レイリー・ジーンズの法則

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レイリー・ジーンズの法則(レイリー・ジーンズのほうそく、Rayleigh-Jeans Law)は、黒体から放射される電磁波のエネルギー密度の理論式の1つである。 黒体から放射される電磁波のうち、波長が λ から λ+dλの間にある電磁波のエネルギー密度を f(λ)dλ とすると、レイリー・ジーンズの法則は、

<math> f(\lambda) = 8\pi k\frac{T}{\lambda^4}</math>

と表される。ここで、Tは温度(K)、kボルツマン定数である。

この式は、

という2つの古典物理学的な仮定から導出される。しかし、上式は波長が長い領域では実験と良く一致するが、波長が短くなればなるほど実験結果とズレが大きくなる。また、放射の全エネルギー密度

<math>\int_{0}^{\infty} f(\lambda)d\lambda</math>

を計算しようとすると発散して無限大になってしまう。このことは、黒体放射の問題に対して古典物理学が破綻することを端的に示している。

歴史

レイリー・ジーンズの法則は、レイリー卿が1900年に最初に発表した。その後、1905年にジェームズ・ジーンズが係数に誤りがあることを指摘した。

レイリー・ジーンズの法則は、波長が短いときに実験結果と合わない。逆に、ヴィーンの公式(1896年)は波長が短いときに実験と一致するが長波長領域では実験と合わない。ヴィーンの公式を改良したプランクの公式(1900年)

<math>f(\lambda) = \frac{8\pi hc}{\lambda^5}~\frac{1}{e^\frac{hc}{\lambda kT}-1}</math>

は、波長が短いときも長いときも実験結果とよく合う。ここでhプランク定数、c は光速度である。また、放射の全エネルギー密度も有限の値になる。 プランクの公式は、波長の長い時、または高温の時レイリー・ジーンズの式に近づく。

関連項目