大沼保昭

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テンプレート:Infobox 学者 大沼 保昭(おおぬま やすあき、1946年昭和21年〉3月8日 - )は、日本法学者明治大学法学部特任教授東京大学名誉教授。専門は国際法学

人物

山形県山形市出身。1946年3月8日、寿虎屋酒造9代目社長大沼勘四郎の次男として誕生する。

1968年国家公務員採用上級甲種試験(法律)合格司法試験第二次試験合格。1969年東京大学法学部公法コース卒業1970年、東京大学法学部政治コース卒業。同大学法学部助手助教授を経て、1984年教授に就任(1991年より同大学院法学政治学研究科教授)。

1987年、論文「歴史と文明のなかの経済摩擦」および「経済摩擦の歴史的定位」で第8回石橋湛山賞を受賞。1999年博士(法学)号を取得(東京大学、学位論文「人権、国家、文明:普遍主義的人権観から文際的人権観へ」)。

2009年3月に東京大学を定年退職し、同年4月より明治大学法学部特任教授に就任。戦争責任問題の追及でも知られているが、日本国憲法第9条に関しては改正容認の立場を取るなど従来の左派勢力とは立場を異にしている。また、「アジア女性基金」理事としての活動を通じて、「韓国社会の反日さえやっていればいいという体質」に絶望感を感じ、「アジア女性基金」は日韓関係の改善に役立たないことを予想している[1]

著書

単著

  • 『戦争責任論序説――「平和に対する罪」の形成過程におけるイデオロギー性と拘束性』(東京大学出版会、1975年)
  • 『ドリアンの国、ロームシャの影――東南アジアを旅して考える』(リブロポート、1985年)
  • 『東京裁判から戦後責任の思想へ』(有信堂高文社、1985年/増補版、1987年/第三版、1993年/第四版、1997年)
  • 『単一民族社会の神話を超えて――在日韓国・朝鮮人と出入国管理体制』(東信堂、1986年)
  • 『倭国と極東のあいだ――歴史と文明のなかの「国際化」』(中央公論社、1988年)
  • 『サハリン棄民――戦後責任の点景』(中公新書、1992年)
  • 『人権、国家、文明――普遍主義的人権観から文際的人権観へ』(筑摩書房、1998年)
  • 『在日韓国・朝鮮人の国籍と人権』(東信堂、2004年)
  • 『国際法――はじめて学ぶ人のための』(東信堂、2005年)
  • 『東京裁判、戦争責任、戦後責任』(『東京裁判から戦後責任の思想へ』の改題、東信堂、2007年)
  • 『「慰安婦」問題とは何だったのか――メディア・NGO・政府の功罪』(中公新書、2007年)

編著

  • 『国際法、国際連合と日本――高野雄一先生古稀記念論文集』(弘文堂、1987年)
  • 『戦争と平和の法――フーゴー・グロティウスにおける戦争、平和、正義』(東信堂、1987年)
  • 『国際化――美しい誤解が生む成果』(東信堂, 1990年)
  • A Normative Approach to War: Peace, War, and Justice in Hugo Grotius, (Clarendon Press、1993)
  • 『資料で読み解く国際法』(東信堂、1996年/増補版上下巻、2002年)
  • 『東亜の構想――21世紀東アジアの規範秩序を求めて』(筑摩書房、2000年)
  • 『国際社会における法と力』(日本評論社、2008年)
  • A Transcivilizational Perspective on International Law: Questioning Prevalent Cognitive Frameworks in the Emerging Multi-Polar and Multi-Civilizational World of the Twenty-first Century, (Martinus Nijhoff、2010)
  • 『21世紀の国際法――多極化する世界と法の力』(日本評論社、2011年)

共編著

記念論集

  • 『国際法学の地平――歴史、理論、実証:大沼保昭先生記念論集』(中川淳司寺谷広司編、東信堂、2008年)

親族

脚注

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  1. アジア女性基金 アジア基金と私たち(P30)

参考資料

  • 『大沼保吉翁回想録』 1963年6月 後藤嘉一(編著) 大沼保吉翁回想録編纂委員会(出版)

外部リンク

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