がんばれゴエモン〜ゆき姫救出絵巻〜
テンプレート:Infobox 『がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻』(がんばれゴエモン ゆきひめきゅうしゅつえまき)は、1991年7月19日にコナミ株式会社から発売されたスーパーファミコン用ゲームソフト。スーパーファミコン版の『がんばれゴエモン』シリーズ第1弾。2007年3月13日からはWiiのバーチャルコンソールで配信されている。2013年9月4日からはWii Uでもバーチャルコンソールで配信される。
目次
ゲームの概要
構成
本作はファミコンで発表された外伝を除く作品のアクションシステムを踏襲しているが、いくつかの変更点が存在する。
- ステージクリアに「通行手形」を3枚揃える必要が無くなった。
- 移動スピードを上げる「わらじ」が、よろず屋だけでの入手扱いとなった。
- 各キャラクターにサブウェポンが追加された。
- ステージ間に幕間ムービーが追加され、よりコミカルになった。
- 2Dステージが追加された。など
マップは9つのステージで構成され、所持金や巻物を揃えて装備を買い整えるなどする俯瞰視点画面の「町エリア」、ボスを目指して敵を倒してゆく横スクロール画面の「拠点エリア」、各ステージのボスと戦う「ボスエリア」が配置されている。
なお、ストーリーはこの作品で一度リセットされており、エビス丸が女であったことが無かったことになり、ヤエともこの作品で初めて出会うことになっている。
プレイヤー
キャラクター共通の初期数値は体力8(目盛りで表示され、通常は一回のダメージにつき2目盛り減少するが、一部ボスの攻撃では4目盛り減少する)、残機数3(表示上は2機)。体力は「金の招き猫」の入手で最大16まで、残機数は迷路(残機数が一定以上だと準備中となり入れなくなる)の景品で「大入袋」を入手するか、「1あっぷ」の購入で増加できる(表示されるのは4機まで)。ただし、体力に関しては後述する術と同様に次のステージへの持ち越しはできない。
目盛りが0になる、穴に落ちる、制限時間内でのクリア不可などで残りプレイヤーが1減り、残数が無くなるとゲームオーバー。残数が1以上の場合、町エリアとボスエリアでの復活はその場から、拠点エリアでの復活は中間地点に存在する「これぞうくん」を取った場合は中間地点から、取っていない場合はスタート地点に存在する「たぬきくん」からの再開となる。(2人プレイの場合はその場で復活する。)ゲームオーバー時にコンティニューを選択すると、旅日記をつけた場所かそのステージのスタート地点からの再開かを選ぶ事となり、前者なら旅日記をつけた時点そのままのの状態から、後者なら所持金0、アイテムなしになりステージの最初から再スタートする。
武器のレベルは「招き猫」の入手で1段階ずつ変化し、最大で3段階まで変化する。ダメージを受けるなどすると1段階減る。最大までパワーアップしている時に招き猫を入手すると10両が加算される。共通サブウェポンとして「かんしゃく玉(爆弾)」があり、店舗での購入によって使えるようになる。
旅日記はパスワード方式で、数十文字のひらがなで成り立つ。また、旅日記をつけた後に電源を切らずにリセットするかゲームオーバーになった時は、旅日記をつけた時点からすぐに再開することができる。
2人プレイ
アクションゲームとしての前作に当たる『がんばれゴエモン2』に引き続いて2人同時プレイが可能。「ひとりであそぶ」プレイ中に2プレイヤー側のAボタンを押すと途中でも参加できる。どちらか一方がゲームオーバーになっても、残ったプレイヤーの残数が2以上であればそれを使って復活できるが、その時点までで習得した術を除いて所持金やアイテムは全て無くなる。なお、タイトル画面で2プレイヤー側のコントローラーで「ひとりであそぶ」を選択すると、エビス丸での1人プレイが可能。
拠点エリア、ボスエリアでは、たぬきくんの場面で1人で進むか2人で進むかを選択できる。1人を選択した場合でも、もう片方のプレイヤーはAボタンで途中参加が可能。また、上記2つのエリアでだけの限定動作があり、伏せた一方に残りの一方がジャンプして重なると、攻撃と移動を分担する「おんぶ」状態となる。
術
本作では拠点エリア、ボスエリアでのみ使用できる「術」があり、各キャラクターに4つずつ、合計8つの術がある。使用するには「道場」の利用によって術を修得した上で、巻物を10本消費しなければならない。巻物は術10回分までストック可能。ただし、術は次のステージへの持ち越しはできない。
