吉岡定点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年6月19日 (木) 20:26時点におけるRyunosuke Ouchi (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:駅情報

ファイル:Sign of Yoshioka Kaitei Station.jpg
吉岡海底駅の駅名標(2002年7月16日)

吉岡定点(よしおかていてん)[注 1]は、北海道松前郡福島町館崎にある北海道旅客鉄道(JR北海道)の施設である。海峡線津軽海峡線青函トンネル内の海底部の区間に存在する。

1988年3月13日の青函トンネル開業時に吉岡海底駅(よしおかかいていえき)として設置され、見学整理券を持った見学客のみが乗降できる特殊なとして機能していた(後述)。

概要

青函トンネル北海道側の定点として、非常時の旅客避難所および保線基地、トンネルの維持に必要な各種機械類の設置を目的として設置された[1]竜飛海底駅とともに、青函トンネル内に設置された駅の一つであったが、一般的な意味での「駅」ではなく、海底駅見学整理券を持った見学者以外の一般旅客の利用はできなかった。非常時と係員以外、地上への出入りも不可能であった[注 2]

北海道新幹線の建設工事着工に伴い、吉岡海底駅がその資材基地として使用されることが決定したため、2006年3月18日ダイヤ改正をもって同駅への定期列車の停車を中止し、イベント開催時の臨時列車のみの停車となった[2]。2006年8月27日の臨時特急「ドラえもん海底列車」運転終了によって、吉岡海底駅見学コースも全面休止された[3]。同年8月28日からは、団体ツアーなどの臨時停車を除いて、営業列車の停車が一本もない長期休止駅となっていたが[注 3]2014年(平成26年)3月14日をもって正式に廃止された[4][5][6]。駅が廃止された後も、緊急時のために避難設備は残されている[7]

廃止されるまでは、海面下149.5mの日本一低い位置にある鉄道駅であった[8][注 4]。また、北海道内最南端の駅でもあったが、廃止後江差線渡島鶴岡駅にその座を譲った。その後、渡島鶴岡駅も2014年(平成26年)5月12日に廃止されたため、現在は木古内駅が道内最南端の駅となっている。

歴史

  • 1988年昭和63年)3月13日:海峡線の開業とともに、吉岡海底駅として開設。
  • 2002年平成14年)12月1日東北新幹線盛岡駅 - 八戸駅間)開業にともなうダイヤ改正を実施。快速「海峡」が廃止され、津軽海峡線普通列車が消滅したことに伴い、特急列車のみの停車となる[9]
  • 2006年(平成18年)
    • 3月18日北海道新幹線工事のため、定期列車の停車がなくなる[2]
    • 8月28日:臨時特急「ドラえもん海底列車」が運行終了し、全ての列車が停車しなくなる[3]。同時に臨時駅となる。
  • 2009年(平成21年)11月7日:JR北海道函館支社の日帰りツアー「青函友好!青函トンネルウォーキングツアー」限定で列車が臨時停車[10]
  • 2012年(平成24年)
    • 9月15日:同支社の日帰りツアー「青函トンネル吉岡海底見学ツアー」限定で列車が臨時停車[11]
    • 9月29日:同支社の1泊2日のツアー「北海道DC号で行く青函トンネル吉岡海底見学ツアーと道南魅力発見プレミアムツアー」限定で列車が臨時停車[12]
  • 2013年(平成25年)3月23日:同支社の1泊2日のツアー「吉岡海底見学と古牧温泉・大間マグロを食す旅」限定で列車が臨時停車[13]。これが吉岡海底駅における最後の停車となった。
  • 2014年(平成26年)3月14日:吉岡海底駅が廃止[6]吉岡定点となる。

駅構造

相対式ホーム2面2線の構造であり、列車の待避などはできなかった。2010年(平成22年)当時は、駅名標は全て外されていた。

本線に設置されていたプラットホームは在来線規格で、幅は84cmと非常に狭い[注 5]。これは、避難用に新幹線規格の状態で設置された従来のホームと在来線列車との間には隙間があり、在来線列車とホームの間で転落する危険があるとの判断から、海底駅見学開始時に運輸省からの指導によってそれらを埋めるために設置されたものである[注 6]。駅の廃止後は新幹線車両の通過に支障を来すため、撤去される。

駅周辺

横取基地
保守用車の待避・留置場所および資材の搬入口として造られた。現在は線路が敷設されていないが、新幹線建設に伴い、整備される予定である。
避難所
列車火災や停電などの際に、旅客が一時的に避難する場所として設置され、約1,000人を収容可能である。300人が座れるベンチのほか、簡易トイレ、世界初となる海底公衆電話が設置されている[注 7]。海底駅だった頃には、見学者向けに青函トンネルの概要や建設時の様子を伝えるパネルなどが設置されていた。
トンネルメモリアルパーク
青函トンネルの開通を記念して、福島町吉岡地区[注 8]に建設された小さな公園。記念碑、建設に使用した車両が1両と起工式に用いられた石がある。また、竜飛崎を見渡すことができる[14]。当駅は公園前に広がる海の下にある。
公園の裏手にある吉岡小学校[注 9]付近には、当駅へつながる坑道[15]がある。ただし、竜飛定点道の駅みんまや・青函トンネル記念館)とは異なり体験坑道としての一般公開はされておらず、中に入ることはできない。
福島町青函トンネル記念館は福島町中心部にあるため、当公園や駅とは離れている。

その他の特徴

海峡線開業直前の1988年昭和63年)2月に廃止された松前線渡島吉岡駅があった付近にできた駅で、隣の知内駅と同じく鉄道が廃止されてから、再度同じ鉄道事業者の駅が開業した稀な例であった。ただし、一般旅客の取り扱いがないため、一概に知内駅と同様とは言い難い。なお、松前線廃止以後では松前郡内にある唯一の駅となっていた。

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
海峡線津軽海峡線
現在
津軽今別駅 - (竜飛定点) - (吉岡定点) - (知内信号場) - 木古内駅
2014年3月14日まで
津軽今別駅 - (竜飛海底駅) - 吉岡海底駅 - 知内駅

脚注

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist テンプレート:脚注ヘルプ

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:Navbox テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ


引用エラー: 「注」という名前のグループの <ref> タグがありますが、対応する <references group="注"/> タグが見つからない、または閉じる </ref> タグがありません
  1. テンプレート:Cite web
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite press release
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite press release
  4. 青函トンネル海底駅の廃止検討 来春、新幹線工事で - 共同通信、2013年8月2日
  5. テンプレート:Cite press release
  6. 6.0 6.1 テンプレート:Cite press release
  7. JR北海道、竜飛海底駅を廃止へ - 東奥日報2013年8月3日付、ウェブ魚拓
  8. テンプレート:Cite book
  9. テンプレート:Cite press release
  10. テンプレート:Cite press release
  11. 青函トンネル吉岡海底見学日帰りツアー - 鉄道コム 2012年8月31日
  12. テンプレート:Cite press release
  13. 青函トンネルが開業25周年を迎えます! - 北海道旅客鉄道函館支社 スタッフ日記 2013年2月8日
  14. テンプレート:Cite web
  15. テンプレート:Cite web