伊平屋村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記

テンプレート:Infobox 伊平屋村(いへやそん)は沖縄県島尻郡。沖縄県の有人島としては最北端である伊平屋島を主島とし、第一尚氏王朝をひらいた尚巴志の祖父:佐銘川大主(または鮫川大主とも)の出身地であるとされる。

地理

  • 沖縄本島辺戸岬の北西約40km、与論島のほぼ真西に位置し、伊平屋島と野甫島の2島からなる。2つの島は、新野甫大橋によってつながっている。
  • 伊平屋島は北東~南西に細長く伸びた形をしており、面積20.59km²、最高地点は賀陽山(294m)で西岸は山がち。野甫島はその南方にある。
  • 伊是名村とは最短地点同士で5kmほどの距離であるが、定期便等は運行されていない。
  • ハブが多いことでも知られる。
  • 伊平屋島の名を持つ生物に以下のようなものがある。
    • イヘヤヒゲクサ・イヘヤヤマタカマイマイ・イヘヤトカゲモドキ

人口

テンプレート:人口統計

地域

テンプレート:Infobox

伊平屋島

  • 田名(だな)
  • 前泊(まえどまり)
  • 我喜屋(がきや)
  • 島尻(しまじり)

野甫島

  • 野甫(のほ)

歴史

  • 1909年(明治42年)4月1日の島嶼町村制施行により、田名村・我喜屋村・島尻村・野甫村・伊是名村・仲田村・諸見村・勢理客村が合併し島尻郡伊平屋村が成立。ただし、村政の中心である村役場は伊是名島に置かれた。[1][2]
  • 1939年(昭和14年)7月1日の分村許可司令により、伊平屋村の一部(伊是名・仲田・諸見・勢理客)が分立し伊是名村が成立。単独村政開始。

最も古い遺跡は縄文時代前期にあたる久里原貝塚で、発掘調査からヒトが継続的に生活していたことがうかがえる。

琉球王国期には、伊是名島、伊平屋島は琉球王統発祥の地として王府直轄領とされ、そのため行政区としては王府の聖域が多く存在する本島南部の島尻郡に属すことになった。これが現在も続いている。このため、南西諸島の北緯27度以北の有人島では唯一、奄美群島の本土復帰時に返還されなかった(硫黄鳥島無人島)。

2005年7月に伊是名村との新設合併による新「伊平屋村」発足を目指したが、伊是名村で合併の是非を問う住民投票の結果、反対多数となり合併を断念した。

変遷表

行政

経済

日本郵政グループ

村内の郵便番号は「905-07xx」である。集配業務は今帰仁郵便局が行っている。

  • 日本郵便 伊平屋郵便局(我喜屋) - 2013年10月現在、郵便窓口は土曜日(休日の場合を除く)も8:00~11:30に開設。なお、局内設置のゆうちょ銀行ATMはホリデーサービスは行われていない。

名所・旧跡

  • クマヤー洞窟(田名)
    • 江戸時代の考証的国学者藤井貞幹(藤貞幹)が『衝口発』(1781年)の中で日本神話天の岩戸をクマヤー洞窟、神武天皇の出生地が伊平屋島との説を唱え、本居宣長と論争となった。現在では藤井説は偽書に基づく虚構とするのが通説。ただし、「クマヤー」には琉球方言で「隠れる」という意味があり、昭和期になっても本土からこの説に関心を持つ民俗学者や神道関係者が訪れている。洞窟自体は県の天然記念物に指定され、毎年12月に岩戸開きの祭りが行われる。広さは約2000m²で2室に分かれ正面に小さな社殿が鎮座しているが、この社は本土から訪れた神道関係者が作ったとされる日本神道式のもので、現地住民の手によるものではない(琉球神道では社を尊崇しない)。
  • 屋蔵墓(我喜屋)
  • 念頭平松(田名)
  • 田名のクバ山(田名)

交通

船舶

  • 伊平屋村営

港湾

  • 前泊港
  • 野甫港

道路

医療

ごみ処理施設問題

2002年12月1日 焼却炉のダイオキシン排出基準が大幅に強化されたのに伴い、離島の町村・一部事務組合の8つの焼却炉が基準を満たせないなどの理由で11月末までに廃止している。県環境整備課によると、廃止したのは宮古清掃施設組合、伊良部、座間味、伊是名、伊平屋、粟国、渡名喜、与那国の8町村・組合。伊平屋、粟国村も来年度の導入を目指している。

