オングストローム
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オングストローム(テンプレート:JIS2004フォント)は、長さの単位である。原子や分子、可視光の波長など、非常に小さな長さを表すのに用いられる。
1Åは10−10m = 0.1ナノメートル(nm) = 100ピコメートル(pm) と定義されている。原子や分子の大きさ、また可視光の波長は数千オングストロームというオーダーとなることから、分光学などにおいて数値的に都合がよく、かつては広く使われていた。しかし、国際度量衡委員会も国際度量衡総会もこの単位の使用を公式には認めていない[1]。
一物理量一単位を原則とする国際単位系(SI)では「その他の非SI単位」と扱われており、使用するときには「使う単位の定義を SI 単位で与えなければならない」としている[2](SI併用単位を参照)。
日本の計量法では、「電磁波の波長、膜厚又は物体の表面の粗さ若しくは結晶格子に係る長さの計量」にのみオングストロームを使用することを認めている[3]。
SIではないため、理化学分野、工業分野、教育分野で積極的に使われることはないが、その利便さから今日でもオングストロームを用いることがある。
歴史
分光法の先駆者であるスウェーデンの物理学者アンデルス・オングストロームが、1868年に 10-10 m を単位として使ったことに由来する。ただし、特に単位名称は名づけなかった。のちに、その単位がオングストローム単位 (テンプレート:JIS2004フォント) と呼ばれ、さらにオングストロームと略されるようになった。
オングストロームが使った単位は 10−10 m であったが、当時メートル原器で定義されていたメートルより高精度の長さの単位が分光学では必要とされていた。そのため、1907年、国際天文学連合 (IAU) が初めてオングストロームを国際標準として定めたとき、国際オングストローム (テンプレート:JIS2004フォント) を、「カドミウムの赤線の指定条件下における波長の1/6438.4696」と再定義した。1927年に国際度量衡局 (BIPM) もこれを採用した。メートルの精度が低かった時代は、この定義は 10-10 m とする定義と矛盾することはなかった。
1960年、メートル自体もクリプトンの橙色線の波長から分光学的に再定義され、国際オングストロームと同等の精度を持つようになった。しかし、国際オングストロームを新しく定義されたメートルで表すと、1.0000002×10-10 m となったため、10-10 m とされるオングストロームと2つのオングストロームが並立することとなった。
記号
オングストロームの記号は、日本の計量法でも国際単位系(SI)でも同じであり、それは、大文字の「A」の上部に小さいリングを付したものである[4]。
符号位置
オングストロームの単位記号 "テンプレート:JIS2004フォント" はリング付きの大文字A "テンプレート:JIS2004フォント" に由来するが、UnicodeやJIS X 0213ではそれぞれ別の文字として定義されている。なお、JIS X 0208にはオングストローム記号のみが2区82点に定義されている。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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