オセアニア

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テンプレート:Infobox Continent オセアニア(Oceania)は、六大州の一つ。大洋州とも。狭義には、ニュージーランドを含むポリネシアニューギニアを含むメラネシア、そしてミクロネシア全体を指す。テンプレート:要出典

六大州中最小の州であり、その小さな陸地面積のうちオーストラリア大陸が86%を占め、さらに島々の中で最も大きなニューギニア島とニュージーランドを含めると98%にもなる[1]。残りは、太平洋の中に点在する小さな島々であり、それがオセアニア(大洋の州)との州名の由来にもなった。これらの諸島は陸地面積こそ小さいものの、マレー・ポリネシア系民族が独特の航海術によってすみずみまで植民しており、独自の海洋文明を築いていた。

ここでは広義のオセアニアを扱う。

オセアニアの人口は、2000年の推計値で14,956,085人である[脚注 1]

名称

これらの3地域の名称は、ヨーロッパ人探検家たちによる命名が始まりである。1756年、フランス人探検家シャルル・ブロス(Charles Brosses)「多くの島々」を意味するギリシャ語の「ポリネシア[脚注 2]」を太平洋全島々の総称として用いたのがはじまりである[脚注 3]。その後、同じくフランスの探検家デュモン=デュルヴィユ(J-S-C Dumont D'Urville)がオセアニア島嶼部を3地区に分けることを考えだし、1831年にパリの地理学会で公表した。現在は、この案を基本的に踏襲している。「メラネシア[脚注 4]」はギリシャ語で「黒い島々」を意味し、「ミクロネシア[脚注 5]」はギリシャ語で「小さな島々」を意味することから名づけられた[脚注 6]

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オセアニアの位置

歴史

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オセアニアの位置

先史時代

今から約5~6万年前から3万5000年前、東南アジア方面から現在のオーストラリアニューギニアの内陸部や沿岸部へ住み始めたのはオーストラロ・メラネシア系(オーストラロイド)の人々であったといわれている。これらの人々は、このオセアニアに移住する前は、東南アジアの島々や東アジア大陸に居住し、狩猟採集しながら暮らしていた。

ところで、約5~3万年前は、更新世最終氷期の時代であり、地球規模で気温がさがり、海面も現在の海面よりも最大で150メートルも下がり、島々は大陸とつながっていた。たとえば、ボルネオ島やジャワ島などはアジア大陸(スンダ陸棚)とオーストラリアやニューギニアは陸続き(サフル大陸)であった。しかし、この両者(スンダ陸棚とサフル大陸)はこの時代も海によって隔てられており、多くの島々が存在した。ウォーラシア海域と呼ばれ、最短でも直線で100キロメートルほど離れていた。

人々は海を渡り、各島へ移住していったのは約3万5000年前のことといわれる。これらのことを示す証拠として有袋類のクスクス黒曜石が多数出土している。しかし、ソロモン諸島より東への移住はこの時代でなく、はるか後の約3300年前にまで下がってくる[脚注 7]

やはりオーストロネシア語系の言語を持つモンゴロイド系のラピタ人と呼ばれている。彼らはパプアニューギニアのビスマーク諸島から東南方向に島伝いで移動しフィジーにたどり着いた。そこから南西方向(ヴァヌアツとニューカレドニア)と南東方向(トンガとサモア)の二方向に分かれて遠くまで移動を続けた。こうしてトンガやサモアにたどりつたラピタ人は、そこで1000年ほど留まり今のポリネシア文化の祖形を作り上げた。そして、ポリネシア人へと変容した。およそ2000年前に移動を再開し、1600年前ごろにはハワイ諸島やイースター島まで到達していた。さらに、彼らポリネシア人は、800年前にはニュージーランドにたどり着いている[脚注 8]

第2次世界大戦

ミクロネシアやメラネシアがアジア・太平洋戦争の時、主戦場の一つであった。日本がアメリカとオーストラリアの共同作戦を阻止するために、ポートモレスビー攻略作戦(MO作戦)と当時イギリス領であったフィジー・サモア、同フランス領ニューカレドニアを攻略する作戦(FS作戦)を計画した。

国々の誕生(現代)

植民地化の時期を過ぎて、様々な国家が誕生しつつある。地形的、言語的、文化的、民族的に多様性に富み、国家の誕生に大変苦しんでいる [脚注 9][脚注 10]

