しりとり
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しりとり | |
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競技場: | 任意 |
用具: | 特になし |
参加者の数: | 一人以上 |
競技時間: | 任意 |
しりとりとは、言葉遊びの一つである。参加人数は何人でもよい[1]。古い護法として用いられたこともあるというテンプレート:要出典。
本項では日本語のしりとりについて解説する。
ルール
まず参加者のうちの一人が、最初に適当な単語を言う(最初に言う単語は「しりとり」とするルールもある)。以降の人は順番に、前の人が言った単語の最後の文字(つまり『尻』である)から始まる単語を言っていく。
日本語には「ん」で始まる単語がほぼ皆無であるため、通常は「ん」で終わる単語を言ってしまうと負けになる。ただし、外来語や固有名詞も含めると「ん」から始まる言葉は決して皆無ではないため、稀に変則的なルールとして「ん」から始まる言葉を可とすることもある(ただし「ん」で終わる単語を言った側が負けて勝負が決まるため、「ん」で始まる単語でしりとりを続ける必要も無い)。
- 「ん」で始まる具体的な言葉はアフリカに多く、ンジャメナ(チャド共和国の首都)、ンゴロンゴロ保全地域(タンザニア連合共和国中央部に存在する世界遺産登録の自然保護・保全地域)、ンデベレ族(アフリカの部族名)、ンビラ(アフリカの民族楽器)、ンドゥール(人名。ユッスー・ンドゥールなど)、ンクルマ(人名。クワメ・ンクルマなど)などがある。また、日本では栂(つが)を人名で「んが」と読むことがある。この他、古典落語の演目の1つに「ん廻し(んまわし)」がある。
また、日本語には「る」で始まる単語が極めて少なく、ほとんどの人は早いうちに「る」で始まる単語を使い切ってしまうため、しりとりで「る」で終わる単語を何回も使うと、次の人は負けになる確率が高い。そのため、しりとりで負ける確率を低くするためには、外国語も含めて「る」で始まる単語をできるだけ多く知っておくことが重要である。それと同時に、しりとりで有利になるためには、「る」で終わる単語をできるだけ多く知っておくのも効果的である。
細かいルール(ローカルルール)は地方・個人によって少しずつ違いがあり、いわゆる公式の統一ルールは存在しないが、だいたいは次のようなルールで行われる。
- 挙げる単語は名詞に限る。
- 名詞の中でも固有名詞の扱いは多少の差異がある。一般的な常識としてよく知られた固有名詞(たとえば国名や大都市の名前、トヨタなどの企業名、長嶋茂雄などの有名人等)ならば使用可能とするルール、友人の名前や自分の住んでいる地域の名前など一般的ではないが参加者は全員理解できる固有名詞なら使用可能とするルール、厳格に固有名詞は使用不可とするルールなどがある。
- また、数詞は名詞の一種とされるが、しりとりにおいては基本的に使用禁止である。これは、「10001」「10232」といった具合に最後が「ん」にならないように気をつけさえすればいくつでも単語が出来てしまう上、「1回」「1度」「1区」のように単位と組み合わせればさらに簡単に大量の単語を生み出せるからである。
- 「○○の△△」「○○と××」のような形で構成される句を使ってはいけない。
- 「桜の木」は不可。ただし、「こどもの日」はそれ自体が祝日の名前であるため可とするルールもある。他にも「となりのトトロ」「罪と罰」「ハリー・ポッターと賢者の石」のように作品名であれば可とするルールもある(ただし固有名詞が使用不可のルールの場合は使用禁止)。
- 最後の長音は母音とするルールと、無視するルール、長音を含みながら答えるルールと、負けになるルールがある[2][3]。
- 例:「ミキサー(ミキサア)」→「アイスクリーム」(長音は母音のルール)/「サンドバッグ」(長音は無視のルール)/「サーキット」(長音を含むルール)
- 最後の文字が拗音・促音(ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、ゃ、ゅ、ょ、っ)の場合、もとの文字(清音)に戻すルールと、そのままのルール、負けになるルールがある[3]。
- 例:「滑車(かっしゃ)」→「やり」(清音に戻すルール)/「しゃくなげ」(拗音・促音採用のルール)
- 最後の文字が濁音・半濁音の場合、「゛(濁点)」「゜(半濁点)」を取っていいルールと、取ってはいけないルールがある[4]。
- 但し、上のルールで、「゛」を取ってはいけないルールの時、尻の文字が、「ぢ」(例:「鼻血(はなぢ)」)、「づ」(例:「国府津(こうづ)」)になった時には、「ぢ」、「づ」で始まる言葉はほとんど無いので、特例として「じ」、「ず」に、変えていいという決まりがある。
- 例:「鼻血(はなぢ)」→「地獄(じごく)」等
- 1度出た単語をもう一度言ってしまうと負けになる。ただし同一語を言った後、しばらく誰にも指摘されなかった場合は負けを免除されることがある。
