カオリナイト
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テンプレート:Infobox 鉱物 カオリナイト(kaolinite[1]、カオリン石[2] )は、鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種。化学組成は Al4Si4O10(OH)8、結晶系は三斜晶系。粘土鉱物の一種。高陵石ともいう。
kaolinite の名は、中国の有名な粘土の産地である江西省の高嶺(カオリン:Kaoling)に由来する。高嶺で産出する粘土は、景徳鎮で作られる磁器の材料として有名である。また、同質の粘土(鉱石)はカオリン(kaolin)と呼ばれる。
産出地
日本では、岡山県備前市三石、広島県庄原市勝光山が産地として有名。
性質・特徴
触った感じはぬるぬるしている。吸水性が高いので、舌に乗せると吸い付く性質があり、特有の匂いを発する。 テンプレート:節stub
用途・加工法
高熱に耐える磁器やコート紙の塗工材、クレーなどの材料にされる。この成分が多いほど高温に耐える磁器の材料となる。
陶磁器の素材としてカオリンと表現される場合は主に本項のカオリナイトをさす(ハロイサイトを含む場合もある)[3]。
カオリナイト - 蛇紋石グループ
- カオリナイト(kaolinite) : Al2Si2O5(OH)4、三斜晶系・単斜晶系
- ディク石(dickite) : Al2Si2O5(OH)4、単斜晶系
- ナクル石(nacrite) : Al2Si2O5(OH)4、三斜晶系
- ハロイ石(halloysite) : Al2Si2O5(OH)4・2H2O、単斜晶系
- アンチゴライト(antigorite) : (Mg,Fe)3Si2O5(OH)4、単斜晶系
- 単斜クリソタイル石(clinochrysotile) : Mg3Si2O5(OH)4、単斜晶系
- 斜方クリソタイル石(orthochrysotile) : Mg3Si2O5(OH)4、斜方晶系
- パラクリソタイル石(parachrysotile) : Mg3Si2O5(OH)4
- リザード石(lizardite) : Mg3Si2O5(OH)4、三方晶系・六方晶系
- アメス石(amesite) : (Mg,Al)3(Si,Al)2O5(OH)4、三斜晶系
- ケリー石(kellyite) : (Mn,Mg,Al)3(Si,Al)2O5(OH)4、六方晶系
- ベルチェリン(berthierine) : (Fe,Fe3+,Mg)2-3(Si,Al)2O5(OH)4、単斜晶系
- グリーナ石(greenalite) : (Fe,Mn,Fe3+)2-3Si2O5(OH)4、単斜晶系
- ヌポア石(népouite) : (Ni,Mg)3-xSi2O5(OH)4、単斜晶系
- brindleyite : (Ni,Mg,Fe)2Al(SiAl)O5(OH)4
- fraipontite : (Zn,Al)3(Si,Al)2O5(OH)4
- odinite : (Fe3+,Mg,Al,Fe)2.5(Si,Al)2O5(OH)4
- cronstedtite : Fe2Fe3+(SiFe3+)O5(OH)4
- manandonite : LiAl2(SiAl0.5B0.5)O5(OH)4
- pecoraite : Ni3</sub>Si2O5(OH)4