プランク定数
テンプレート:物理定数 テンプレート:物理定数 プランク定数(プランクていすう、プランクじょうすう、テンプレート:Lang-en)は、量子論を特徴付ける物理定数である。量子力学の創始者の一人であるマックス・プランクにちなんで命名された。SI単位では J s である。 記号は Hilfsgröße の頭文字を取ってh と記される(Hilfs =補助、größe =大きさ、量)。
概要
光子の持つエネルギー(エネルギー量子)は振動数に比例し、その比例定数がプランク定数と定義される[1]
- <math>\epsilon = h\nu</math>
光のエネルギーEは光子の持つエネルギーの倍数の値のみを取り得る:
- <math>E = nh\nu</math>
プランク定数の2010年CODATA推奨値は テンプレート:Indent である[2][3]。
また、プランク定数 h を 円周率 π の 2 倍で割った量もよく使われるため、「エイチバー」と発音される専用の記号 <math>\hbar =h/2\pi</math> (ℏ Unicode U+210F、JIS X 0213 1-3-61)が使われている。<math>\hbar</math> は「換算プランク定数」、或いは単に「プランク定数」と呼ばれている。ときにディラック定数と呼ばれることもある[4]。
2010年CODATA推奨値は テンプレート:Indent である[5][6]。
起源・歴史
黒体放射
レイリー卿とジェームズ・ジーンズは黒体放射におけるエネルギー分布に関するレイリー・ジーンズの法則を提案した。この式は低振動数の領域で測定値によく合ったが、高振動数領域では発散し、大きく誤差が生じてしまった。
1896年にヴィルヘルム・ヴィーンがウィーンの変位則を提案した。この式は高振動数領域で測定値によく合ったが、低振動数の領域では合わなかった。
1900年にプランクがプランクの法則を提案した。この式は低振動数の場合と高振動数の場合にそれぞれレイリー・ジーンズの式とヴィーンの式に移行する内挿的な公式であり、測定値によく一致する。プランクの式を低振動数の場合と高振動数の場合でそれぞれ近似すれば各式が得られる。この公式を導出する過程で、光のエネルギーの受け渡しは大きさ hν を単位としてのみ起こり得る、という仮定が必要となった[7][8]。ここに h が後にプランク定数と呼ばれるようになった普遍定数である。
光電効果
アルベルト・アインシュタインはプランクの理論の影響を受け、1905年、光が粒子のような性質を持つという光量子仮説を提唱し光電効果を説明した。光量子仮説では、プランクとは別の方法でエネルギー量子の存在を説明した[9]。アインシュタインの光電効果の考えは、1916年にロバート・ミリカンによって行われた実験にて確かめられた。ミリカンがこの実験から求めた定数 h の値は、プランクが黒体放射から得た値とよく一致した。
理論
プランク定数は量子論的な不確定性関係と関わる定数であり、<math>h\to0</math> の極限で量子力学が古典力学に一致するなど、量子論を特徴付ける定数である。
軌道角運動量やスピンは常に換算プランク定数の定数倍になっている。例えば、電子のスピンは <math>\pm\hbar/2</math> である。なお、量子力学の分野ではプランク単位系や原子単位系を用いる場合が多く、その場合の電子のスピンは <math>\pm1/2</math> となる。
プランク定数は位置と運動量の積の次元を持ち、不確定性関係から位相空間での面積の最小単位であるとも考えられているが、テンプレート:要出典