ウサギ科

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ウサギ科(ウサギか、テンプレート:Sname)は、動物界脊索動物門哺乳綱ウサギ目に属する科。

分布

アフリカ大陸北アメリカ大陸南アメリカ大陸ユーラシア大陸インドネシアスマトラ島南部)、スリランカ日本[1]

形態

最大種はヤブノウサギ体長50–76センチメートル、体重2.5–5キログラム[1]。最小種はピグミーウサギで体長25–29センチメートル、体重0.3キログラム[1]

耳介は長くて、可動することができる[1]。眼は大型で、夜間および薄明薄暮時の活動に適している[1]。多くの種で歯式はテンプレート:DentalFormulaの計28本[1]

前肢よりも後肢が長く、走行に適している[1]。足裏は体毛で覆われ、走行時に地面をとらえたり衝撃を和らげる働きをする[1]。前肢の指は5本、後肢の趾は4本[1]

大臼歯は上下とも3本、ただしアマミノクロウサギはしばしば上顎第3大臼歯を欠く[2]。上顎第3・第4小臼歯は大臼歯と同形(それに対し、ナキウサギ科の上顎第3小臼歯は大臼歯化しない)[2]

系統

絶滅属は省略。

テンプレート:Clade [2][3]

進化史

ウサギ科の既知の最も古い種は始新世末期に遡り、この時期に既に北アメリカとアジアに分布していた。4800万年前の中国、5300万年前のインドで発見された未命名の化石種は、原始的ではあるがウサギ科の踵の特徴を備えていた[4]

ウサギ科の構成種は漸新世から中新世初期にかけて北アメリカ大陸で進化したと考えられている[1]。例えばパレオラグスの後肢は、現在のウサギ科と比べて短かったが、他はウサギの特徴を多く備えていた[5]

分類

ウサギ科は、臼歯の特徴から3亜科に分類される。現生属の全てを含むウサギ亜科(ノウサギ亜科)と、絶滅したムカシウサギ亜科・キュウウサギ亜科である[2]。この3亜科に分類したのは Lee R. Dice (1929) で、M. R. Dawson (1958) や C. W. Hibbard (1963) によりほぼ現在の形に修正された[2]

英語圏では俗に、ノウサギ属のみのノウサギ類 (テンプレート:En) と、それ以外のアナウサギ類 (テンプレート:En) とに分けられる[1]。しかし形態からアナウサギ類に属する種でもアラゲウサギのように英語名が テンプレート:En(ノウサギ)とされる種もいる[1]。逆にノウサギ属でも、ジャックウサギ類のように英名にrabbitが用いられるものもいる。

ウサギ亜科

中新世から現世まで。唯一の現世亜科。

プロノトラグス、パラノトラグス、ノトラグスは、J. A. White (1987, 1991) により、キュウウサギ亜科からウサギ亜科に移された[2]

† キュウウサギ亜科

中新世から更新世まで。

† ムカシウサギ亜科

始新世から中新世まで。最初の亜科で、側系統[6]

現生属のうち3属、アマミノクロウサギ属 テンプレート:Snameiアカウサギ属 テンプレート:Snameiメキシコウサギ属 テンプレート:Snamei を、ムカシウサギ属に含める説があった[7]が、これは Dice の古い分類を論拠とした措置であり[2]、またこの3属は分子系統の中でまとまっておらず[3]、この説は否定される。

亜科不明

生態

草原砂漠森林湿原などの様々な環境に生息する[1]。ノウサギ属を除いた種では地中に穴を掘って生活する(ノウサギ属の構成種でも種や気候、地域によっては穴を掘る)[1]

ウサギもノウサギもほぼ草食性[8][9]

食性は植物食で、、木の葉、樹皮、根、種子なども食べるが、昆虫を食べることもある[1]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は多くの属で約30日(例としてアナウサギは28–33日)、妊娠期間が長い傾向にあるノウサギ属でも約40日(最も長いユキウサギで50日)[1]。ノウサギ属の幼獣は出産直後から体毛で覆われ目も開いているが、他属の幼獣は出産直後は体毛で覆われず例としてアナウサギでは生後10日で開眼する[1]

人間との関係

アナウサギは家畜化されカイウサギになった[1]。現在では人気小型種のネザーランド・ドワーフなど、数多くの愛玩用・観賞用品種が作り出されている。

苗木などを食害する害獣とみなされることもある[1]。アナウサギやヤブノウサギはオーストラリアやニュージーランドなどに移入され、在来の植生や農地を食害し問題になっている[1]

出典

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  2. 以下の位置に戻る: 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 テンプレート:Cite
  3. 以下の位置に戻る: 3.0 3.1 テンプレート:Cite
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