不思議少女ナイルなトトメス
東映不思議コメディーシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第11作 | 美少女仮面 ポワトリン |
1990年1月 - 同年12月 |
第12作 | 不思議少女 ナイルなトトメス |
1991年1月 - 同年12月 |
第13作 | うたう!大龍宮城 | 1992年1月 - 同年12月 |
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVDrama テンプレート:Infobox animanga/Footer 『不思議少女ナイルなトトメス』(ふしぎしょうじょ ナイルなトトメス)は、1991年1月6日から同年12月29日までフジテレビ系列で放送された特撮テレビ番組、及び主役登場人物の名称。東映不思議コメディーシリーズ第12作。全51話。
目次
ストーリー
中島サナエ(堀川早苗)は、新しい住まいに引っ越して来た事を先祖の墓に報告したが、そのときに誤って墓を壊してしまい、そこに封印されていたナイルの悪魔51匹を人間界に放出してしまう。その後、初代トトメスからの命令で2代目トトメスに変身し、その悪魔退治をすることになる。
概要
「イブンバツータ・スカラベルージュ」の呪文でトトメスに変身し、トトメスの持つ不思議ステッキから伸びるパピルスと不思議オルゴールでナイルの悪魔を捕まえる。「美しく戦いたい。空に、太陽がある限り。不思議少女、ナイルなトトメス!」が登場時の決め台詞。
この作品は当初は推理物という企画であった事から、最初の数話については事件の関係者を集めてナイルの悪魔が取り付いた人間を見つけるという手法を採っていたが、その後は従来作品と同様の戦闘形式に路線変更している。
前作『美少女仮面ポワトリン』に引き続き、脚本は浦沢義雄が1人で全話を執筆した(総集編に当たる第33話も浦沢の脚本である)。メイン監督は当時68歳の村山新治が担当。最多のエピソードを演出し、パイロット作品や最終回といった主要回を采配している。尚、東映特撮パイロット作品において、演出担当である村山の68歳という年齢は、2013年現在も破られていない最高年齢記録である(その記録に次ぐのは2010年『天装戦隊ゴセイジャー』を演出した長石多可男の65歳)。
劇場版の予定があり(前作『ポワトリン』との共演作)、脚本も完成していたが、諸事情で製作される事は無かった。だが、その脚本そのものは後に第31話に流用されている。
また、東映作品でおなじみの石井太ゴシック体(写研製)を用いたテロップ表示が使われた最後のテレビ作品でもある(第28話まで使用)。
登場人物
- 中島サナエ(トトメス)
- 本作の主人公。ごく普通の高校生。産まれて初めて行った墓参りで墓を壊してしまい、先祖である初代トトメスが封印していた51匹のナイルの悪魔を開放してしまう。初代トトメスの直系の子孫である事でそのナイルの悪魔を封印するため2代目トトメスとなる。「何を血迷う○○(相手の名前)」で登場し、名乗り口上は「美しく戦いたい、空に太陽がある限り。不思議少女ナイルなトトメス」。変身前に仕入れた情報でナイルの悪魔を問い詰めるが情報の出自を求められると「星は何でも知っている。ナイルも何でも知っている」とはぐらかし会話にしない。トトメスに変身すると口調が丁寧かつ言い切り型に変わる。
- 好物は中華丼で、必ずウズラの卵を残し最後に食べる癖があり、それが原因で正体がばれそうになる。
- 中島家の先祖はエジプト人で墓がピラミッドとスフィンクス。一家揃って寝起きが悪い。
- 変身後の衣装は、金色。変身後の爪は、赤色。
- 中島ケンゾー
- サナエの父。区役所の環境課に勤める地方公務員でマンションに引っ越してきた。だらしない父親を絵に描いたような人物だが、子供たちの成長を喜ぶ親でもある。妻には頭が上がらない。トトメスのファン。趣味はないが、3年前まで仕送りや給料を支給日に使い切るほどパチンコにはまっていた。
- 中島ユキエ
- サナエの母。典型的なかかぁ天下で食欲と好奇心の塊。
- 中島マナミ