2003年3月 村と施設建設(還元溶融技術研究所)の請負契約を約8億4000万円で締結。村議会でも承認され、業者は作業を開始。

2003年5月 村は施設建設の請負契約を行った業者(還元溶融技術研究所)への建築確認申請書への押印を拒否し、契約不成立を通知。村は新たに他の業者と建設契約を締結。

2005年春 新たに他の業者と建設契約した施設が完成。6月から稼働。

2005年 一度、村と施設建設の請負契約を行った四国のごみ処理施設開発業者(還元溶融技術研究所)が一方的に破棄され損害を受けたとして、村を相手に約3億2000万円の損害賠償を求めて那覇地方裁判所に民事訴訟を起こす。

2007年1月18日 四国のごみ処理施設開発業者(還元溶融技術研究所)が伊平屋村を相手に約3億2000万円の損害賠償を求めた訴訟で、西銘真助村長が17日、被告側代表として那覇地裁に出廷した。西銘村長は「双方が役場で契約を交わしたことはなく、契約は成立していない」と証言した。裁判はこの日で結審。判決は4月25日。西銘村長は「私の知らないまま、村の公印が押された契約書2通が原告業者に送られた」と、当時の担当職員=退職済み=が独断で契約書を送付したとの認識を示した。契約書が送られた背景について同村長は「よく知らない。推測だが、事務作業の遅れを危惧(きぐ)した担当者が原告業者から印鑑をもらうため送付したのではないか」と答えた。業者側は村長の指示で送ったという元職員の陳述書を提示。村長は「早い事務作業を指示したが、契約書を送れとは言っていない」と否定した。

2007年5月11日 ごみ処理施設建設をめぐる民事訴訟や前村助役の逮捕など衝撃が残る伊平屋村(西銘真助村長)で、これらの事件の真相解明と活力ある島の発展を図ろうと、村有志が集い「新生島づくい(づくり)の会」を結成。

2007年5月30日 東京のごみ処理施設開発業者(還元溶融技術研究所)が伊平屋村(西銘真助村長)を相手に、約3億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが30日、那覇地裁であった。田中健治裁判長は村側に約1億4636万円の損害賠償を命じた。

2007年6月8日 ごみ焼却炉建設工事の請負契約をめぐり那覇地裁が伊平屋村の契約不履行を認定し業者に約1億4600万円の支払いを命じた訴訟で、同村議会(名嘉正明議長)は8日、西銘真助村長が控訴の意向を示していることについて、承認した。一方、「二審判決で本村への損害賠償命令が言い渡された場合は、財政的負担行為は西銘真助村長が負う」とする異例の付帯決議も全会一致で可決した。

2007年6月14日 ごみ焼却炉建設工事の請負契約をめぐる訴訟で、業者へ約1億4600万円の支払いを命じた一審・那覇地裁判決を不服として控訴した伊平屋村の西銘真助村長は供託金7000万円を専決処分で法務局に支払った。村議会(名嘉正明議長)は6月定例議会が開会中だが、西銘村長は支払いに関する議案を提出しないまま、村の予算から全額を支出した。議員からは「定例議会には村長も出席しており、供託金の議案を出さずに専決処分をするのはおかしい」と指摘する声が上がっている。

2007年6月15日 ごみ処理焼却施設の請負契約をめぐる訴訟で、業者への損害賠償約1億4636万円の支払いを命じた那覇地裁判決を不服として控訴した伊平屋村(西銘真助村長)が、基金を差し押さえられる仮処分を受けていたことが、15日までに分かった。13日から定期口座十数件が差し押さえられ、財政調整基金など約4000円が凍結されているという。西銘村長は口座差し押さえを受け、14日午後、仮執行を止めるため供託金7000万円を法務局に支払ったが、仮執行解除の通知は届いていない。供託金は2007年度予算の中から捻出(ねんしゅつ)したという。供託金支払いについて、西銘村長は「緊急を要する」として、議会に諮らず対応。だが、供託金を支払った14日は村議会6月定例会最終日で、村議からは「供託金の議案を提出しないのはおかしい」と指摘する声が上がり、15日、臨時議会が招集された。西銘村長は当初、専決処分で支払えるとの見解を示していたが、議会で「専決処分に該当しない」と陳謝。支払いの法的根拠をめぐって協議したが、結論に至らず流会。再度議会を招集し、審議する。

2007年6月22日 伊平屋村議会(名嘉正明議長)は22日午後、臨時議会を開き、西銘真助村長の辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はない。  決議は、ごみ処理焼却施設の請負契約をめぐる訴訟で、村が損害賠償請求約1億4600万円の支払いを命じられた那覇地裁判決を不服として控訴した際、西銘村長が仮執行を止めるための供託金7000万円を、議会を通さずに専決処分で2007年度予算から捻出(ねんしゅつ)したことへの抗議。

