かじき座
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かじき座(旗魚座、Dorado)は、南天の星座の1つ。
大マゼラン雲(LMC)は、かじき座とテーブルさん座の境界線上にあり、大部分はかじき座の領域にある。
主な天体
恒星
- α星:かじき座で最も明るい恒星。
- β星:ケフェイド変光星。9.8426日の周期で3.46等から4.08等の間を変光する。
- γ星
- R星:赤色巨星。地球からみた直径(実際の直径ではない)が最も大きい。
- HE 0437-5439:銀河系の脱出速度を上回る速さで運動する超高速度星。視等級は16.3で肉眼で見ることはできない。
大マゼラン銀河内の天体
- S星:青色超巨星。爆発変光星の1つであるかじき座S型変光星(LBV)。
- SN 1987A:初めてニュートリノが観測され、小柴昌俊のノーベル物理学賞受賞に繋がった超新星。
- NGC 2070(タランチュラ星雲):散光星雲。
その他
由来と歴史
16世紀末に、オランダの航海者ペーテル・ケイセルとフレデリック・デ・ハウトマンが考案した。1598年にペトルス・プランシウスの天球儀に、1603年にヨハン・バイエルのウラノメトリアに姿が描かれ、バイエル星座として知られるようになった[1]。
Dorado は元々シイラのことを指しており、星図でもとびうお座を追い掛ける姿で描かれている。1627年にティコ・ブラーエの観測を元にヨハネス・ケプラーが作成したルドルフ表では、カジキを意味する Xiphias とされた。ヨハン・ボーデが1801年に作成したウラノグラフィアでも Xiphias の名前で口吻の長い姿が描かれている[1]。
結局は Dorado のほうが優勢となり、国際天文学連合も Dorado を採用した。