エッガーランド

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エッガーランド』は、HAL研究所が発売した、固定画面型のアクションパズルゲームである。シリーズとして、現在までに11作の関連作品が発売されている。

エッガー大王に囚われた王女ララを救出するため、王子ロロが魔界エッガーランドを旅するというのが基本ストーリーとなっている。

ゲームの基本ルール(概略)

エッガーランドは、部屋単位でステージをクリアしていくタイプのアクションパズルゲームである。ステージを1つクリアすると、その場で次のステージに進む、もしくは出口から次のステージへ進む、という流れでゲームは進行する。

各部屋の中には1つの宝箱と、複数のハートフレーマー(ハートマークのアイテム)が設置されている。部屋の中にあるハートフレーマーをすべて回収すると宝箱の蓋が開くので、その中身を取ると1面クリアとなる。しかし、ほとんどの部屋では、部屋の中にあるエメラルドフレーマー(ブロック)を移動したり、部屋の中にいる敵の対処をしなければハートフレーマーを全部回収することができない。

エメラルドフレーマーは押して動かすことができ、敵の遠距離攻撃を遮断するのに使うことができる。また、ハートフレーマーも取ってしまって無くなるまでは敵の遠距離攻撃を遮断する。

さらに、特定のハートフレーマーにはパワーが詰まっており、取るとエッガーショットが2発使えるようになる。敵にショットを当てると玉子に変えることができ、玉子は押して動かすことができる。玉子にさらにショットを当てると、玉子は画面外に吹っ飛んでいく。吹っ飛んだ敵は、一定時間は元の画面に戻れないが、しばらくすると最初の出現場所に再登場する。一部のステージでは、この場所に何か物を載せておくと、敵の出現場所を変えられる場合もある。

プレイヤーはこれらの特性や地形の性質・敵の性質を利用して、ハートを取る順番やエメラルドフレーマーの動かし方、ショットの使い方を考えながら、各部屋で宝箱を取る方法を考えていくことになる。

より詳細なルールについては、バーチャルコンソール版アドベンチャーズオブロロの説明書や、Windows版エッガーランド(体験版)に付属の説明書を参照のこと。

シリーズの歴史

エッガーランドシリーズの第1作は、1985年MSX用のゲームとして発売された「エッガーランドミステリー」である。MSXでは、さらに第2弾として「エッガーランド迷宮神話」が発売された。

この「エッガーランド迷宮神話」の内容を元にして、1987年ファミリーコンピュータ ディスクシステム用のソフト「エッガーランド」が発売された。ファミコンではその後も続編が発売され、「アドベンチャーズオブロロ」シリーズとして発売されたものも含めると、計5作が発売された。

ファミコン版発売後も、イマジニアからゲームボーイ版が、ハル・コーポレーションからWindows版が発売された。特にWindows版では、自分でオリジナル面を作成して、そのデータをテキストファイルに出力できる機能があり、同社ではこの機能を使ってユーザから自作面を募集して、自社のWebサイトに掲載するというサービスを行っていた。

2002年、ハル・コーポレーションは解散となり、Windows版の販売がこの時点で途絶えてしまった。同社のWebサイトも閉鎖されてしまい、公式に自作面を掲載することもできなくなってしまった。しかし、それ以後も個人のWebサイトや掲示板において、このゲームのプレイヤー同士がWindows版の機能を使って自作面データを投稿・交換する光景が見られた。

また、ファミコン版のソフトの一部はWiiバーチャルコンソールによって遊べるようになった。

関連作品一覧

日本国内で発売されたエッガーランドシリーズのタイトルは以下の通り。(発売元を明記していないタイトルは、すべてHAL研究所から発売されたものである)

エッガーランド ミステリー

1985年11月に発売された、MSX用のソフト。実質的なエッガーランド第1作である。敵の種類が後続の作品に比べて少ないなど、まだ発展途上な点が見られる。 ステージは全115面、コンストラクション機能も搭載していた。

エッガーランド 迷宮神話

1986年11月に発売された、MSX用のソフト。基本的な内容は、後述する初代エッガーランドに似ている。ステージは全115面。

エッガーランド

1987年1月29日に発売された、ファミコンディスクシステム用のソフト。ファミコンでのエッガーランドシリーズ第1弾であるため、初代エッガーランドと呼ばれることもある。100面分のステージが10×10の格子状に配置された構成となっており、クリアするごとに隣の部屋へ移動して新しい面に挑戦していくといったゲーム進行になる。単に1面ずつパズルを解いていけば進めるというわけではなく、中には部屋に入る時に入り口を間違えるとクリアできない面や、謎解き要素を解いておかないと進めない面、「画面の"?"欄に表示されたキャラクターに特定の行動を取ると、隠しアイテムが出現してクリアできる」という特殊面(ヒント面という)なども存在する。

エッガーランド 迷宮の復活

1988年8月9日に発売された、ファミコン用カートリッジのソフト。パッケージで「究極のパズルゲーム」を謳っている。128面分のステージが、前作同様に16×8の格子状に配置された構成となっている。前作と違って部屋同士のつながりは単純になっているが、ヒント面や謎解き要素の存在は健在であり、難問も用意されている。

