アライド・アイリッシュ銀行
アライド・アイリッシュ銀行またはアライド・アイリッシュ・バンク(ス)(Allied Irish Banks plc、ISEQ: ALBK、LSE: ALBK、NYSE: AIB、XETRA: AIB)はアイルランドを中心とした市中銀行であり、アングロ・アイリッシュ・バンク(同じくAIB)とは別物である。AIBはアイルランドの四大市中銀行と言われる。
事業・業務
この銀行はアイルランド最大の支店ネットワークを持ち、それに対抗しうるのはアイルランド銀行のみである。ローン、クレジットカード、抵当といった個人の銀行業務のすべてを受け持ち、生命保険と年金も子会社のArk Life Assuranceを通して行なう。
法人組織への銀行業務も同様に行なう。
AIB Capital Marketsは国際銀行業務とtreasury operationsを行なう部門である。子会社のGoodbody Stockbrokersを通して株式仲介
国際的に、AIBは(Allied Irish Bank (GB)として)イギリスと(BZ-WBKとして)ポーランドで業務を行なっている。そして、アメリカ合衆国のM&Tバンクへ22.5%の出資をしている。
AIBはデビットカードのシステム、Laserに対応している。
名前
Allied Irish Banksは日常的に内部及び外部からAIBと略して呼ばれ、また"Allied Irish Bank"と間違って呼ばれる。しかしながら、北アイルランドではFirst Trust Bank、グレートブリテン島では"Allied Irish Bank (GB)"と呼ばれ、この場合にのみ単数形が日常的に使われている。
はじめに、この銀行は以前の構成企業の名の下で、円が中央でAによって3つに分けられた、AIBの新たなロゴで経営されていた。 1970年からそれらは"Allied Irish Banks"に置き換えられた。1990年、AIBは(以前のロゴがメルセデス・ベンツに酷似しているという指摘があった)新しいロゴを発表した。それ以降、略して"AIB"と呼ばれることを銀行が好んだが、正式名称は"Allied Irish Banks plc"のままである。
歴史
アライド・アイリッシュ・バンクは1966年にアイルランドの3つの古い銀行が合併して出来上がった。Provincial Bankは1825年創立、アイルランドにおける銀行の支店業務の草分けとなった。Royal Bankはその11年後に創立、商業との結びつきが有力だった。Munster & Leinsterは1885年に創立し、3つの銀行の中で最大の支店ネットワークを持った。
アイルランドの銀行の分裂状態を打ち勝つには合併が得策であった。1960年代中頃のアイルランドは急速に変わっていき、銀行は合併により台頭する国際企業の時代での位置を強くした。
数十年間を通してAIBは次第に国際組織になっていった。1970年代には支店ネットワークが英国にでき、その後1980年代には米国で投資をした。
1983年、AIBは初めに米国のMaryland Bancorpに投資した。1997年7月First Maryland Bancorpを合併させる事でDauphin Deposit Corporationを手にいれて、1999年にAllfirstを創立した。
2003年4月、AIBの米国子会社AllfirstとM&T Bank Corporationの合併の取引が成立した。AIBは現在ニューヨーク州バッファローに本社をおくM&Tへ22.5%の出資をしている。
1991年7月、AIBグループは北アイルランドのTSBを吸収合併してFirst Trust Bankが誕生した。
AIBは、1995年から1996年にかけて、ポーランドの新興経済で、WBKの持ち株を徐々に増やし60.1%の大多数にする投資を行なった。1999年6月AIBはBank Zachodni SAの持ち株を80%得ることでポーランドの国家財産省と合意をした。2001年6月、AIBは2つの銀行の吸収合併を完了しBank Zachodni WBKを作った。その合弁銀行は資産サイズと重要な製品市場シェアの点でポーランドの主要な銀行である。
創立から三十年以上が経ち、AIBはダイナミックで成功した団体である。1966年、AIBの総資産は3億2380万ユーロだった - 2004年12月31日現在、AIBグループは1020億ユーロを持つ。
- 1825: Provincial Bank創業、アイルランドで株式組織支店銀行制の草分けとなり、ロンドンに支店を開いた。
- 1836: Royal Bank of Ireland (RBI)創業。
- 1837: RBIがShaw’s Bankを合併。
- 1864: The Munster Bank創立。
- 1867: The Munster BankがUnion Bank of Irelandの経営不振のいくつかの支店を購入。
- 1870: The Munster Bankが長く確立していたDavid La Touche & Sonの個人銀行を得る。
- 1885: The Munster Bankが経営ミスと不正行為で破産。Munster and Leinster Bankが開始され3つの銀行のうち最も大規模な支店ネットワークを持つようになった。
- 1923: The Royal Bank of Irelandはアイルランド自由国の事業Belfast Banking Companyを購入。
- 1966: Provincial、Royal、Munster Leinsterが合併してAllied Irish Banksとなる。
- 1977: ニューヨークに支店を構える。非営利部門の周りに多くの銀行業務を構築。
- 1983: First Maryland Bancorpに投資。
- 1990: 新しいロゴマークを導入、小口金融部門での名前は"Allied Irish Banks"から"AIB Bank"に短縮された。以後 通常"AIB"と呼ぶが、グレートブリテン島では"Allied Irish Bank"の商標が再導入された。
- 1991: 北アイルランドの同業者、TSB Northern Irelandを吸収してFirst Trust Bankを作る。
- 1995: Wielkopolski Bank Kredytowy (WBK)へ16.3%の出資をする。
- 1996: 国からさらに20%のWBK株を得、Laserに参加する。
- 1997: 米国のDauphin Deposit Corporationを得る。欧州復興開発銀行によって60%の株を得てWBKの経営権を得る。
- 1999: ポーランド国家財産省との合意でBank Zachodniの80%を持ち株にする。AIBに24.9%のシェアを得る権利を与えるKeppel TatLee銀行との協定を調印。
- 2000: Wielkopolski Bank KredytowyとBank Zachodniが合併してBank Zachodni WBKとなる。
- 2001: Keppel TatLee銀行の利権を売る。
- 2003: Allfirst (John Rusnak参照)をM&T Bank Corporationへ譲渡。AIBは現在22.5%のニューヨーク州バッファローに本社のあるM&Tの株を持つ。米国で代表的なオフィスはシカゴ、フィラデルフィア、アトランタ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ホワイトプレーンズに保有する。
- 2010:アイルランド政府は同行に37億ユーロの資本注入を行い、実質的に国有化されることとなった。それに伴い、英国とアイルランドの主要株式市場で上場廃止となる[1]。