らしんばん座
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らしんばん座(らしんばんざ、羅針盤座、Pyxis)は、南天の星座の1つ。日本からは地平線より少し高めに見え、北日本でもぎりぎり南中時に見られる。
主な天体
恒星
- α星:らしんばん座で最も明るい恒星。
由来と歴史
元々ギリシア神話に登場するアルゴー船をかたどったアルゴ座が存在したが、あまりに巨大すぎたため1756年にニコラ・ルイ・ド・ラカーユによってりゅうこつ座、とも座、ほ座の3つに分割された[1][注 1]。らしんばん座は、このアルゴー船の「帆柱」に相当する位置にラカーユによって新たに設定された。りゅうこつ座、とも座、ほ座は、分割される前のアルゴ座のバイエル符号を引き継いでいるが、らしんばん座が設定された領域の星にはヨハン・バイエルが符号を付けていなかったため、ラカーユが新たに符号を設定した[1]。
その後、1844年にジョン・ハーシェルによってマストを意味する Malus と改名することが提案され、1845年にフランシス・ベイリーが刊行した British Association Catalogue で採用されたが、定着しなかった[1]。
ヨハン・ボーデは同じ領域に「測程儀[注 2]と縄」を意味する Lochium Funis (そくていさく座) という星座を設定したが、こちらも広まらなかった[1]。