 1.jpg
近代化改装後の「ドロットニング・ヴィクトリア」
- HMS Gustav V 1.jpg
近代化改装後の「グスタフ5世」
主砲、副砲、その他の備砲
主砲は新設計の「Model 1912 年型 28cm(45口径)砲」を採用している。性能は重量305kgの砲弾を最大仰角18度で19,600mまで届かられ、射程18,000mで舷側装甲155mm、射程6,000mで350mmを貫通できるこの砲を新設計の連装砲塔に収めた。塔の俯仰能力は俯仰能力は仰角18度・俯角5度で左右の旋回角度は150度であった。発射速度は毎分3発である。
副砲は新設計の「Model 1912 年型 15.2cm(50口径)速射砲」を採用した。その性能は重量46kgの砲弾を最大仰角30度で13,716mまで届かせることが出来た。俯仰能力は仰角30度・俯角5度で、旋回角度は120度の旋回角度を持っていた。発射速度は毎分3~4発である。
他に対水雷艇用に「ボフォース 1912年型 7.5cm(53口径)速射砲」を単装砲架で4基、「ボフォース 1916年型 5.7cm(21.3口径)カノン砲」を単装砲架で2基、6.5mm単装機銃2丁。対艦攻撃用に>45cm水中魚雷発射管を単装で2基装備した。
同型艦
1912年12月12日にヨーテボリ造船所にて起工、1915年3月5日進水、1921年3月12日竣工、1958年解体。
1915年7月にヨーテボリ造船所にて起工、1917年進水、1921年12月3日竣工、1958年解体。
1914年12月にマルメ造船所にて起工、1918年1月31日進水、1922年12月12日竣工、1970年解体。
- HMS Gustav V.jpg
艦尾から撮影された近代化改装後の「グスタフ5世」
- HMS Drottning Victoria.jpg
右舷から撮影された近代化改装後の「ドロットニング・ヴィクトリア」
- HMS Drottning Victoria after 1931.jpg
艦尾から撮影された近代化改装後の「ドロットニング・ヴィクトリア」
関連項目
参考文献
- 「Conway All The World's Fightingships 1906-1921」(Conway)
外部リンク
- Sverige Class本艦の説明。