デサント
テンプレート:Infobox 株式会社デサント(英文社名:DESCENTE, Ltd.)は、大阪市天王寺区に本社を置くスポーツウェアの専門メーカーである。
概要
1935年、創業者の石本他家男が「石本商店」を創業[1]。1953年には綿布に防縮加工を施した野球用ユニフォームやトレーニングパンツを開発する。
その後1961年にブランド名のデサントを正式な社名に採用。1964年にはワンポイントロゴを入れるきっかけ作りとなったゴルフウェア「マンシングウェア」を皮切りに「アディダス」、全米体育協会公認ウェア「NCAA」、ドイツの「arena」、イタリアの「FILA」などの世界一流スポーツブランドの日本での総販売代理店として現地からの輸入・提携を実施[2]。現在は自社ブランド(デサント)のほか、ルコック[3]、ミラ・ショーン、アンブロ、ノーティカ、ランバンスポート、カルバンクライン ゴルフなど[4]のブランドの日本販売元となっている。
スポーツウェアの大手メーカーの1社であり、ゴルフウェア、陸上競技用ウェア、サッカー用ウェア、競泳用水着、アルペンスキー用ウェアなどで有力なブランドを持つ。日本国内の他、中国・韓国、北米に進出している。スポーツウェアの他、介護・医療分野の製品開発も進めている。
その他にもスポーツ関連のイベントとして1978年には日本で初めてのアマチュアスポーツの冠トーナメント「8カ国対抗・デサント陸上大会」を開催したことでも知られる。現在も陸上競技の「デサントTC」、サッカーのJFLへの協賛(アンブロブランドで)、ゴルフの男子ツアー「マンシングウェアオープン KSBカップ」、女子の「マンシングウェアレディース・東海クラシック」のスポンサーなどを行っている。
「アリーナ (arena)」は主に水泳用品のブランドとして知られている。元々はアディダスの傘下にあった会社だったが、アディダスが自社で(アディダスジャパン)日本国内の事業を展開するにあたり、その代償措置として、デサントが「アリーナ」のアジア・太平洋地域における事業権を獲得した。また、アテネ五輪水泳金メダリストの柴田亜衣が、デサントの社員となっており、世界のトップスイマーによって構成される「チーム・アリーナ」の一員に加わっている。2009年4月に行われた競泳日本選手権では、日本新記録が20個という驚異的な数が生み出された。そのうち13個がデサント製の水着を着用されて樹立されたものである。
アルペンスキー用ウェアに関しては1954年に進出。欧州ブランドが主流の市場であったが、1956年コルティナダンペッツォオリンピックで猪谷千春が回転で銀メダルを獲得したことからスキーブームが起き[5]、それに後押しされたことや内外の一流選手に着用してもらってアドバイスを受けたことなどから、国産ウェアの開発が進み[6]、現在ではスイス、スペイン、韓国のナショナルチームのウェアを供給している。 また、アルペンスキー用ウェアの技術をスピードスケート用ウェアに応用。1980年レークプラシッドオリンピックでの5冠王エリック・ハイデンの着用により、一躍注目された[7]。1984年からカナダスピードスケートナショナルチームのウェアを供給している。
現在の企業スローガン「カラダ動く、ココロ動く」は、王貞治の筆によるものである。
バンクーバーオリンピックの日本選手団公式スポーツウェアを手がけた。
2011年12月30日(金) 永久契約を結んでいたプロゴルファー杉原輝雄の葬儀の際に担当者が東京から足を運び来季契約書を遺族に手渡した。粋な計らいでファンを感動させた。
沿革
- 1935年(昭和10年)2月 - 石本他家男により、個人事業の石本商店を創業
- 1958年(昭和33年)2月 - 株式会社石本商店を設立
- 1961年(昭和36年)9月 - 社名を株式会社デサントに変更
- 1974年(昭和49年)8月 - デサント商事株式会社と合併
- 1977年(昭和52年)3月 - 大阪証券取引所第2部に株式上場
- 1980年(昭和55年)1月 - 大阪証券取引所第1部に指定替え
- 1980年(昭和55年)3月 - 東京証券取引所第1部に株式上場
社名の由来
- 社名の「デサント」は、フランス語の「descente=滑降」に由来する。スキーウェア開発のアドバイザーだった日本初のプロスキーヤー西村一良のスキースクール『デサントスキースクール』から名前をもらったことから[5]。マークの「3本の下向きの矢」はスキーの基本滑降である「直滑降・斜滑降・横滑り」を表している。
野球ユニフォーム
1960年代から野球のユニフォーム製作において様々な技術革新と斬新なデザイン、カラーリングを実施。1980年代には阪急ブレーブス(ミズノ製)を除く11球団でユニフォーム製作に携わった。2013年現在は東北楽天ゴールデンイーグルス、千葉ロッテマリーンズ、横浜DeNAベイスターズ、広島東洋カープ(ビジター用)[9]のNPB4球団に加え、韓国の三星ライオンズのユニフォームも手がける。