術の使用中はアイテム表示欄に赤いゲージが表示され、術のゲージが0になる、または途中でXボタンを押すと術が解除される。
- お助けキャラの術
- お助けキャラに乗って移動する。プレイヤーがダメージを受けない代わりに、術ゲージにダメージ分の消費を伴う。
- 一撃必殺の術
- 画面上の全ての敵を倒す。
- 空中飛行の術
- 一定時間空中を飛行する。ダメージを受けると強制的に解除される。
- 無敵変化の術
- 一定時間無敵になり、敵に体当たりをして倒せるようになる。
キャラクター紹介
主要キャラクター
ゴエモン
主人公。「はぐれ町」に住む天下の義賊。エビス丸の話を聞き、「ほろほろ寺」に現れた幽霊退治に出かける。
- 武器:キセル
- キセル→黄金キセル→ヨーヨーの順にレベルアップする。
- サブウェポン
- 小判(4両消費)
- お助けの術
- とら丸の術[寅]
- 一撃必殺の術
- 怒りの一撃の術[怒]
- 空中飛行の術
- シーパーマントの術[飛]
- 無敵変化の術
- しし丸の術[変]
エビス丸
正義の忍者を自称するゴエモンの相棒。「ほろほろ寺」に現れた幽霊の話を持ちかけ、ゴエモンと行動を共にする。
- 武器:笛
- 笛→黄金笛→ピロピロ笛の順にレベルアップする。なお、ゴエモンのヨーヨーと違いこちらの方が戻ってくる速度が少しだけ速い。
- サブウェポン
- 手裏剣(4両消費)
- お助けの術
- べこ丸の術[牛]
- 一撃必殺の術
- 桜の舞いの術[舞]
- 空中飛行の術
- パタパタの術[飛]
- 無敵変化の術
- ヒロインの術[変]
その他の登場キャラクター
- おみつ
- ステージ1に登場。はぐれ町のアイドル的存在で、ゴエモンの住む長屋の隣に住んでいる。ゲーム本編では家を訪ねた時以外に出番は無いが、漫画版ではゴエモン達の旅に終盤まで同行した。
- クロベエ
- ステージ1のボスである女幽霊の正体である忍者猫。強い人間を捜し求めてほろほろ寺で騒動を起こしており、ゴエモンたちの実力を見込んで四国へ向かって欲しいと頼み込む。
- 小判猫(こばんねこ)
- ステージ2に登場。忍者猫たちの頭領。四国で行方不明になってしまったゆき姫の捜索を行っている時に、提灯魔人に敗れて捕まっていたが、ゴエモン達に救出される。
- ヤエ
- ステージ4、9に登場。江戸に仕える秘密特捜忍者。大和で謎の偽金事件について調査を行っていた際、おたふく隊に捕まってしまうが、ゴエモンたちに救出される。後に、大江戸城の地下牢に捕らわれていたゴエモンたちと再会する。
- 物知り爺さん
- ステージ5に登場。伊賀のからくり忍者屋敷の主で、サスケを始めとするからくり忍者軍団の生みの親である。若いギャルに目が無いスケベ爺であるが、その名通り何でも知っており、ゆき姫の行方を追っていたゴエモンたちに出雲の竜神池へ向かう事を助言する。
- 白鏡
- ステージ7に登場。出雲の竜神池にて祀られている鏡の姿をした神で、ステージボスの白龍の主でもある。白龍を討ち勝つ実力の持ち主であるゴエモンたちの実力を認め、彼らが探しているゆき姫が琉球にいる事を教える。
- 琉球王(りゅうきゅうおう)
- ステージ8に登場。琉球を治める国王であったが、般若一族によって国を乗っ取られてしまう。ゴエモンたちの実力を見込んで、彼らに秘密の地下通路への入り口を教える。
- ゴンタ
- ステージ9に登場。はんにゃ大将軍のまたがる唐獅子に化けていた強力な妖術使いのキツネ。ゆき姫と友達になりたかっただけであるが、はんにゃ大将軍の口車に乗せられてしまい、今回の騒動に加担してしまう。最終的には騙されていた事に気付き、はんにゃ将軍を見捨てて姿を消す。
- 『きらきら道中』にて、宇宙を股にかける妖術使いである事が判明しており、同じく妖術使いであるたぬ吉とつるんでは悪さをしていたらしい。
敵キャラクター
- 女幽霊(おんなゆうれい)
- ステージ1のボス。皿回しの要領で霊気を投げつけてくる。霊体なので直接攻撃を当てる事はできず、皿を跳ね返して攻撃しなければならない。
- 提灯魔人(ちょうちんまじん)
- ステージ2のボス。頭の上に提灯やぐらを構え、提灯の中に隠れたひょっとこ部隊と強烈なジャンプ攻撃のコンビネーションで襲ってくる。後に最終ステージで復活し、再び戦いを挑んで来る。『がんばれゴエモン 東海道中 大江戸天狗り返しの巻』にも登場。
- 明石の大ダコ(あかしのおおだこ)
- ステージ3のボス。事実上のボスではなく、スルー可能だが、面の最後に待ち伏せている大ダコ。左右に動きながら次々と小ダコを吐いてくる。