- サナエの妹。トトメスに憧れる小学4年生。おまじないが大好き。トトメスから「古代エジプトおまじない書」を貰い、イツカ・ハナコと共にトトメス応援団である「トトメス少女隊」を結成する。ナイルの悪魔が関わる事件に興味深々で、事件の重要関係者や中心になる。
- 川崎イツカ
- 転校してきたマナミの最初の友人。仲の良い男の子を取りあってケンカをするが、おまじない好きという共通点から仲良くなった。嫉妬深い。両親の影響で先祖を敬ったりする気持ちはかけらもない。
- 石倉ハナコ
- マナミとイツカが通う「松本塾」という学習塾で出来たマナミの友人。家は寿司屋を営んでおり、父子家庭。イツカとはあまりそりが合わず度々ケンカをする。偏差値の高そうな男の子が好みのタイプ。
- 具志堅ティナ
- サナエの友人。家は神社でハーフ。英語が得意。日本史も得意だというが、テレビドラマの水戸黄門で勉強している知識。一度だけアルバイトとして時給1000円でトトメスに雇われ、新トトメスとなる。妄想の果てに街中で「宝塚する」ほど、同性と認識している上でトトメスに恋している。
- 神主
- ティナの父親。娘の友好関係で知り合ったケンゾーと仲が良い。多少いい加減な神主。
- 松本先生
- 学習塾「松本塾」の先生。フルネームは松本一平。世にも珍しいナイルの悪魔に宿られやすい体質で、近所でも有名になり何度もナイルの悪魔に宿られる。塾の講師として有能ではない(むしろ無能に近い)が、その親しみやすく愛敬のある人柄から子供たちに慕われている。
- 警官
- カツ丼が大好きで、近所ではとても有名な全く働かない交番勤務の警察官。銀行強盗が発生したら逃亡し、その銀行強盗が自首しても別の交番に行くよう勧めるほど働かない。母親に結婚をせっつかれている。一族のしきたりで嫁には髭が生えていないといけないため、結婚を嫌がっている。なぜか自衛隊にヘリの出動を要請できる。パチンコに強く、交換した景品は小学生に配っている。
- ダメンテ大統領
- グンチャラ共和国の大統領。日本の労働力に目をつけ、ナイルの悪魔を利用し優秀な人材を自国に密輸しようと企む人物。最初は飛行機で来日したが、悪事が露見し入国禁止になったため、以降はグンチャラ共和国から、いかだやゴムボートを漕いでやってくる。ナイルの悪魔を利用しても逆に脅される事もある。「行け(日本語訳)」と言いながら、ナイルの悪魔より先にトトメスに向かっていく。グンチャラ語しか喋れないため、常に通訳をつけている。テンションのコントのものまねが得意。
- 通訳
- ダメンテ大統領の通訳。ダメンテ大統領と共に悪事を企む。ダメンテ大統領の言葉は訳しても、日本語はグンチャラ語に訳さない。通訳した言葉のあとに「と、申しております」を付ける。ダメンテ大統領と一緒にやるテンションのコントのものまねが得意。
- ワルサ委員長
- ナイルの悪魔労働組合の委員長に推薦されたナイルの悪魔。ナイルの悪魔一優秀で、ナイルの国立大学を出て、ナイルの大蔵省に勤めていたが、妹の生活のために六本木のディスコで黒服として働いていた。ナイルの悪魔労働組合委員長を最初は断ったが、妹をトトメスに封印され、復讐のために委員長を引き受ける。他のナイルの悪魔と違い真面目で熱心で仲間思いな性格であり、それが災いしナイルの悪魔労働組合の委員長を引き受けてから苦労と不運が続く。
トトメスの能力・武器
- ステッキ
- 変身アイテム兼専用武器。イブンバツータ・スカラベルージュの呪文で出現し、サナエをトトメスへと変身させる。「縛れ!パピルス!」と唱えると先端からリボンが出てナイルの悪魔が憑依した人間を捕縛し、悪魔を追い出す働きがある。(この技は終盤に「パピルスする」と呼ばれる。)また「アメンホテップ」と唱えることで色々な物や人を呼び出すことができる。他にもエネルギー波を発したり、ナイルの悪魔を探知したり、分身・変装魔法を使ったりと万能アイテムである。普段は自室の机の引き出しにしまっている。探知のためにステッキを手に持っている場合、変身ポーズが簡略化される。
- ペンダント
- ナイルの悪魔が近くにいるとそれを探知する機能があるが、その役目はステッキに移行する。
- コンパクト
