定規
定規(じょうぎ、定木)は、線分や曲線、角を引くときに用いる文房具である。また物を切断する時にあてがって用いる。素材は主に合成樹脂、金属、竹など伸縮や狂いの少ない素材が用いられる。
定規と物差しの違い
定規と物差し(ものさし)は混同されがちであるが、両者はその機能によって呼び分けられる。
一般に市販されている直線定規の多くには目盛りが振ってあるが、これらは計量法が規定する長さの計量器ではなく、計量器としての検定や校正証明を受けたものではないため、正式には物差しの代用に用いることはできない。逆に、物差しを用いて線を描くと、ひずみが生じて本来の計量機能に誤差を生じるおそれがある。
また、定規は線を引きやすいよう面取りなどを施しており、一方物差しは起点となる0から測れるよう、端から0までの余白が無い。
尺
尺は長さの単位であるが、そこから派生して、物差しのことを呼ぶ言葉にもなっている。材質や形状によって竹尺、曲尺(かねじゃく)、巻き尺、のように使う。
数学における定規の定義
数学で定規という場合、それは「平面上の任意の2点間を通る直線を引くことができる」というただ一つの機能を持つ道具を指す。他の用途、例えば長さや角度を測ることなどには使えない。
定規とコンパスを使用した作図は、ギリシャ時代から盛んに行われてきた(定規とコンパスによる作図)。
JIS規格
定規について以下のJIS規格が存在する。
- JIS B 7514 直定規
- 鋼製直定規についての規格。
- JIS B 7526 直角定規
- 鋼製直角定規、つまり曲尺についての規格。
- JIS S 6032 プラスチック製定規
- プラスチック製の三角定規(60°・30°三角定規および45°・90°三角定規の2種類)および直線定規についての規格。それぞれの目盛りについての規格を含むが、「プラスチック製定規の性能」としては規定されていない。
尺について以下のJIS規格が存在する。
- JIS B 7516 金属製直尺
- JIS B 7534 金属製角度直尺
- 計量器の機能である「目盛り」について、性能として規定されている。
種類
- 直線定規
- 方眼定規
- 三角定規
- 勾配定規
- 角定規
- 縮尺定規
- 三角スケール
- T定規
- 点線定規
- 波線定規
- 放物線定規
- 双曲線定規
- 長方形定規
- 円定規
- 極小円定規
- コンパス円定規
- 円周定規
- 楕円定規
- 雲形定規
- 地図定規
- 平行定規
- たわみ定規
- カードサイズ定規
- 自在定規
- カット定規
- ボルトナット定規
- 仕上記号定規
- 特殊記号定規
- 英字数字定規
- 数字定規
- ひらがな文字定規
- 仮説定規
- 鉄筋鉄骨構造定規
- 化学定規
- 物流定規
- 人型定規
- 電気記号定規
- 電気配線定規
- シーケンス定規
- 衛生設備定規
- 論理設計定規
- 論理回路定規
- 能率定規
- EDP定規
- OCR定規
- コンピュータ定規
- マイコン設計定規
- 室内レイアウト定規
- フローチャート・ロジック定規
- デジタル・アナログ定規
- 分度器
溝
定規には溝が彫られているものが存在する。この溝は製図などで直線を引く際に用いられる。ペンを定規に直接当てて線を引くと、定規と紙の間にインキが滲むことがある。それを防ぐため、ペンと一緒にスライダーと呼ばれるガラス製の棒を握り、スライダーをこの溝に当ててペンとスライダーを一緒に滑らせると、ペンを定規に触れさせずに綺麗に直線を引くことができる。
その他
- 定規を飛ばして遊ぶ定規戦争という遊びが存在する。
- ニコニコ動画ではモノサシストと呼ばれるミュージシャンが定規を使って演奏する動画が存在する。この演奏は、定規を机から少しはみ出させ、指でそらせることによって音を出す。ニコニコ超会議にも出演するなど、現在人気は広まりつつある。