カンフーハッスル

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テンプレート:Infobox 中華圏の映画カンフーハッスル』(原題:功夫、英語題:Kung Fu Hustle)は、2004年チャウ・シンチー製作・監督・主演の香港映画。

概要

2005年度にアメリカで公開された外国映画として最大のヒット作となり、その年のゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされた他、2005年度米国放送映画批評家協会賞を受賞した。また、2005年度英国アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされ、第42回台灣金馬奨では最優秀作品賞・最優秀監督賞(チャウ・シンチー)をそれぞれ受賞した。

日本では、同じくチャウ・シンチー監督・主演作の『少林サッカー』の続編的作品として公開された。

物語

1930年代の上海。金と女が行きかう派手な街は、ライバルの殺戮でのし上がってきた斧頭会(ふとうかい)という暴力組織が牛耳っていた。一方猪籠城寨(日本語字幕では豚小屋砦)」と呼ばれる貧困地区に「俺たちは斧頭会だ!」と入り込んできた2人の男、シンとその相棒。実はその2人、斧頭会の名を騙る単なるチンピラだった。舐めてかかった相手が悪かったため逆に住人達にボコボコにされ、苦し紛れに投げた爆竹で、偶然にも通りかかった「斧頭会」の幹部に怪我をさせる。

住人の一人、半ケツの理髪師が斧の餌食にされそうになった時、思わぬことが起こる。豚小屋砦に隠れ住んでいた中国武術の達人が、斧頭会幹部を蹴り飛ばしたのだ。

殺到する斧頭会、防衛に立ち上がる俠客達、抗争は波乱を呼び、次々に武林の達人たちが戦いに参加し始める。そんな中、幼い頃の屈辱に人生を歪めていたシン(チャウ・シンチー)は、運命に導かれるようにその真の姿を現わそうとしていた。

配役

チャウ・シンチー(周星馳 声優:山寺宏一
通称シン。主人公のチンピラ。火雲邪神によって瀕死の重傷を負った後、如来神掌の使い手に目覚める。
ユン・ワー(元華 声優:樋浦勉
豚小屋砦の大家。恐妻家に見えて愛妻家。その正体は楊過。かつて格闘技大会で息子を殺された。この作品では太極拳の使い手。
ユン・チウ元秋 声優:磯辺万沙子
いつもタバコを吸っている、豚小屋砦の大家の妻。その正体は小龍女。この作品では獅咆哮の使い手。
ブルース・リャン梁小龍 声優:屋良有作
見た目はさえない中年男性だが、その正体は最強の殺し屋、火雲邪神。この作品では崑崙派蛤蟇功の使い手。その凶悪さゆえに、長い間監獄の奥深くに閉じ込められていた。
ドン・ジーホウ董志華 声優:坂東尚樹
粥麺屋の主人。五郎八卦棍の使い手。
ラム・ジーチョン(林子聰 声優:草尾毅
シンの相方にして、彼と一緒にチンピラ紛いのこと事をしていた。デブ。ほとんど話さない。
チャン・クォックワン陳国坤 声優:矢尾一樹
斧頭会の組長。通称サム。火雲邪神を怒らせたため殺される。
シン・ユー行宇 声優:楠大典
人足。十二路譚腿の使い手。
チウ・チーリン趙志凌 声優:岩崎ひろし
仕立屋の主人。オカマ。洪家鐵線拳の使い手。
フォン・ハクオン馮克安 声優:千葉繁
奏者。古琴波動拳の使い手。豚小屋砦の達人達を始末するため斧頭会に賈康熙と共に雇われる。
ジア・カンシー賈康熙 声優:辻親八)
琴奏者。馮克安の相方で同じく古琴波動拳の使い手。盲目。
ティン・カイマン田啓文 声優:茶風林
斧頭会組長の相談役。
ホー・マンファイ何文輝 声優:山口勝平
豚小屋砦の住人。半ケツ。
ラム・シュー林雪 声優:大川透
斧頭会の副組長。
フォン・シャオガン(馮小剛)
鰐革命の組長。
ホアン・シェンイー(黄聖依)
ろう者アイスキャンデー売り。子供の頃、心無い近所の子供たちにいじめられていた所をシンに助けられた。その後偶然シンと再会する。
ユエン・チョンヤン袁祥仁
謎の浮浪者。少年時代のシンに如来神掌の奥義書を授けた。

その他日本語版スタッフ

作品解説

金庸の武俠小説との関係

チャウ・シンチー金庸武俠小説の愛読者として知られ、それまでも自身の映画作品の多くに金庸の小説から引用したネタを取り入れてきた。『鹿鼎記』を映画化した『チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ』と『チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ2』では主演を務めている。

チャウ・シンチーは、本作で金庸の小説から6ヶ所のネタを引用したとして、金庸に版権使用料を払った。金庸は2004年12月タイプーケット島へ出かけ、スマトラ島沖地震の津波に遭遇したが、このとき被災地への募金にこの版権使用料を使ったとされる。

  • 神鵰剣俠』の「楊過」とその恋人「小龍女」が不細工な大家夫婦の名前に使われている。中華圏において、この二人は美男美女の代名詞的存在。
  • 「蛤蟇功」は、『射鵰英雄伝』の西毒・欧陽鋒が使う技。
  • 「獅吼功」は、金庸の武俠小説『倚天屠龍記』に登場する金毛獅王の技。
  • ラストシーンで乞食が子供に見せていた奥義書の「独孤九剣」(『秘曲 笑傲江湖』)、「降龍十八掌」「一陽指」(『射鵰英雄伝』)、「九陽神功」(『倚天屠龍記』)は金庸の武俠小説から。「千手神拳」は陳青雲の武俠小説『女血神』から。

ワイヤーアクション

シンチーが本作の製作を手がけ始めた頃、フジテレビの『トリビアの泉』のとあるトリビアの証明VTRで特別出演依頼を受けて来日。VTR収録の際に使用したワイヤーアクション技術を体験した周がいたく気に入り、このトリビアの泉のVTR収録で使用したワイヤーアクションの技法を本作に使用している。

外部リンク

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