- 制限時間を設けて難易度を上げることもある。
- 数字・アルファベットで終わる単語が入ってきた場合など、日本語外の『尻』の場合のルールは多岐に渡る。
- 例:音を採用(カナ化)して続ける、字を採用してその字で始まる単語を続ける、無効とする、など。
派生ルール
難易度を上げるために考案されたいくつかの派生ルールもある。
- 1字攻めの禁止。
- 前回と同じ字に当たるようにして単語を詰めていく戦法がある。これを禁止するために前回の文字と同じ文字にしてはいけない。
- 例:「しりとり」→「りし」→「しまうま」→「まわし」→「しんどう」→「うし」・「しりとり」→「りんご」→「ゴキブリ」→「りす」→「すり」など。
- 言ってよい言葉に制約をつける(山手線ゲーム)。
- 最後の2文字を続ける。この場合最後の文字でなく、最後から2番目の文字に「ん」が入る単語(○○ん○)が出ると負けになる[5]。
- 例:「みかん」→「かんきり」→「きりぎりす」→「りすとら」→「とらぶる」
- 濁音と半濁音に限定する。
- 例:「外国語(がいこくご)」→「ゴシップ」→「プライド」
- 今までに出た単語を暗記して最初から全て繰り返す(『マジカル頭脳パワー!!』の「おぼえてしりとり」。『ブレインサバイバー』ではサバイバルしりとりと呼ばれた。一般的には八百屋さんゲームとも呼ばれる)
- 例:「しりとり」→「しりとり、りんご」→「しりとり、りんご、ゴースト」
- 1回につき2個のしりとりを行う(『マジカル頭脳パワー!!』の「ダブルしりとり」)。
- 例:「しりとり、リスク」→「車(くるま)、魔法(まほう)」→「うさぎ、銀行(ぎんこう)」
- 普通のしりとりとは逆に、前の人が言った単語の最初の文字で終わる単語を答える。「逆さましりとり」「あたまとり」と呼ばれることもある。『マジカル頭脳パワー!!』では「あ」で始まる言葉はアウトとなっていたが、「あ」で終わる単語は存在する。
- 例:「しりとり」→「寿司(すし)」→「カボス」
- 脳内エステ IQサプリやロンQ!ハイランドでは、3文字の言葉の真ん中の文字から始まる別の3文字の言葉を作る。なかとりサプリを参照。
- 例:「はなわ」→「なずな」
- 単語の最後が「あ段」で終わる場合、その行の「お段」の言葉で始まる言葉を答える。このとき、その行をあ段からえ段までを述べた後、その行のお段で始まる言葉を答えることになる(『マジカル頭脳パワー!!』では「あいうえおしりとり」)。
- 例:「しりとり」→「理科(りか)」→「かきくけ、こっぷ」
- 使えるのは3文字の単語だけで、リズムに乗って答える。『めちゃ×2イケてるッ!』のコーナー「七人のしりとり侍」を参照。
- 基本的なルールは通常のしりとりと同じだが、次の人は前の人より一文字多い言葉を完成させなければならない。『はねるのトびら』のコーナー「しりたしキャバクラ」を参照。
- 参加者でいくつかNGワードを設定する
- 推理力と連想力が試されるルール、特に頻出語句である「りんご」や「ラッパ」が狙われやすくなるため、1人目でいきなりアウトになりやすくなる。
注釈
関連項目
- ワギャンランド - ボスキャラとのミニゲームにしりとりがある。続く単語はイラストパネルの中から選ぶが、中には意外な読み方をするパネルが存在する(例:灯台の絵のパネルを『うみのみちしるべ』と読んだりする)。
- マジカル頭脳パワー!! - 日本テレビで放送され、様々なしりとりが登場した。
- 虎の門(しりとり竜王戦)
- ワードバスケット
- 地名しりとり - CBCテレビのテレビ番組『ノブナガ』で、お笑い芸人ペナルティのワッキーが挑戦した。
- ロケみつ〜ロケ×ロケ×ロケ〜 - 毎日放送(MBS)のテレビ番組。「カッパでいい湯だな! 日本名湯しりとり:利き温度ブログ旅」が行われたが打ち切り。訪ねた温泉でお湯の温度を外した場合、名前がしりとりでつながる温泉にバスで向かわなければならないというルールだった。
- 八木真澄 - しりとりのルールをベースに「パナキ」という自作の遊びを実兄とともに開発した。
- ことばのパズル もじぴったん - しりとりの要領や、ボキャブラリー、豆知識を総動員して言葉を作り上げるパズルゲーム。
- 横浜銀蠅 - しりとりを題材とする『尻取りRock'nRoll』をリリース。トヨタ・シエンタCMソングとして起用された
- 音楽しりとり - 青森放送のラジオ番組。曲のタイトルで、しりとりをしている。
- 大正テレビ寄席 - 中間コーナーの「マキシンのバーゲンセール」で、これから出す品物をしりとりで当てさせ、正解した観客が品物を買った。
- ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャーこれができたら100万円!! - 「キーワードしりとり」という競技が行われていた。
- シャープ・スターアクション - 『新スターアクション』となった末期、「しりとりアクション」というコーナーが存在していた。