- 双子力士「若乃福」(わかのふく)「貴乃福」(たかのふく)
- ステージ4のボス。両側から同時に登場し、光るボールをバウンドさせながら投げ合って攻撃してくるが、二人を倒すと霊魂が画面中央のおたふく面に憑依し、巨大おたふく「おたふく仮面」となって再び襲いかかってくる。おたふく仮面はダメージが蓄積すると巨大化していき、最終的には画面を埋め尽くすほどになってしまう。おたふく仮面は提灯魔人同様、最終ステージにて復活。
- からくり忍者「サスケ」(からくりにんじゃサスケ)
- ステージ5のボス。からくり忍者軍団を引き連れて登場し、これらを倒すと大凧の上での戦闘となる。上下左右を自在に駆け巡り、八方くない投げを繰り出してくる。
- 次回作『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』以降はゴエモン達の仲間となってレギュラー化するキャラだが、漫画版ではまだそれらの設定が無かった事もあり、作者・帯ひろ志の担当編集者の久慈正人をモデルとした「風の久慈丸」というオリジナルキャラとして登場した(サスケはマッギネス編から登場した)。
- つづら助六(つづらすけろく)
- ステージ6のボス。巨大なつづらを背負い、歌舞伎の演目の一つ『暫(しばらく)』に登場する主人公に似た格好をしている。地上では飛び六方を踏みながら左右を移動して毒霧やカツラブーメランを使い、空中ではつづらに隠れて左右に浮遊しながら桜吹雪を降らせる広範囲攻撃を仕掛けてくる。次回作以降も因縁の敵として度々登場する。
- 白龍(はくりゅう)
- ステージ7のボス。不思議な力を宿した鏡「白鏡様」(しろかがみさま)の守護者。弾丸状の炎を次々と吐きかけてくる。
- 落とし達磨(おとしだるま)
- ステージ8のボス。だるま落としのように体を一つずつ分離させながら左右に移動しつつ体当たりを仕掛けてくる。撃破後も「やじろべえ達磨」として復活し、再び襲い掛かってくる。やじろべえ達磨は体力ゲージが存在せず、攻撃を与えて限界まで傾かせる事で倒せる。
- はんにゃ大将軍(はんにゃだいしょうぐん)
- 最終ステージのボス。唐獅子にまたがり、複数の弓矢を放ちながら攻撃してくる。唐獅子から降りると、体を丸めて回転しながら縦横無尽に移動しつつ体当たりを仕掛けてくる。
リメイク
本作と『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』の2in1リメイクとして、ゲームボーイアドバンス用ソフト『傑作選!がんばれゴエモン1・2 ゆき姫とマッギネス』が2005年4月21日に発売された。
オリジナル版からの変更点
- 1人プレイ専用であるため、2人同時プレイやおんぶアクションは不可能。
- セレクトボタンを押せば、いつでもキャラクターの切り替えが可能。
- 使用できる術の回数が11回以降でもカウントされるようになった。
- 「たびにっき」がパスワード入力からファイルセーブに変更された。
- タイトル画面に「遊技場」が置かれており、両作品のミニゲームが手軽に楽しめる。など
コミカライズ
帯ひろ志作でコミックボンボン連載、単行本全3巻。単行本巻頭にはカラーで攻略マップが掲載されている。
帯ひろ志は本作から『がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜』までの間、ゴエモンシリーズの漫画を担当した。
長らく絶版だったが、2013年11月21日に「復活ボンボンシリーズ」の1つとして新装版が発売された。3巻分を1冊にまとめ、描き下ろしのページも掲載された。
関連項目
- グラディウス - ステージ3/6のゲームセンターにミニゲームとして収録。1面だけ遊べる。
- コナミマン - ステージ3のからくりアイランド内のアトラクションの入り口の看板に登場。
- コナミレディ - ステージ2/3/6のゲームセンターのナビゲート役として登場。
- クォース - ステージ2/3のからくりアイランド内のゲームセンターのミニゲームに収録されている壁くずしにデザインが流用されている。
- メリル・シルバーバーグ - 『ポリスノーツ』の登場キャラクター(後にメタルギアシリーズに同名の別人としても登場)。大江戸ツーリストの看板に登場。
- 実況おしゃべりパロディウス - 7面のボスラッシュステージに女幽霊がボスの一体として登場。倒すと原作通りクロベエが正体を現す。