クチナシ
テンプレート:生物分類表 クチナシ(梔子、巵子、支子、学名: テンプレート:Snamei)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木である。野生では森林の低木として自生するが、むしろ園芸用として栽培されることが多い。果実が漢方薬の原料(山梔子)となることをはじめ、様々な利用がある。
果実が熟しても割れないため、「口無し」という和名の由来となっている説もある。他にはクチナワナシ(クチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木、つまりヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味)からクチナシに変化したという説もある。
形態・生態
樹高1-3 mほどの低木。
葉は対生で、時に三輪生となり、長楕円形、時にやや倒卵形を帯び、長さ5-12 cm、表面に強いつやがある。筒状の托葉をもつ。
花期は6-7月で、葉腋から短い柄を出し、一個ずつ花を咲かせる。花弁は基部が筒状で、先は大きく6弁に分かれ、開花当初は白色だが、徐々に黄色に変わっていく。花には強い芳香があり、学名の種名 テンプレート:Snamei は「ジャスミンのような」という意味がある。
10-11月ごろに赤黄色の果実をつける。果実の先端に萼片のなごりが6本、針状についていることが特徴である。また、側面にははっきりした稜が突き出る。
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八重咲きの花
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熟した果実のついた樹(2009年11月撮影)
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イワカワシジミの食痕がある果実(2008年12月撮影)
スズメガに典型的な尻尾(尾角)をもつイモムシがつくが、これはオオスカシバの幼虫である[1]。奄美大島以南の南西諸島に分布するイワカワシジミ(シジミチョウ科)の幼虫は、クチナシのつぼみや果実等を餌とする[2]。クチナシの果実に穴が開いていることがあるが、これはイワカワシジミの幼虫が中に生息している、または生息していた跡である。
分布
東アジア(中国、台湾、インドシナ半島等)に広く分布し、日本では本州の静岡県以西、四国、九州、南西諸島の森林に自生する。
人間との関わり
人家周辺に栽培されることが多い。ただし、クチナシを植えるとアリが来るといって敬遠する例もある。品種改良によりバラのような八重咲きの品種も作り出されている。
果実にはカロチノイドの一種・クロシンが含まれ、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられた。発酵させることによって青色の着色料にもなる。これは繊維を染める他、食品にも用いられ、サツマイモや栗、和菓子、たくあんなどを黄色に染めるのに用いられる。大分県の郷土料理・黄飯の色づけにも用いられる。クロシンはサフランの色素の成分でもある。
果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、日本薬局方にも収録された生薬の一つである。煎じて黄疸などに用いられる。黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、温清飲、五淋散などの漢方方剤に使われる。
花言葉は、幸せを運ぶ 清潔 私は幸せ 胸に秘めた愛。
黒人ジャズ歌手のビリー・ホリデイはしばしば、クチナシの花を髪に飾って舞台に立った。
クチナシ属
テンプレート:Sister テンプレート:Sister クチナシ属(クチナシぞく、学名: テンプレート:Snamei)は、アカネ科の属の一つ。
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- オガサワラクチナシ テンプレート:Snamei
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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