かめバス

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周遊バス(赤かめ)
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循環バス(金かめ)

かめバスは、奈良県高市郡明日香村において運行されているバスの愛称。由来は、村内で出土した亀形石造物にちなんだもので、シンボルマークもカメとなっている。周遊バス(赤かめ)、循環バス(金かめ)の2種類のバスが存在している。なお、奈良交通葛城営業所が運行を担当している。

概要

明日香村においては、高松塚古墳飛鳥寺をはじめとした古来の観光施設が村内に散らばっており、観光シーズンではマイカーなどによる道路渋滞や村内を走る路線バスの本数が少ないなど、数多くの不満が寄せられていた。一方、村内においてもスクールバスの補助金の停止、明日香村に住んでいる住民の高齢化や過疎化に伴う外出支援など、公共交通に関する問題を抱えていた。このため、これら二つの異なる需要に対応するためのバス交通の構築を行う必要にとらわれ、奈良交通、明日香村と明日香村公共交通活性化推進協議会の三者協議により話合いが進められた。

この結果、2003年度における国土交通省の広域的な公共交通利用転換に関する実証実験制度を利用して、「明日香村における周遊バス・循環バスへの利用転換実証実験」と題した実験が2003年9月から2年間行われた。これは、ゾーンバスシステムを採用し、明日香村への起点となる近鉄線の橿原神宮前駅と飛鳥駅からの観光周遊を主眼に置いた周遊バス(愛称:赤かめ)と、主に村民の足の改善を目的として各集落入口まで運行する循環バス(愛称:金かめ)を設定するものであった。また、一部特定日においては、明日香村の周遊で良く用いられているレンタサイクルと組み合わせたマルチライドシステムの試験も行われた。

これら施策が功を成して、村内における路線バスの利用者は飛躍的な増加を遂げた。そのため、実証試験終了後も、路線網の見直しを行いながらも、運転が続けられている。

現行路線

周遊バス(赤かめ)

  • [15] 橿原神宮駅東口→明日香小山→飛鳥資料館→万葉文化館→石舞台→岡橋本→高松塚→飛鳥駅→檜前(学校休校日運休)
  • [16] 橿原神宮駅東口 - 飛鳥資料館 - 万葉文化館 - 石舞台 - 岡橋本 - 高松塚 - 飛鳥駅
  • [17] 橿原神宮駅東口→飛鳥資料館→万葉文化館→石舞台→岡橋本(平日1本のみ運行)
  • [20] 健康福祉センター→飛鳥駅→檜前(学校休校日運休)
  • [22] 健康福祉センター→石舞台→岡寺前→飛鳥資料館→明日香小山→橿原神宮駅東口(学校休校日運休)
  • [文] 健康福祉センター→岡寺前→明日香奥山(飛鳥資料館西)→甘樫丘→橿原神宮駅東口(学校開校日の水曜のみ運行)
  • [23] 橿原神宮駅東口 - 明日香小山 - 飛鳥資料館 - 万葉文化館 - 石舞台 - 岡橋本 - 高松塚 - 飛鳥駅
    • 2003年9月1日:運行を開始する。
    • 2006年3月27日:金かめの路線再編に合わせて小山経由の便を新設する。

明日香村の玄関口となる近鉄線の橿原神宮前駅及び飛鳥駅から明日香村中心部へのアクセス路線である。そのため、甘樫丘飛鳥寺石舞台岡寺高松塚古墳をはじめとした観光客が多く訪れている箇所にバス停を設けている。

ダイヤは平日と土曜休日及びシーズンで大きく異なる。春、秋のシーズン時期には土休日はバスの運行間隔は30分に1本運行されるが、夏、冬のシーズンオフ時期には運行間隔が1時間に1本となる。また、平日は運行本数が1時間に1本以下まで減少する。

循環バス(金かめ)

  • 健康福祉センター→飛鳥駅→健康福祉センター(阪合方面)
  • 健康福祉センター→栢森→健康福祉センター(高市方面)
    • 2006年4月1日 路線の再編を行い、畑・尾曽方面の路線を全線で廃止する。また、高市方面の栢森~入谷間で運転を中止する。

上記の赤かめと違い1乗車100円で乗車できる村営のコミュニティバスである。運行は奈良交通葛城営業所が担当している。車両は阪合方面がマイクロバス、高市方面が大型バスを使用している。

路線には棚田で有名な稲渕、近年有名となったキトラ古墳がある阿部山などが見られる。当路線のバスターミナルは健康福祉センターにあり、ここから日中のみ1~2時間に1本の割合で運行されている。

一部の便は、スクールバスとして運行されるが一般の乗客の利用も可能である。但し満席の場合は乗車を断られることもある。

車両

赤かめは、奈良交通の路線バスの車両で運行されており、車体正面に「かめバス周遊」と描かれた赤色のかめのステッカーが貼られており、行先方向幕にも「周遊バス」と書かれている。一方、金かめは、一般の大型バス・マイクロバス車両で運行されており車体正面と側面に「かめバス循環」と描かれた金色のかめのステッカーが貼られている。

その他

1日フリー券

外部リンク