ダチア・ロガン
ダチア・ロガン (Dacia Logan) は、ルーマニアの自動車製造会社、ダチアが製造する小型自動車。親会社のルノーの世界戦略車であり、地域によってはルノーブランドで販売される。
目次
歴史
初代(2004-2012年)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2004年発表。1998年にダチアを傘下に収めたフランスのルノーによって1999年から「プロジェクトX90」として開発が進められた。X90のプロジェクトマネージャーは後にルノーサムスン自動車のCEOなどを歴任するジャン・マリー・ウ(ェ)ルティジェ (:Jean Marie Hurtiger) である。当初はルーマニアの低賃金と高い生産技術を両立させることで5000ユーロで販売することを目標に開発されたものの、実際販売された際は諸般の事情により6000ユーロからになった。低価格ながらルノーの最新技術が反映されており、ルノーと日産の共同開発によるアライアンス・BプラットフォームをベースとしたB0プラットフォーム採用し、エンジン、ギアボックス、内装など、他のルノー車のパーツを50%程度流用することでコストの低減を図っている。
エンジンは当初2種類の直4ガソリンエンジン(1.4リットルと1.6リットル)が用意され、2006年3月には1.5リットルの直4コモンレールディーゼルエンジン(1.5DCi 9840ユーロから)も追加された。
ボディタイプは当初は4ドアセダンのみの設定だったが、後にステーションワゴン(ロガンMCV)とバン、ピックアップ、ハッチバックの派生車種(サンデロ)も追加された(後述)。
2008年7月にはフェイスリフトが行なわれ、新デザインのグリルが与えられた。
- Dacia Logan Facelift front - PSM 2009.jpg
後期型(フロント)
- Dacia Logan Facelift rear - PSM 2009.jpg
後期型(リア)
- Renault Logan interior 2007 Curitiba.jpg
インテリア(ルノー版)
ロガンMCV
先行コンセプト「ロガン・ステップ」 (Logan Steppe) が2006年3月のジュネーヴモーターショーで、市販モデルが同年9月のパリサロンで公開され、同年10月からルーマニア国内で発売が開始された。MCVはMulti Convivial Vehicleの略である。セダンと比較して全長が200mm、全高が115mm、ホイールベースが270mm大きく、2列シート5人乗り仕様の他に3列シート7人乗り仕様も用意される。エンジンはセダンと同じである。
また2007年1月にはロガンMCVをパネルバン化したロガン・バンも発売された。 テンプレート:-
ロガンピックアップ
2008年3月にルーマニアで発売された、ロガンベースのピックアップトラックである。2008年中にブルガリアおよびトルコで発売され、2008年10月には、1400バッキーの後継として南アフリカ市場に日産ブランドのNP200として販売開始。
世界各国での展開
ダチアの生産分については現在東欧諸国および、フランス(タヒチやニューカレドニアなどの海外県も含む)、ドイツ、スペインなどの西欧諸国へ輸出されている。また、親会社のルノーもロシアのアフトフラモス、コロンビアのソファサ (SOFASA)、モロッコのカサブランカ工場(以上、2005年から生産開始)、ブラジルのクリチバ工場(2007年より。アルゼンチンなどにも輸出)で生産を行っている。ルノーの生産分についてはルノーブランド車として販売が行われている。
メキシコでは日産自動車が2007年7月からブラジル産ロガンのOEM供給を受けて、「アプリオ」の車名で販売していたが、2010年8月に販売を中止した[1]。
イランでは2007年5月からイラン・ホドロによって「ルノー・トンダル90」 (Renault Tondar 90) として製造・販売されている。
- Renault Logan 2007 Curitiba.jpg
ルノー・ロガン前期型(ブラジル仕様)
- RenaultLoganEC.jpg
ルノー・ロガン後期型(エクアドル仕様)
- Nissan Aprio 01.jpg
日産・アプリオ(フロント)
- Nissan Aprio 02.jpg
日産・アプリオ(リア)
マヒンドラ・ベリート
インドではマヒンドラ&マヒンドラとの合弁会社「マヒンドラ・ルノー」によって、ロガン初の右ハンドル車が2007年7月に投入された。エンジンは1.4Lガソリンと1.5Lディーゼルの2種類。しかしながら販売は振るわず、2010年に合弁は解消された。マヒンドラはインド国内におけるロガン展開の権利を引き続き有するものの、ルノーのブランドおよびロゴの使用は同年までに限定され、さらに1年半後には車名の変更も義務付けられることとなった[2]。2011年4月26日、マヒンドラ版ロガンが「ベリート」 (Verito) の車名で発表された[3]。ベリートは翌2012年7月26日にフェイスリフトが行われ、内外装の上質化が図られている[4]。
2013年6月5日、マヒンドラはベリートの派生モデル「ベリートバイブ」(Verito Vibe) を発売した[5][6]。全長を税制上有利な4m未満に縮めてハッチバック風のスタイリングを持たせたノッチバック車である。トランクスペースは330リットル確保している。エンジンは1.5L dCiのみとなる。 テンプレート:-
ラーダ・ラルグス
ロシアではまた、アフトヴァースとルノー-日産アライアンスによる最初の大型共同開発プロジェクトして、ロガンMCVをベースとするラーダブランドの新車種の開発が行われた。2010年のモスクワ国際モーターショーに「プロジェクトR90」コンセプトとして出品され[7]、その市販モデルとなる「ラルグス」 (Largus) は2012年4月4日にトリヤッチ工場にてロシア首相ウラジーミル・プーチンの立ち会いのもとで生産が開始された[8][9]。ラルグスはR90ワゴン(5人乗りと7人乗り)とF90カーゴバン(2人乗り)の2種類が用意される[10]。 テンプレート:-
2代目(2013年- )
2012年のモンディアル・ド・ロトモビルでワールドプレミア後、2013年のジュネーブモーターショーでも披露され、その後発売を開始。ワゴン版のロガンMCVとハッチバック版のサンデロも同時にフルモデルチェンジを受けた。いずれも外観は一新されるも、メカニズムの多くを初代からのキャリーオーバーとすることで初代同様、他車ライバルを大きく引き離す低価格をウリとしている。 テンプレート:-