- 100%当たる占い能力があり、簡潔な言葉で占い結果を告げる。また遠くの音を拾ったり、遠くの映像を映す事が出来る。他人に見られないようにコンパクト自身が動いて姿を消す。主に変身前に使用され、占いは度々サナエの暇つぶしにも使われる。
- ピラミッド1
- ナイルの悪魔を封印する際に使用するアイテム。ピラミッドの中心部は瓶状で頂点部が蓋になっている。トトメスがこのアイテムを使う度に「あと、○匹。」と残りのナイルの悪魔の数を言う。台座の中にはサナエのへそくりが入っている。
- ピラミッド2
- ピンクの台座に金色のピラミッドが付いており、ナイルの悪魔の活動を光と音で知らせてくれるアイテム。サナエの部屋の棚に置いてある。しかし、彼女の不在時に鳴ったり、ナイルの悪魔の存在を知った後に反応するといったことも多く、季節感によって機能しなかったりといういい加減さもある。また、サナエ以外の人しか聞いていないのにしつこく鳴り続けたりもする。実はスイッチを切れば動かなくなる。
- 不思議時計
- トトメス少女隊(マナミ、イツカ、ハナコ)が「おまじない書」を使って出したアイテム。ダイヤルを回すことで時間を自由自在に動かすことができる。
- 指輪
- 宝石から捕縛光線を出す。47話で一度限り使用。
- 古代エジプトおまじない書
- トトメス少女隊の中心となるアイテム。マナミが暇を持て余しトトメスを手伝いたいと言い出したため、迷惑に感じたサナエが初代トトメスに頼んで出してもらった暇つぶし用の本。初めは石板で出されたが、読めないという理由で現代語訳してもらい、トトメスがマナミに渡した。「おまじない」とあるが、上記の不思議時計や「処女の生き血を吸い宝石を実らせる、バビロンの宝石の実のなる樹」を出せるなど危険な内容である。呪文は「テル・エル・アマルナ・イクナートン・ラーマヤーナ・○○(呼び出す物によって変わる。不思議時計ならトケイデロン。)」
- 危険な内容のためトトメスがパピルスで封印を施し、ペンダントとおまじないメモが入っている「トトメス少女隊手帳」を渡した。
出演
- 中島サナエ(トトメス) - 堀川早苗
- 中島ケンゾー - 斉木しげる
- 中島ユキエ - 迫文代
- 中島マナミ - 関真奈美
- 川崎イツカ - 石坂伊津佳
- 石倉ハナコ - 中村花子
- 具志堅ティナ - 具志堅ティナ
- 神主(ティナの父) - 岡田勝
- 松本先生 - 津村鷹志
- 警官 - 久保史
- ダメンテ大統領 - 田口浩正(テンション)
- 通訳 - 小浦一優(テンション)
- ワルサ委員長 - 山根鉄仙
スタッフ
- 原作 - 石ノ森章太郎
- 企画 - 小林義明(東映)、木村京太郎(読売広告社)、石原隆(フジテレビ)
- プロデューサー - 日笠淳、西村政行、髙寺成紀(東映)
- 脚本 - 浦沢義雄
- 監督 - 村山新治、坂本太郎、佐伯孚治、岩原直樹、河田章
- 撮影 - 林迪雄、利根川曻
- 計測 - 大沢信吾
- 助監督 - 岩原直樹、河田章、前嶋守男、北出和也、田部井稔
- アクションアドバイザー - 岡田勝、宮沢淑郎(大野剣友会)
- キャラクターコーディネーター - 小佐野聡(石森プロ)
- クレイイラスト - 林恭三
- 音楽 - 本間勇輔
- 制作 - フジテレビ、東映、読売広告社(ノークレジット扱い)
主題歌
- オープニングテーマ - 「元気あげるね」
- 後半バージョンではその回の監督の名字がサナエのラブレターに書かれる演出が行われた。
- エンディングテーマ1 - 「月夜のゴンドラ[1]」(1~28話)
- エンディングテーマ2 - 「アフロディーテの夏」(29~51話)
- 作詞 - 松井五郎 作曲 - 羽田一郎 編曲 - 佐藤準 歌 - 堀川早苗(ポニーキャニオン)
放送リスト
放送日 | 話数 | サブタイトル | ゲストキャラクター | 監督 |
---|---|---|---|---|
1991年 1月6日 |
1 | 引っ越しそばの祟り |
|
村山新治 |
1月13日 | 2 | 何を血迷うベートーベン | ||
1月20日 | 3 | 寄せ鍋の女王 |
|
坂本太郎 |
1月27日 | 4 | 福は外 鬼は内・・・ |
