利尻山
利尻山(りしりざん)は北海道、利尻島に位置する独立峰で標高1,721m。利尻町、利尻富士町の2町にまたがる成層火山で、利尻礼文サロベツ国立公園内の山域は特別区域に指定され、日本百名山[1]、新日本百名山[2]、花の百名山[3]及び新・花の百名山[4]に選定されている。
概要
国土地理院では利尻山(りしりざん)という名称がつけられているほか、「利尻岳」、「利尻富士」、「利尻火山」とも呼ばれる。高山植物が生息し、夏季は多くの登山客が訪れる。
約20万年前から活動を行い、約4万年前頃に現在の形に近い物となった。南山麓で8千~2千年前以前に起きた噴火でマールやスコリア丘を形成して以降、活動を休止し火山活動を示す兆候は無い。活動を休止してからの期間が長いため、山頂部を中心に侵食が著しく進み、火口などの顕著な火山地形は失われている。従って、火山の内部構造を観察できる。
甘露泉水
甘露泉水(かんろせんすい)は、利尻登山道の一つの鷲泊コース3合目付近に湧き出る湧水である。水温は通年約5.5度で1985年(昭和60年)環境省により、日本最北端の名水百選に選定された[5]。 登山者の水場や簡易水道の飲料水、名水「利尻の水」[6]として商品化されている。
登山
頂上は北峰(1,719m)と南峰(1,721m)に分かれているが、最高峰の南峰への道は崩壊が進み危険なため、一般登山者は北峰を頂上とみなしている。西壁、東壁、南稜、仙法師稜がロッククライミングの対象となっている。晴れた日には、南北の頂上から利尻島のほとんど全域と、礼文島、道央・道北の山々や、樺太、樺太の南東に位置する海馬島(モネロン島)などが見える。また、理論上、ロシア沿海地方の山脈が見えるとされているが、2013年現在のところ、これを証明する写真等の撮影・公表はなされていない。
登山道
登山道は利尻富士町鴛泊の利尻北麓野営場(三合目)より登る鴛泊コース、利尻町沓形の見返台園地(五合目)より登る沓形コース、利尻富士町鬼脇の林道より登る鬼脇コースがある。
鴛泊コースは最も多くの登山者が利用するコースで、登山道の最初には名水百選に指定されている甘露泉水の湧水もありルートも整備されている。沓形コースは五合目まで車で登れるため距離は短いが、背負子投げの難所や崩落地をトラバースする親不知子不知などがあるため上級者向けといえる。鬼脇コースは崩落が激しいため、七合目以上が立入禁止となっている。
コース中にトイレはないが、鴛泊コース・沓形コースには携帯トイレを使用するための専用ブースが設置されている。携帯トイレ自体は各自で持参し、使用後は持ち帰る必要がある。
登山道の荒廃
軟弱な火山噴出物からなる山体であることから、近年の登山客の急増に登山道が耐えきれず、場所によっては歩道が浸食され周囲より3mも低下する状況が見られる。このため、登山グループ者数の制限やストックにカバーを付けるといった自主規制が進められている。
利尻山 画像ギャラリー
- View from Cape Rishirifuji Nosappu, 2006.jpg
ノシャップ岬から見る初夏の利尻富士
- 130726 Mount Rishiri view from Oshidomari Port in Rishiri Island Hokkaido Japan01s5.jpg
鴛泊港から望む利尻富士
- 利尻岳 ペシ岬から.JPG
ペシ岬から見た利尻富士
- 利尻岳 頂上直下.JPG
利尻富士山頂直下
- 利尻岳 頂上.JPG
山頂に鎮座する利尻山神社奥宮
- 利尻岳 礼文島から.JPG
礼文島から見た利尻富士
- Rishiri-toilet.jpg
携帯トイレ専用ブース
脚注
関連項目
- 日本の山一覧
- 日本百名山
- 郷土富士
- 利尻礼文サロベツ国立公園
- 白い恋人 - パッケージに利尻山が描かれている
外部リンク
- 国土地理院 地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名:鴛泊(天塩)
- 気象庁:利尻山
- 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 日本の第四紀火山:利尻山
- 利尻火山 産業技術総合研究所 石塚吉浩
- 利尻山登山道等維持管理連絡協議会が取りまとめた利尻ルール
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