自動惑星ゴルバ

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自動惑星ゴルバ(じどうわくせいゴルバ)は、アニメ映画宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』に登場する架空の宇宙要塞。デザインは中村光毅、辻忠直、板橋克己の共同作業。

本項では、『ヤマトよ永遠に』に登場する同系列の兵器ゴルバ型浮遊要塞についても併せて解説する。

自動惑星ゴルバ

暗黒星団帝国のマゼラン方面総司令部を兼ねるマゼラン方面総司令官メルダーズの乗艦。

初期設定においては、地球の直径の1/6(約2000km)を想定した文字どおりの小惑星であった。その後、この設定は変更されたが名称はそのまま使われたため、数百m程度の規模ながら「自動惑星」と称されている。

形状は黒く塗ったこけし状であり、その頭部に相当する部分にはミサイル砲や光線砲の発射口、頸部に全周式の回転する主砲8門がある。また、直援のための戦闘ヘリを多数搭載している。

主砲の破壊力と圧倒的な数の通常兵装に加え、デスラー砲が効かないほどの防御力を持つ。これは、「ゴルバ本体の周囲に4次元フィールドと呼ばれる防御幕を発生させ、波動砲を無力化している」と説明されている[1]。資料によっては、「特殊なコーティングが施されている」とも説明されている[2]。どちらにしろ、装甲や材質による防御ではない。後述のゲーム版では、強固な偏光バリアによってあらゆるエネルギー弾を拡散防御してしまうように描写されている(ミサイルや魚雷といった実弾攻撃は一応有効であるが、致命傷を与えるほどではない)。

唯一の弱点は主砲口が開いている時であり、そこに波動砲やデスラー砲を撃ち込むことが撃破する唯一の手段である。

諸元

  • 全長(全高):720m
  • 全幅:432m
  • 武装:
    • 回転式巨大砲(主砲)×8門
    • 上部ミサイル発射口多数
    • 上部光線砲発射口多数
  • 艦載機:
    • 戦闘ヘリ

劇中での登場

赤色巨星近傍での最終決戦にて、ヤマトガミラス艦隊を追い越して立ちはだかる形で出現し、イスカンダルへの砲撃で威嚇を行った。攻撃してきたガミラス艦隊を返り討ちにし、デスラー砲の直撃さえもまったく受けつけず、絶望的なまでの戦力差を見せつけた。唯一の弱点である主砲口さえエネルギーの充填中には閉じられてしまうため、デスラーは臨時旗艦のデスラー戦闘空母を主砲口へ突貫させ、主砲口を閉じられなくした上で古代進波動砲発射を促す。これを見かねたスターシャがイスカンダリウムの提供を申し出たため、メルダーズはイスカンダルへ降下を試みるが、スターシャによってイスカンダルは自爆したため、その爆発に巻き込まれて消滅した。

ゲームでの登場

PS2用ゲームソフト『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』『宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲』では、ウラリア式制圧自動惑星ゴルバという名称で登場する。宮武一貴により鋭角的なデザインへ改訂されており、頸部から下が細身になったため、こけしというよりはキノコに近い印象となっている。

頸部に装備された全周式の回転する主砲には「α砲」という名称が与えられ、その威力は波動砲に匹敵する。さらに強力な偏向バリアーを装備しており、ヤマトをはじめとした地球防衛艦隊による波動砲の一斉射撃も通用しないほど、防御力が極めて高い。『宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲』では同要塞をグロータスが7隻も率い、ヤマトを包囲した。弱点は実弾で、グロータスが指揮する同要塞艦隊は、波動カートリッジ弾の前に敗れた。

無人大型戦闘艇テンタクルス
自動惑星ゴルバに多数搭載された無人戦闘艇。長く延びた4本の砲身に半円盤状の駆逐艦並みの船体は、真上から見るとイチョウの葉のようなデザインであることがわかる。無人であるために高い機動性を持つ。主砲の射程は短いが、攻撃力は高い。

ゴルバ型浮遊要塞

暗黒星団帝国の宇宙要塞。要塞司令官はグロータス

形状は自動惑星ゴルバと同じで、「頭部」の光線砲が発射されるところも同じだが、約1.5倍程度大型の仕様で、全長1080m、直径630mとなっている[3]

主砲の代わりに直径約50mの魚雷発射砲口を「頸部」に装備し、全長180mの巨大な空間重魚雷を発射する点が、自動惑星ゴルバと異なる。しかし、装甲については自動惑星ゴルバと同じく堅牢で、ヤマトの主砲ではまったく効かないことが描写されている。また、自動惑星ゴルバとは異なり、戦闘ヘリを発進させることはなかった。

諸元(ゴルバ型浮遊要塞)

  • 全長(全高):1080m
  • 全幅:630m
  • 武装:
    • 空間重魚雷
    • 光線砲多数

劇中での登場(ゴルバ型浮遊要塞)

黒色銀河内の戦闘で、カザンの指揮する黒色艦隊に追い込まれて小惑星の溝へ逃げ込んだヤマトの行く手に、7基が待ち構えていた。ヤマトはゴルバ群の光線砲の絶え間のない掃射ととどめの空間重魚雷の斉射に対処するために波動カートリッジ弾を初使用したが、ゴルバ群の弱点である魚雷発射砲口へ侵入したそれは大爆発を起こし、ゴルバ群は誘爆につぐ誘爆の果てにあっさり全滅した。そのあまりの大戦果に疑問を抱いた真田志郎は、のちに黒色戦艦グロデーズの爆発によって炎に包まれたデザリアム星を見て、「波動エネルギーと母星(暗黒星団帝国)のエネルギーが融合して爆発した(すなわち暗黒星団帝国は波動エネルギーに弱い)」という弱点に気付くことになる。

脚注

  1. 「てれびくんデラックス2‘宇宙戦艦ヤマト大全集’」のP31より。
  2. 「EB22 宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑1」のP134より。
  3. 自動惑星型と浮遊要塞型の違いは、プロトタイプと量産型説、長距離移動用と定置防衛用説などがある。

参考文献

  • 「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」(株式会社オフィス・アカデミー)
  • 「ファイナルデラックス版 ヤマトよ永遠に」(西崎音楽出版)
  • 「ロマンアルバムエクセレント54 ‘宇宙戦艦ヤマトPERFECT MANUAL2’」(徳間書店・1983)
  • 「てれびくんデラックス2‘宇宙戦艦ヤマト大全集’」(小学館・1979)
  • 「EB22‘宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑1’」(株式会社バンダイ出版課・1990)
  • 「PS2版 宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶」

外部リンク

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