2008年4月16日 伊平屋村で計画されていたごみ焼却炉建設工事の請負契約をめぐり、村側から一方的に契約を打ち切られたとして、東京都の研究開発業者が同村に契約不履行に基づく損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高等裁判所那覇支部(河邉義典裁判長)は15日、伊平屋村に約1億4600万円の支払いを命じた一審・那覇地裁判決を全面的に支持し、村側の控訴を棄却した。

2008年4月21日 伊平屋村臨時議会(名嘉正明議長)が開かれ、西銘真助村長が提案した焼却炉訴訟に関する上告受理申立書の提起、訴訟費用に充てる約5600円の補正予算案のいずれも、賛成少数(三対四)で否決した。西銘村長は「最高裁の判断を仰ぎたかったが残念。議決は受け入れざるを得ない。上告はしない」と話し、庁議で今後の対応を検討するとした。また同村議会が2007年6月の同議会で可決した「二審判決で本村への損害賠償命令が言い渡された場合は、財政的負担行為は村長が負う」の付帯決議について責任を明確にするよう求めていた件で、西銘村長は「重く受け止める。責任を全うする」と回答した。

2008年5月1日 ごみ処理施設の建設請負契約をめぐる訴訟で、還元溶融技術研究所(東京)への損害賠償約1億4636万円の支払いを命じた控訴審判決を不服として上告した伊平屋村(西銘真助村長)が、複数の定期口座を差し押さえられる仮執行を受けていることが4月30日までに分かった。同村によると、凍結されている額は約9000万円で、現在のところ財務への影響は出ていない。22日付の仮執行通知を30日までに受け取った同村は、3500万円の供託金を法務局に支払い、仮執行の差し止めを申請。30日午後、福岡高裁那覇支部から取消決定を受けた。口座の凍結は5月1日以降、解除される見込み。

2008年5月17日 ごみ処理施設建設に関する訴訟を抱える伊平屋村(西銘真助村長)が、東京の業者から2005年に提訴されて以来、初の村民説明会を開催した。会場の村離島振興総合センターには約120人の村民が詰め掛け、質疑応答では、村長の責任追及や事実確認で議論が紛糾し、会場が騒然とする場面も見られた。

2008年6月6日 伊平屋島を訪れる人から一律100円徴収する「環境協力税」を進めている伊平屋村(西銘真助村長)は、増田寛也総務相の同意を得たと発表した。7月1日から徴税を実施する。名護市の北部会館で西銘村長は「環境協力税を通して島を訪れる人に環境への意識を高めたい」と語った。同税導入は伊是名村に続いて全国2例目。

その他問題

2006年6月9日 沖縄県警捜査二課は9日、同県伊平屋村がごみ収集車を購入する際に水増しした代金を支払わせたとして、背任容疑で元助役を再逮捕した。調べでは、元助役は2000年11月ごろ、村がごみ収集車を購入する際、自動車販売店に正規の約600万円に約110万円を上乗せした虚偽の代金を請求させ、村の公金をだまし取った疑い。元助役は上乗せ分の約110万円を、自動車販売店から口座に振り込ませていた。「車の買い替えの金に使った」と話しているという。

2007年9月8日 県企画部が7日までにまとめた2006年度の県内市町村の実質公債費比率の算定結果(速報値)によると、座間味村が30.7%と最も悪く、伊平屋村の29.3%とともに、引き続き地方債の発行に一定の制限を受ける25%以上となっている。実質公債費比率が18%を超えると、許可団体として公債費負担適正化計画を策定する。25%を超えると一般補助事業など一定の事業について、地方債の発行が認められなくなる。さらに35%を超えると災害関連の事業を除き、これ以上の起債ができなくなる。

2007年10月7日 今年3月に伊平屋村の村長公用車1台を処分する際、競売にかけずに西銘真助村長本人に払い下げていたことが、6日までに明らかになった。ある村議によると、西銘村長は3月に業者の査定を受け、13万円で車両を購入したことを9月の村議会定例会で報告。議員からは「手続きが不透明だ」と批判の声が上がっていた。西銘村長は6日、普段使用している携帯電話に出ず、連絡が取れない状態になっている。

脚注・出典

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Navbox

テンプレート:沖縄諸島
  1. 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』、角川書店、1986年 ISBN 4040014707より
  2. 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
  3. 離島MESHランデブーポイント NPO法人MESHサポート2011年9月27日現在