早口言葉

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早口言葉(はやくちことば)は、言いにくい言葉を通常より早く喋り、うまく言うことができるかを競う言葉遊び

アナウンサー俳優など、人前で話す職業に従事する人が滑舌を鍛える発声トレーニングに用いる場合もある。その多くは発音が舌を動かし辛い順列に並んでおり、尚且つ、その文章の意味が脳で捉え辛いものになっている[1]

日本語以外にも、英語の"She sells sea shells by the seashore."(彼女は海岸貝殻を売っている)など、早口言葉は多数あり、世界中の各言語にこのような言葉遊びの習慣がある。

日本語の早口言葉

以下、代表的に知られるものを例として挙げる。

  • 生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)[2]
  • 東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)[3]
  • 蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ(かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ)[4]

ドイツ語の早口言葉

ドイツ語では通常「ツンゲン・ブレッシャ」(Zungenbrecher)と呼ばれている。一番有名なものは:

  • Fischers Fritz fischt frische Fische. Frische Fische fischt Fischers Fritz. (漁師のフリッツくんは新鮮な魚を漁っている。新鮮な魚を漁師のフリッツくんは漁っている。)
  • Blaukraut bleibt Blaukraut und Brautkleid bleibt Brautkleid.(赤キャベツは赤キャベツであるまま、ウェディングドレスはウェディングドレスであるまま。)

英語の早口言葉

英語では通常「タング・トゥイスター」(tongue-twister)と呼ばれていて、沢山伝えられている。 以下の3つはマザー・グースより引用。

  • She sells sea shells by the seashore.(彼女は海岸で海の貝殻を売っている。)
    The shells she sells are surely seashells.(彼女が売っている貝殻は、きっと海の貝殻だ。)
    So if she sells shells on the seashore,(だから彼女がもし海岸で海の貝殻を売っているのなら、)
    I'm sure she sells seashore shells.(貝殻はきっと海岸の貝殻だ。)
  • Peter Piper picked a peck of pickled peppers.(Peter Piperは1ペックの酢漬けの唐辛子をつまんだ。)
    A peck of pickled peppers Peter Piper picked.(Peter Piperがつまんだ1ペックの酢漬けの唐辛子。)
    If Peter Piper picked a peck of pickled peppers,(もしPeter Piperが酢漬けの唐辛子を1ペックつまんだら、)
    how many pickled peppers did Peter Piper pick?(Peter Piperはいくつ酢漬けの唐辛子をつまんだでしょう?)
  • Betty Botter bought some butter.(Betty Botterはバターを買った。)
    "But," she said, "the butter's bitter.(彼女は「だけどバターが苦いわ」と言った。)
    If I put it in my batter,(「もし生地に入れたら、)
    It will make my batter bitter.(生地が苦くなってしまう。)
    But a bit of better butter,(だけどもう少しいいバターがあったら)
    That would make my batter better."(生地が良くなるでしょうね」。)
    So she bought a bit of butter.(だから彼女は少しバターを買った。)
    Better than her bitter butter.(彼女の苦いバターよりも良いバターを。)
    And she put it in her batter.(そして生地にそれを入れた。)
    And the batter was not bitter.(生地は苦くならなかった。)
    So It was better Betty Botter(だからいいことにBetty Botterは)
    Bought a bit of better butter. (もっといいバターを少し買った。)

中国語(普通話)の早口言葉

中国語では「繞口令」(ラオコウリン)と呼ばれていて、沢山伝えられている。発音表記はすべて「ピンイン」を使用されている。

  • 化肥會揮發。huà féi huì huī fā

 (化学肥料は揮発することができます。)

  • 黑化肥發灰,灰化肥發黑。hēi huà féi fā huī, huī huà féi fā hēi

 (黒い化学肥料は灰色になることができて、あいまいな化学肥料は黒色になることができます。)

  • 黑化肥發灰會揮發,灰化肥揮發會發黑。hēi huà féi fā huī huì huī fā, huī huà féi huī fā huì fā hēi

 (黒い化学肥料は灰色になるとしたら、揮発することができて、あいまいな化学肥料は揮発するとしたら、黒色になることができます。)

  • 四是四,十是十,十四是十四,四十是四十,四十四隻石獅子是死的。sì shì sì, shí shì shí, shí sì shì shí sì, sì shí shì sì shí, sì shí sì zhī shí shī zǐ shì sǐ de.

 (四は四、十は十、十四は十四、四十は四十、四十四頭の石像の獅子は死に物です。)

  • 吃葡萄不吐葡萄皮,不吃葡萄倒吐葡萄皮。chī pú táo bù tù pú táo pí, bù chī pú táo dǎo tù pú táo pí.

 (ブドウを食べる時には、ブドウの皮は吐き出さない、ブドウを食べないときには、ブドウの皮は吐き出す。)

  • 西施死時四十四。xī shī sǐ shí sì shí sì

 (西施は亡くなる時が44歳です。)

上記の「繞口令」は中国の共通語「普通話」で話されるのが一般的だが、一方、香港マカオ、中国広東省など広東語が事実上の共通語としてよく使用されているエリアには、下記の早口言葉もある。発音表記はすべて「粵拼」を使用されている。

  • 入實驗室撳緊急掣。jup⁶ sat⁶ jim⁶ sat⁶ gam⁶ gan² gap¹ zai³

 (実験室に入って、非常ボタンを押す。)

  • 一蚊一斤雞,一蚊一斤龜,你問雞貴定龜貴?jat⁶ man¹ jat¹ gan¹ gai¹, jat¹ man¹ jat¹ gan¹ gwai¹, nei⁵ man⁶ gai¹ gwai³ ding⁶ gwai¹ gwai³.

 (1斤のは1ドル、1斤のも1ドル、鳥と亀とどちらが高いの?)

  • 掘金掘桔掘雞骨。gwat⁶ gam¹ gwat⁶ gat¹ gwat⁶ gai¹ gwat¹

 (を掘り、みかんを掘り、鳥骨を掘る。)

  • 郵差叔叔送信純熟迅速送出。jau⁴ caai¹ suk¹ suk¹ sung³ seon³ seon⁴ suk⁶ seon³ cuk¹ sung³ ceot¹.

 (郵便配達のおじさんは配達が熟練かつ迅速で出す。)

朝鮮語の早口言葉

  • 간장 공장 공장장은 장 공장장이고 된장 공장 공장장은 강 공장장이다.(醬油工場の工場長は張工場長でみそ工場の工場長は姜工場長だ。)
  • 저기 있는 말뚝이 말 맬 말뚝이냐, 말 못 맬 말뚝이냐?(あそこにある杭がをしばることができる杭なのか、馬をしばることができない杭なのか?)
  • 네가 그린 기린 그림은 못 그린 기린 그림이고 내가 그린 기린 그림은 잘 그린 기린 그림이다.(君が描いたキリンの絵はよく描けなかったキリンの絵で、私が描いたキリンの絵はよく描けたキリンの絵だ。)

脚注

  1. 解体新ショー 2007年6月30日放送分
  2. 広辞苑 第六版 「早口言葉」
  3. 読売新聞東京版 1997年5月12日28頁
  4. Gooランキング「おなじみの早口言葉ランキング」[1]

関連項目

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