- 1968年 - デサント初のユニフォーム制作。日本初のニット製ユニフォームが誕生。これまでの綿、ウールと違い、伸縮性、耐久性があり、また様々な色を染色が出来るのが強み。中日ドラゴンズが赤色を基調にしたノースリーブユニフォームを日本球界で初めて採用。
- 1969年 - ダブルニット製ユニフォームが誕生し、従来のニット製ユニフォームより伸縮性に富む、中日ドラゴンズが採用し、ビジターの地色に初めてスカイブルーを採用。
- 1973年 - 日拓ホームフライヤーズにて「七色のユニフォーム」と呼ばれた7種類の色々なカラーリング、デザインを後期期間のみ採用。またロッテオリオンズにて肩、脇腹、袖、パンツにラインを縫製ではなく、生地にはめ込んだユニフォームを製作。
- 1975年 - 読売ジャイアンツが2006年までの31年間に渡りサプライヤー契約を結ぶ。
- 1976年 - ワインピンク地で、アメフトを意識した胸番号だけのユニフォームを太平洋クラブライオンズが採用。
- 1977年 - 世界初のメッシュ地の上着を近鉄バファローズ、大洋ホエールズが採用。湿気の多い日本では通気性の良さが適し、さらにニットに比べ格段に軽い為、現在ではメッシュ地が主流となっている。またメジャーリーグでも採用され、ピッツバーグ・パイレーツのユニフォームを製作。
- 1978年 - メッシュ地にストライプを施したユニフォームを阪神タイガースのホーム用、ヤクルトスワローズにて採用。
- 1979年 - 西武ライオンズが2002年までサプライヤー契約。当時としては斬新だった上下ブルーのビジター用ユニフォームを製作。
- 1980年 - ボルチモア・オリオールズのユニフォームを製作。
- 1982年 - レインボーカラーと呼ばれたヒューストン・アストロズのモデルに倣ったフロントパネルデザインを起用した日本ハムファイターズのユニフォームを製作。
- 1990年 - 二種類の異なる織柄を組み合わせ、光の当り具合で縦縞に見えるシャドウ・ストライブをヤクルトスワローズのビジター用にて採用。
- 2000年 - 従来のメッシュ地に代わり、リブメッシュと呼ばれる縞状のメッシュの上着を読売ジャイアンツ、阪神タイガース(ビジター用のみ)が他球団に先駆けて採用。
- 2003年 - ストライプを編みこむことが困難であった為、縦縞のユニフォームではリブメッシュの上着を採用することが出来なかったが、ストライプをプリントにすることで、横浜ベイスターズ、阪神タイガースのホーム用がリブメッシュの採用実現。
- 2005年 - 肩、脇腹のカットラインが特殊なものを東北楽天ゴールデンイーグルスのビジター用で採用。
- 2008年 - 千葉ロッテマリーンズとサプライヤー契約。ビジター用で上から下に向けて色が薄くなっていくグラデーションデザインを採用、また阪神タイガースの交流戦モデルにて、軽量化の極限を目指し、ストライプ、胸ロゴ、背番号等全てのマーキングを従来の刺繍に代え、昇華プリントにしたものを製作。
事業所
東京オフィス | - | 〒171-8580 東京都豊島区目白1-4-8 |
大阪オフィス | - | 〒543-8921 大阪市天王寺区堂ケ芝1-11-3 |
札幌支店 | - | 〒063-0803 札幌市西区二十四軒3条4-1 |
仙台支店 | - | 〒984-0042 仙台市若林区大和町4-24-21 |
名古屋支店 | - | 〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-14-32 丸の内三丁目ビル6F |
広島支店 | - | 〒732-0824 広島市南区的場町1-2-21 広島第一生命OSビルディング1F |
福岡支店 | - | 〒812-0018 福岡県福岡市博多区住吉3-1-1 富士フイルム福岡ビル7階〒812-0018 |
関係会社
- 連結子会社
- デサントアパレル
- ベンゼネラル
- デサントノースアメリカInc.
- 韓国デサント
- 北京迪桑特有限公司
- 上海迪桑特貿易有限公司
- 上海迪桑特商業有限公司
- 上海マンシングウェアゴルフクラブ有限公司
- 香港迪桑特貿易有限公司
- 関連会社
- 寧波ルコック服飾有限公司
脚注
外部リンク
テンプレート:Asbox- ↑ 法人組織は1958年設立。
- ↑ その後、アディダス・NCAA・フィラについては、日本法人設立や他社への譲渡などにより、事業から撤退した。
- ↑ ブランド公式では野外用・看護用とゴルフ用に区分されている(※会社公式トップ参照)。
- ↑ その他、「A-SEVEN」「シセイスト」「スキンズ」「カッター&バック.」「マーモット」「inov8」(コラボブランドとして)「バボラット」「AVIA」「RYKA」の各海外ブランドを取り扱う。
- ↑ 5.0 5.1 朝日新聞土曜be 2010年3月13日
- ↑ デサント開発の歴史:デサントの始まり ラウスビージャケット
- ↑ デサント開発の歴史:カナダスケートの歴史
- ↑ かつて資本提携関係にあったところを経営難に陥ったため、同社が支援を要請したことによる。
- ↑ ホーム用はミズノ。