船体
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船体(せんたい)とは、船の中で、櫓・帆・エンジンなどの動力部分や、軍艦での銃砲などの装備を除いた、これだけあれば水に浮くことができる部分。
船体には古来より木材など舟形にせずとも水に浮くもの(水より比重が小さいもの)を使用することが多かったが、鋼板や繊維強化プラスチック製のものが増えてきた。この原因には、木材自体が鋼板などに比べ高価になってきたことや、耐腐食性や強度に問題があることが挙げられる。
構造上、一つの船体のみをもつ通常の船舶のことを単胴船(たんどうせん)といい、船体を複数個平行に繋いだ船を多胴船(たどうせん)といい、以下のものが挙げられる。
多胴船の特徴として、同じ幅の単胴船に比べて喫水線が浅くても船体間のバランスが取れていれば船体が小型でも安定することが挙げられる。
船が静止している状態では、船体には重力と浮力の二つの力が加わる。船体が静止しているならば重力と浮力が等しい状態である。このとき、重力の中心である重心と浮力の中心は同一鉛直上にあるものの、位置が違っている。
船体の部位
- 船首
- 船首とは、船体において通常の航行時に進行方向の前方の部分である。
- 船尾
- 船尾とは、船体において船首の反対側の部分である。
- 右舷
- 右舷とは、船体において船尾から船首に向かって右側の端であり、スターボードサイド(starboard side)とも言う。スターボード(starboard)とは、ステアリングボード(steering board)すなわち舵取り板のことであり、舵取り板を右舷船尾に装備していた時代から現代に由来した呼称である。
- 左舷
- 左舷とは、船体において船尾から船首に向かって左側の端であり、ポートサイド(port side)とも言う。港に係留する際、舵取り板が装備された右舷側は陸付けに適さなかったことから、左舷側をもって係留したことに由来する。
- 積荷の出し入れをする側をポートサイドすなわち左舷とする慣習は、航空機にも継承されている。