オセアニア諸国

ファイル:Oceania without Asian country codes.jpg
オセアニア全体の面積は約850万km²である

独立国

記号 国名 首都 面積 人口
AU テンプレート:Flagicon オーストラリア連邦 キャンベラ 768万6850 km² 2129万3000 人[2]
CK テンプレート:Flagicon クック諸島
ニュージーランドと自由連合
アバルア 237 km² 2万1008 人[3]
FJ テンプレート:Flagicon フィジー共和国 スバ 1万8270 km² 84万9000 人[2]
FM テンプレート:Flagicon ミクロネシア連邦 パリキール 702 km² 10万8155 人[4]
KI テンプレート:Flagicon キリバス共和国 タラワ 811 km² 10万0798 人[4]
MH テンプレート:Flagicon マーシャル諸島共和国 マジュロ 326 km² 6万1963 人[5]
NR テンプレート:Flagicon ナウル共和国 ヤレン地区(中心街) 21 km² 1万0131 人[6]
NU テンプレート:Flagicon ニウエ
   ニュージーランドと自由連合
アロフィ 260 km² 2156 人[4]
NZ テンプレート:Flagicon ニュージーランド ウェリントン 26万8680 km² 426万6000 人[5]
PG テンプレート:Flagicon パプアニューギニア独立国 ポートモレスビー 46万2840 km² 673万2000 人[2]
PW テンプレート:Flagicon パラオ共和国 マルキョク 458 km² 2万0303 人[5]
SB テンプレート:Flagicon ソロモン諸島 ホニアラ 2万8450 km² 52万3000 人[2]
TO テンプレート:Flagicon トンガ王国 ヌクアロファ 748 km² 10万4000 人[2]
TV テンプレート:Flagicon ツバル フナフティ 26 km² 9652 人[6]
VU テンプレート:Flagicon バヌアツ共和国 ポートビラ 1万2200 km² 24万0000 人[2]
WS テンプレート:Flagicon サモア独立国 アピア 2944 km² 17万9000 人[2]

主な各国領

記号 領名 首府 面積 人口
AS テンプレート:Flagicon 米領サモア        
   アメリカ準州
パゴパゴ             199 km²       7万0260 人[3]
CC テンプレート:Flagicon ココス (キーリング) 諸島
   オーストラリア領
ウェスト島(中心街) 14 km² 628 人[4]
CX 25x20px クリスマス島
   オーストラリア領
フライングフィッシュ
コーブ
143 km² 1493 人[6]
GU テンプレート:Flagicon グアム
   アメリカ準州
ハガニア 549 km² 16万3941 人[3]
ID 西パプアの旗 パプア州西パプア州
   インドネシア州
ジャヤプラ 420,540 km² 359万4236 人[7]
MP テンプレート:Flagicon 北マリアナ諸島
   アメリカ自治領
ススペ 477 km² 8万0006 人[3]
NC テンプレート:Flagicon ニューカレドニア
   フランス領
ヌーメア 1万9000 km² 21万9246 人[6]
NF テンプレート:Flagicon ノーフォーク島
   オーストラリア領
キングストン 35 km² 1841 人[4]
PF テンプレート:Flagicon 仏領ポリネシア
   フランス海外領邦
パペーテ 4167 km² 24万5405 人[4]
PN テンプレート:Flagicon ピトケアン諸島
   イギリス領
アダムスタウン 47 km² 48 人[3]
TK テンプレート:Flagicon トケラウ諸島
   ニュージーランド領
アタフ島(中心街) 10 km² 1450 人[4]
US テンプレート:Flagicon ハワイ州
   アメリカ合衆国州
ホノルル 1万6635 km² 125万7608 人[3]
WF 25x20px ウォリス=フツナ
   フランス領
マタウトゥ 274 km² 1万5734 人[3]
UM 25x20px ウェーク島
   アメリカ領有
7 km² 約75 人[8]
UM 25x20px ジョンストン環礁
   アメリカ領有
3 km² 無人[9]
UM 25x20px ミッドウェー環礁
   アメリカ領有
6 km² 約40 人[8]
km²未満は四捨五入
  1. 「オセアニアを知る事典」平凡社 p65 1990年8月21日初版第1刷
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2008年
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 2003年
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 2004年
  5. 5.0 5.1 5.2 2005年
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 2006年
  7. 2010年
  8. 8.0 8.1 通年平均
  9. CIA World Factbook

海面上昇

地球温暖化に伴う海面上昇は、海抜の低い小島嶼国家の存立に深刻な影響を与える。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル、Intergovermental Panel on Climate Change)の報告書はミクロネシアのマーシャル諸島共和国について、環礁の約8割が海面下になる可能性を警告している[脚注 11]

地域機構

脚注

  1. 棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・訓棚橋編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 184ページ
  2. ギリシャ語「ポリ」(poly、多くの)と「ネソス」(nesos、島々)(棚橋訓「解説 アセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・棚橋訓編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 178ページ)
  3. 棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・棚橋訓編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 178ページ
  4. 地域の先住民の肌が比較的黒いことに由来し、「メロス」(Melos、黒い)と「ネソス」から命名された。(棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・棚橋訓編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 180ページ)
  5. 「ミクロス」(micros、小さい)と「ネソス」から命名された(棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・棚橋訓編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 180ページ)。
  6. 棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・棚橋訓編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 178ページ
  7. 小野林太郎「島じまの発見者」/吉岡政徳・石森大和編著『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』明石書房 2010年 50-52ページ
  8. 棚橋訓「解説 オセアニア島嶼部」/ 綾部恒雄監修 前川啓治・訓棚橋編集『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 09 オセアニア』 明石書店 2005年 180-181ページ
  9. 江戸淳子「ミニ国家の誕生」/吉岡政徳・石森大和編著『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』明石書房 2010年 64-67ページ
  10. 高橋康唱「独立国家への道」/印東道子『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 184-187ページ
  11. 柄木田康之「海面上昇と島嶼国家の危機」/ 印東道子編著『ミクロネシアを知るための58章』明石書店 2005年 209-210ページ

関連項目

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