| |
2月3日 | 5 | 人生は二度ない | 佐伯孚治 | |
2月10日 | 6 | チョコレート好きな悪魔 | ||
2月17日 | 7 | クレオパトラのアッシー君 | 村山新治 | |
2月24日 | 8 | キムチ漬けの悪魔 |
| |
3月3日 | 9 | いけない雛祭り | 岩原直樹 | |
3月10日 | 10 | あるマッサージ師の挫折 | ||
3月17日 | 11 | 危険な幽霊 | 佐伯孚治 | |
3月24日 | 12 | オタクな悪魔 | ||
3月31日 | 13 | 満開の桜と団子の木の下にて | 村山新治 | |
4月7日 | 14 | 不幸のドン底からの脱出 | ||
4月14日 | 15 | 働かない警官 |
|
岩原直樹 |
4月21日 | 16 | 長男はマッチ売りの少女がお好き | ||
4月28日 | 17 | 次男の頭はゴールデンウィーク |
|
坂本太郎 |
5月5日 | 18 | 三男は活作りがお得意 | ||
5月12日 | 19 | 偏差値を吸う蝙蝠 |
|
佐伯孚治 |
5月19日 | 20 | ゲームセンターの怪人 |
| |
5月26日 | 21 | 黄金の梅雨前線 | 岩原直樹 | |
6月2日 | 22 | 伝説のてるてる坊主 | ||
6月9日 | 23 | お金で解決する体質 |
|
村山新治 |
6月16日 | 24 | 俺たちは栄養ドリンクじゃない |
| |
6月23日 | 25 | ザリガニのバンザイ |
|
佐伯孚治 |
6月30日 | 26 | 宝石の実のなる樹 | ||
7月7日 | 27 | ティナのテスト勉強 | 岩原直樹 | |
7月14日 | 28 | 少女隊のスタイリスト |
| |
7月28日 | 29 | ワルサの妹 | 坂本太郎 | |
8月4日 | 30 | ワルサの恋人[3] | ||
8月11日 | 31 | クレオパトラのお漬物 |
|
村山新治 |
8月18日 | 32 | 盆踊りの練習 | ||
8月25日 | 33 | イブンバツータな総集編 | 河田章 | |
9月1日 | 34 | ワルサの誓い |
|
岩原直樹 |
9月8日 | 35 | 初恋の赤トンボ・・・ |
| |
9月15日 | 36 | 眠れる森の夢喰う悪魔 |
|
坂本太郎 |
9月22日 | 37 | 母はスッシー | ||
9月29日 | 38 | 笹岡さんはおすもうさん | 佐伯孚治 | |
10月6日 | 39 | バルセロナを目指せ! | ||
10月13日 | 40 | ペットの悪魔 | 岩原直樹 | |
10月20日 | 41 | ヘソクリ小僧が来た | ||
10月27日 | 42 | 松茸を食べよう・・・ | 坂本太郎 | |
11月3日 | 43 | ティナが愛した人は・・・ | ||
11月10日 | 44 | 天然記念物の敵 | 村山新治 | |
11月17日 | 45 | 教育熱心な松本先生 |
| |
11月24日 | 46 | 悪魔の恋・・・ | 岩原直樹 | |
12月1日 | 47 | 神々のオリンピック | ||
12月8日 | 48 | おまじないステーキ |
|
佐伯孚治 |
12月15日 | 49 | 聖ナイルの悪魔 |
| |
12月22日 | 50 | サンタを信じる | 村山新治 | |
12月29日 | 51 | 最後の悪魔・・・[5] |
|
視聴率
- 最高視聴率:17.3%(東映不思議コメディーシリーズ歴代10位)
ビデオリサーチ調べ、関東地区
映像ソフト化
- 2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録されている。
- 2012年1月21日~同年5月21日にかけてテレビ初回放映20周年とシリーズ30周年を記念し、全51話完全収録、全5巻にて初DVD化となった。不思議コメディーシリーズのDVDは5年振りである。
コミカライズ
脚注
参考文献
外部リンク
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