アイントプフ
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アイントプフ(Eintopf)は、ドイツのごく庶民的な家庭のスープ料理。名前は、「鍋の中に投げ込んだ」の意。「農夫のスープ」という呼び名もある。
ドイツソーセージ(Wurst)にジャガイモ、にんじん、タマネギ、レンズ豆などを入れて煮込んだもの。スープのベースは、トマト・コンソメなどなんでも良い。日本でいえば味噌汁のように、庶民的でかつ各家庭ごとに味の異なるものである。 自然公園の中にあるレストハウスで提供される安くて簡単な料理といえば、これが定番になる。 一般のレストランや、特に高級ドイツ料理店では、まずお目にかかれない。 またファーストフード店でも食べることができ、さまざまなアイントプフの缶詰も市販されている。
ナチス政権時代のドイツでは「アイントプフの日曜日」(Eintopfsonntag)というキャンペーンが行われていた。日曜日の御馳走の代わりにアイントプフを食べ、浮いたお金を募金するというもので、冬季の助け合い運動と国民意識を高めるためのプロパガンダとを兼ねていた。
参考書
- 南直人 『世界の食文化 18 ドイツ』 2003年 農山漁村文化協会 ISBN 978-4-540-03220-8
- 藤原辰史 『ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』 2012年 水声社 ISBN 978-4-89176-900-0 欧文の参考書の記載多し。アイントプフを食べるゲッベルスとヒットラーの写真あり。