ウルムチ市
テンプレート:基礎情報 中国の都市 烏魯木斉市(ウルムチし、中国語:烏魯木齊市、ウイグル語・英語:Ürümqi)は、新疆ウイグル自治区に位置する地級市、自治区首府。自治区人民政府が設置される中国西部最大の都市である。市区人口は135万人、都市圏人口は183万人。
言語・文化・経済の面などにおいて、中国の東部よりもタシュケントのようなはるか西方の各地とより強く結びついている。
目次
歴史
ウルムチは、天山山脈北麓のジュンガル盆地東南縁に位置する。乾隆帝によるジュンガル部親征を経て、18世紀後半に城壁が設けられ、迪化城(反抗者を教導するという意味が込められている)と名付けられた。古くから周辺の遊牧民族と漢民族による領土の奪い合いが行われてきた。清朝光緒帝の1880年代に新疆省が設置されると、迪化は同省の省都となった。
ウルムチという言葉はジュンガル部の言葉で「美しい牧場」を意味するが(「ブドウの森」を意味するサンスクリット語である irumujina がウイグル語流に転訛したものと説く見解もあるテンプレート:要出典。)、これが1955年の新疆ウイグル自治区の成立に伴って正式な市名となった。大都市であるが、四方のどの海からも2,300km以上離れているため、「海から最も遠い都市」などとも呼ばれる。
地理
市の南側には天山山脈が連なっている。世界で最も海から遠い都市とされていて、最も近い海岸線までの距離は2,500kmにもなる。
気候
標高919mの高原に位置し、内陸性気候の特色が強く出ている。ケッペンの気候区分によるとステップ気候に属し、年間を通して非常に乾燥し雨はほとんど降らない。7月の平均気温は24.2度、日中の気温は30度以上まで上がり非常に暑くなるが、乾燥しているため汗はかかない。また、朝晩は涼しくなり過ごしやすい。1月の平均気温は-12.4度と非常に寒く、-30℃以下まで下がることもある。雪は少ししか降らないが、一旦降ると、なかなか溶けない。年平均気温は7.2度、年降水量は258.3mmである。 テンプレート:Climate chart
行政区画
7市轄区、1県を管轄する。
年表
迪化市
迪化専区
- 1949年10月1日 - 中華人民共和国新疆省迪化専区が成立。迪化県・阜康県・綏来県・モリ(木塁)河県・乾徳県・ピチャン県・奇台県・昌吉県・トルファン県・孚遠県・景化県・トクスン県が発足。(12県)
- 1953年11月20日 (12県)
- 1954年2月1日 - 迪化専区がウルムチ専区に改称。
新疆省ウルムチ市
- 1955年9月13日 - 新疆ウイグル自治区の成立により、新疆ウイグル自治区ウルムチ市となる。
新疆省ウルムチ専区
- 1954年3月16日 - ウルムチ県・米泉県・昌吉県が昌吉回族自治州に編入。(9県)
- 1954年7月17日 - モリ河県が自治県に移行し、モリ・カザフ自治県となる。(8県1自治県)
- 1955年9月13日 - 新疆ウイグル自治区の成立により、新疆ウイグル自治区ウルムチ専区となる。
新疆ウイグル自治区ウルムチ市
- 1959年11月9日 - 天山区・サイバグ区・新市区・水磨溝区・頭屯河区を設置。(5区1県)
- 1970年11月25日 (6区3県)
- トルファン県・トクスン県を編入。
- バインゴリン・モンゴル自治州和静県の一部が分立し、南山区が発足。
- 1975年1月30日 - トルファン県・トクスン県がトルファン地区に編入。(6区1県)
- 1987年11月27日 (7区1県)
- 1999年8月10日 - 南山鉱区が南泉区に改称。(7区1県)
- 2001年1月13日 (7区1県)
- ウルムチ県の一部が天山区・新市区・サイバグ区・頭屯河区・水磨溝区・東山区に分割編入。
- 東山区の一部が水磨溝区に編入。
- 2002年3月9日 - 南泉区および天山区・ウルムチ県の各一部が合併し、達坂城区が発足。(7区1県)
- 2007年6月30日 - 東山区が昌吉回族自治州米泉市と合併し、米東区が発足。(7区1県)
- 2011年3月 - ウルムチ県の一部が新市区に編入。(7区1県)
新疆ウイグル自治区ウルムチ専区
- 1958年4月28日
- トルファン県・トクスン県・ピチャン県が自治区直轄県級行政区となる。
- 奇台県・阜康県・マナス県・ジムサル県・フトビ県・モリカザフ自治県が昌吉回族自治州に編入。
交通
ウルムチは自治区内の道路網の拠点の一つであり、G216国道、G312国道、G314国道の3本の国道が接続する。また、ウルムチ駅には、蘭州方面を経由する、北京西駅や上海駅からの長距離旅客列車(特快=特急列車。いずれも寝台車や食堂車などを連結)が毎日発着するほか、アラタウ峠(阿拉山口駅)を経てカザフスタンの最大都市であるアルマトイに行く国際列車が週2本発着している。さらに、ウルムチ地窩堡国際空港には、北京、成都、西安、カシュガルなどの都市との間に毎日定期便が運航されている。
地下鉄
ウルムチ市では現在地下鉄が建設されており、1号線が2016年末に開通予定である。[1]
スポーツ
プロバスケットボールチーム新疆フライングタイガースの本拠地である。中国プロバスケットボールリーグに所属している。
また、2006年に新疆ウイグル自治区最初のサッカークラブ(zh:新疆体彩足球俱乐部)が創設され、中国リーグ乙級(3部相当)に所属していたが、2009年に解散した。
観光名所
- 新疆ウイグル自治区博物館:ウルムチ市西北路。自治区最大の博物館。楼蘭の美女(女性のミイラ)の展示で有名。
- 紅山公園:市中心部の山。公園の中に清の時代の政治家(林則徐)の像や古廟群などがある。
- 市内各所のバザール
- 天池:ウルムチから東北へ100km余り、ボゴダ峰の中腹。絶景の避暑地として知られる。