地名接尾辞
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地名接尾辞(ちめいせつびじ)は接尾辞の一種で、単語のあとにつけることで場所や場所の性質を表す機能を持つ。
目次
地名接尾辞の例
-ia
- ラテン語の形容詞語尾
- トランシルヴァニア (Transylvania):ラテン語で「横切る」を意味する trans- と、「森」を意味する silva に -iaがついたもの。
- オセアニア (Oceania):ocean+iaで、「大洋州」のこと。
この接尾辞は広く用いられており、アジア (Asia) ・ユーラシア (Eurasia)・ポリネシア (Polynesia) ・ミクロネシア (Micronesia) ・ロシア (Russia) ・ルーマニア (Rumania) ・リベリア (Liberia) ・スロバキア (Slovakia) ・スロヴェニア (Slovenia) ・グルジア (Georgia) ・カリフォルニア (California) などの地名に見られる。
イタリア(Italia)も同様だが、州名においても多くの州がこの接尾辞を用いる。 また、-niaから変化した-gnaという接尾辞も使用する。 さらにイタリア語では他国を呼ぶ名称は-iaを付けることが多い。フランス(Francia)、ドイツ(Germania)、トルコ(Turchia)、スウェーデン(Svezia)、ノルウェー(Norvegia)、フィンランド(Finlandia)、ポーランド(Polonia)など。
-sk
- スラヴ語の形容詞語尾(英語の-shなどと同源)。
他にハバロフスク(Khabarovsk、ロシア)、グダンスク(Gdańsk、 ポーランド)など。
-na
- ウクライナ (Ukraina):ウクライナ語で「終わり、縁」を意味する krai に、地名接頭辞の u- と地名接尾辞の -na がついたもの。なお、krainaで「国」という意味。「縁」で囲われたもののこと。
-stan
このほか、中央アジアの国の名に、キルギスタン (Kirgistan) ・パキスタン (Pakistan) ・ウズベキスタン (Uzbekistan) ・カザフスタン (Kazakhstan) ・トルクメニスタン (Turkmenistan) などの例がある。 スターン (地名)も参照のこと。
-abad
- 「〜の街・場所」を意味するペルシア語。「……に満たされた」ととることもある。
- ハイデラバード(Haidarabad、インド)、ジャラーラーバード(Jalalabad、アフガニスタン)、イスラマバード(Islamabad、パキスタン)
-berg
-burg
- ドイツ語で Burg は城砦(要塞としての機能を備えた中世の城)、避難所(保護者)を意味し、-burg は、ドイツ語・オランダ語・アフリカーンス語で城主の管区を意味する接尾辞である。英語の -burgh ・フランス語の -bourg も同様。
- ヨハネスブルグ(Johanesburg、南アフリカ)、フライブルク(Freiburg、ドイツ)、ティルバーグ(Tilburg、オランダ)、ピッツバーグ(Pitsburgh、アメリカ合衆国ペンシルベニア州)、エディンバラ(Edinburgh、スコットランド)、サンクトペテルブルク(Sankt-Peterburg、ロシア)、ストラスブール(Strasbourg、フランス)
-bad
-polis
- -polis (-πολις)はギリシア語で都市の意味。 都市を意味する接尾辞として命名の際しばしば用いられる。地名ではないが、メトロポリス (metropolis)・メガロポリス (megalopolis) などの語も同様の意味で「ポリス」を含んでいる。
- ミネアポリス(Minneapolis、アメリカ合衆国ミネソタ州)、インディアナポリス(Indianapolis、同インディアナ州)、アナポリス(Anapolis、同メリーランド州)
-ton
- -ton は英語で町(town)を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。town と語源は同じ。
- アーリントン(Arlington、アメリカ合衆国バージニア州)、リトルトン(Littleton、同メーン州など)
-ville
- -ville はフランス語で都市の意味。英語の村(village)と語源を同じくする。英語・フランス語で都市を意味する接尾辞としてしばしば用いられる。
- アルベールヴィル(Albertville、フランス)、マーティンズヴィル(Martinsville、アメリカ合衆国バージニア州)、ブラザヴィル(Brazzaville、コンゴ共和国)