岩井克人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岩井 克人(いわい かつひと、1947年2月13日 - )は、日本の経済学者。東京大学経済学部名誉教授。国際基督教大学客員教授、武蔵野大学特任教授、東京財団上席研究員、日本学術会議会員。
人物
「東大48年三羽烏」の一人(あとの二人は石川経夫(元東大教授)と奥野正寛(東大教授)。いずれも東京教育大学附属高等学校の同期生)テンプレート:要出典。
MITの院生時代にはポール・サミュエルソンから指導を受けた。当初オーソドックスな新古典派経済学の研究で評価されたが、不均衡動学に関する研究において新古典派批判に転じる(後に『不均衡動学の理論』として岩波書店より出版された)。同書により、日経・経済図書文化賞特賞を受賞した。「ヴェニスの商人の資本論」で日本では知られるようになる。1993年「貨幣論」でサントリー学芸賞、2003年「会社はこれからどうなるのか」で小林秀雄賞受賞。「M&A国富論」でM&Aフォーラム賞。2007年紫綬褒章受勲。2010年に東京大学を定年退職。
妻は作家の水村美苗。
年譜
- 1947年 - 東京都渋谷区に生まれる
- 1965年 - 東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業
- 1969年 - 東京大学経済学部卒業
- 1969年9月 - マサチューセッツ工科大学大学院入学
- 1972年 - マサチューセッツ工科大学経済学博士(Ph.D.)取得、カリフォルニア大学バークレー校研究員
- 1973年 イェール大学経済学部助教授 (クープマンス教授に招かれる)
- 1979年 コウルズ財団上席研究員
- 1981年 - 東京大学経済学部助教授
- 1989年 - 同教授
- 2001年10月~2003年9月 - 東京大学経済学部長
- 2009年4月 - ベオグラード大学名誉博士号
- 2010年 - 東大定年退職、名誉教授、国際基督教大学客員教授
著書
- 『ヴェニスの商人の資本論』筑摩書房、1985年、ちくま学芸文庫、1992年
- 『不均衡動学の理論』岩波書店、1987年
- 『貨幣論』筑摩書房、1993年、ちくま学芸文庫、1998年
- 『資本主義を語る』講談社、1994年、ちくま学芸文庫、1997年
- 『二十一世紀の資本主義論』筑摩書房、2000年、ちくま学芸文庫、2006年
- 『会社はこれからどうなるのか』平凡社、2003年、平凡社ライブラリー、2009年
- 『会社はだれのものか』平凡社、2005年
共編著
- 『現代経済学研究 新しい地平を求めて』 鬼塚雄丞共編 東京大学出版会 1988.7
- 『終りなき世界 90年代の論理』 柄谷行人対談 太田出版、1990年
- 『現代の経済理論』 伊藤元重共編 東京大学出版会、1994年
- 『資本主義から市民主義へ 貨幣論・資本主義論・法人論・信任論・市民社会論・人間論』(聞き手三浦雅士)新書館、2006年
- 『M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか』 佐藤孝弘共著 プレジデント社 2008年
参考文献
- テンプレート:Cite web
- 人間発見 岩井克人さん 日本経済新聞2013年10月夕刊連載(4回)
関連項目
外部リンク
- 岩井克人のWebページ
- 不均衡動学論文の原文(イェール大学Cowles Foundation for Research in Economicsウェブサイト内)
- 研究員一覧 岩井克人 - 東京財団 THE TOKYO FOUNDATION