商品券
商品券(しょうひんけん)とは、券面に記載された一定金額の商品を提供してもらう権利のある有価証券である。「商品切手」(しょうひんきって)とも呼ばれる。
概要
日本に於いて商品券は、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)に規定する「前払式支払手段」に当たる。
一般には特定の小売店、小売店の共同組合(商店街等)、商品券の発行会社などが、自店あるいは加盟店の販売の促進を目的として発行しており、ギフトなどの贈答用に用いられる。金券の一つであり、金券ショップなどで取引されることもある。近年は、地域商品券として、自治体も入ってその地域の店舗でのみ使用可能なプレミアム分を付けた商品券が発売されることも多くなった。
商品券を受け取った側は、商品券を使用できる特定の小売店(発行元の小売店あるいは小売店グループや提携先企業、発行会社の加盟企業の各店舗)で、現金(通貨)と同様に利用できる。ただし、おつりについては、小売店あるいは経営企業によって、出ない場合(ギフト券、クーポン券類はおつりはでない場合が多い)と出る場合とがある。また、額面以上の差額(商品券額面が1000円のところ1300円分購入した場合、差額分を現金または商品券を追加)が出た場合は現金との併用が可能となる。
一定金額の価値を有する、商品購入のための証券であることではプリペイドカードと似ているが、一度だけしか利用できない点がプリペイドカードと異なる。
商品券は一般には大量に発行する金券であるため、偽造防止の観点から小規模な商店街などで発行される場合にも地模様の入った商品券用紙が用いられることも多い。
近年は、プラスチック型のギフトカードが登場し、リチャージ可能なものもあり、また半永久的に使用可能なため、今後も市場拡大が予想される。 一方で、法改正によって使用を停止した商品券も増えており(実例・文具券、音楽ギフトカードなど)、知らない間に通用しなくなり、また払い戻し期間を過ぎて無価値になる問題が発生している。→金券#法改正による利用停止の増加参照。
歴史
江戸時代における官・民の切手(商品切手)や手形としての利用は、蔵預かり切手、切手#切手の名称を参照のこと。
泉鏡花(いずみきょうか)の明治40年作品「婦系図(おんなけいず)」三十九章に「イ(にんべん)の切手」が出てくる。現在の株式会社にんべんの前身である伊勢屋が日本最古の商品券を江戸時代末期(1830年)から発行しているが、それが文学作品の中で著されている例である。婦系図(おんなけいず)の舞台は明治時代であり、商品券が営々と引き継がれていたことがうかがえる。株式会社にんべんは世界初の商品券であると同社のホームページで謳っている。
主な商品券類
※基本的に金額が記載されている
百貨店
- 三越券 - 三越商品券(三越)
- 千円券、壱万円券
- 伊勢丹商品券(伊勢丹)
- 千円券、壱万円券
- 高島屋商品券(高島屋)
- 千円券、五千円券、壱万円券、二万円券(綴り)、三万円券(綴り)、五万円券(綴り)、十万円券(綴り)
- 松屋商品券(松屋)
クレジットカード会社
業種系商品券
過去に存在した業種系商品券
店舗の名称は当時のもの。
- 図書券(2005年発行停止、2011年1月時点では利用可能)
- レコード券・音楽ギフトカード
- 文具券
- ビール券601円券(京急百貨店ほかにて発売)
- 清酒2100円券
- JCB壱万円券
- JTBナイスショップ
- 日本マクドナルドギフトカード百円券
- nakasanショッピングボンド
- MARUMITUギフトカード
- 前三百貨店商品券
- 筑波京成商品券
- 春日部マツザカヤ商品券
- ニューナラヤ商品券
- 船橋そごう千円券3枚綴り
- 有楽町そごう買物クーポン
- プランタン商品券
- 三越五千円券
- 西武五百円券1枚綴り(鎌倉西武の営業当時)
- 西武三千円券
- 西武壱万円券
- ロフトギフトカード
- 京王三千円券
- 小田急レディスクラブ買物券千円内渡証
- 小田急OXギフトカード
- 小田急トラベル旅行券
- 東急観光商品券
- 横浜松屋商品券
- 諏訪丸光商品券・まるみつ商品券
- 丸光そごう商品券
- 松坂屋五百円券
- 丸栄五百円券
- 西武北陸二千円内渡証
- 大丸ショッピングボンド
- 天満屋五百円券
- いよてつそごう五千円券
- 博多井筒屋二千円内渡証
- 岩田屋「ギフト券」
- 都城大丸商品券