エッガーランド 創造への旅立ち

1988年8月20日に発売された、ファミコンディスクシステム用の書き換え専用ソフト。自分でステージを作ってディスクカードに保存できる、コンストラクションモードが搭載されているのが大きな特徴。(ただしこのモードでは、ファミコンの性能のせいか、設置できるブロックの数に制限があった。)また、通常モードとして、50面分の問題を1問ずつ順番に解いていくモードが用意されている。ヒント面や謎解き要素が含まれていないこともあり、前作よりも難易度は低い。現在ではディスクカードの書き換えサービスが終了してしまったため、入手困難。

アドベンチャーズ オブ ロロ

1990年1月6日に発売された、ファミコン用カートリッジのソフト。エッガーランドシリーズの続編にあたるシリーズで、グラフィックが旧シリーズから一新されているものの、キャラクターやゲームのルールは同じである。そのため、エッガーランドシリーズの一部として扱われることが多い。塔を登っていくという設定で、50面を順番に解いていくという内容。「創造への旅立ち」と同じく、ヒント面や謎解き要素は含まれていない。しかし、終盤には難問が待ち構えている。

2007年6月5日から、Wiiバーチャルコンソールのラインナップに加わり、Wiiでも遊べるようになった。任天堂からのラインナップとなっている。

アドベンチャーズ オブ ロロ 2

1990年12月26日に発売された、ファミコン用カートリッジのソフト。ファミコンでのエッガーランド(アドベンチャーズオブロロ)シリーズとしては最終作となる。新要素として、新しい敵「カポ」と、新しい地形「壊れる橋」が追加されている。レベル0(レッスン面)からレベル17まで、計110面が用意されている。序盤戦が終わると難問が目白押しの構成となっており、難易度はシリーズの中で最難である。

ロロの大冒険

1994年3月25日にイマジニアから発売された、ゲームボーイ版のエッガーランド。全50面。携帯ゲーム用のためか、シリーズの他のタイトルと比べてフィールドが狭く、ゲームスピードが遅いという特徴がある。

エッガーランド -episode 0- Quest of Rara

1996年、後述する「エッガーランド for Windows95」の体験版として、ハル・コーポレーションのWebサイトなどから無料配布されたWindows用のフリーソフト。現在でもvecterやgoo等のサイトから入手することができるが、WindowsXPの環境で起動するには工夫が必要。ララを主人公として32面分の問題を解いていくメインモードと、自分で問題を作成できるコンストラクションモードを搭載している。また新要素として、ショットを90度反射するブロック「クリスタルフレーマー」が追加された。これによって、今までのシリーズでは直接エッガーショットを当てられなかった敵・場所にもショットを当てることができるようになり、パズルの幅が広がった。

エッガーランド for Windows95

1996年にハル・コーポレーションから発売されたWindows版のエッガーランド。内容は、後述する「復活! エッガーランド」と基本的に同じ。現在では入手困難。

復活! エッガーランド

2000年にハル・コーポレーションから発売された、「エッガーランド for Windows95」のリメイク版ソフト。「Quest of Rara」と同じく、WindowsXPで起動するには工夫が必要。194面分の問題を「迷宮の復活」同様の部屋移動方式で解いていくメインモードの他、「Quest of Rara」と同様のコンストラクションモードを搭載している。収録されている問題の大半は過去シリーズで使われたステージの再録であり、新作というよりは総集編的な内容と言える。発売メーカーが解散してしまったため、2001年冬に再発売されたのを最後に絶版となってしまい、現在では入手困難。

日本国外版Adventures of Loloシリーズ

エッガーランドシリーズは、「Adventures of Lolo」シリーズの名前で日本国外でも発売された。ただし、日本国内で発売されたバージョンとは収録ステージの内容が異なっている。

Nintendo Entertainment System(NES)版

下記の3作品が存在する。

  • 北米版Adventures of Lolo(en:Adventures of Lolo): ファミコン版「アドベンチャーズオブロロ」に近いグラフィック・システムで作られている。ステージの収録内容は「創造への旅立ち」と重複するものが多い。
  • 北米版Adventures of Lolo 2(en:Adventures of Lolo 2): ファミコン版「アドベンチャーズオブロロ」と同一のシステムだが、ステージの収録内容が異なる(一部、重複しているステージもあり)。
  • 北米版Adventures of Lolo 3(en:Adventures of Lolo 3): ファミコン版「アドベンチャーズオブロロ2」と同一のシステムだが、ステージの収録内容が異なる(一部、重複しているステージもあり)。

ゲームボーイ版

「Adventures of Lolo」のタイトルで、ゲームボーイ版が発売されている。「ロロの大冒険」と同一のシステムだが、ステージが追加されている。日本版より遅れて発売されたため、スーパーゲームボーイ対応になっている。

その他

星のカービィ」に登場するキャラクター「ロロロ」と「ラララ」は、「エッガーランド」に登場するロロとララを基にしたキャラクターである。また、1UPのチャイム音がエッガーランドのパワー入手時のチャイム音と似ている、一部ゲームでエッガーランドの敵キャラクターと似た敵が登場しているなど、他にも類似点がある。

外部リンク