トーマの心臓
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『トーマの心臓』(トーマのしんぞう)は、萩尾望都による日本の漫画作品。
目次
概要
漫画雑誌『週刊少女コミック』1974年19号から52号に連載された作品で、フランス映画『悲しみの天使』をモチーフとして[1][2]ドイツのギムナジウム(高等中学)を舞台に[3]、人間の愛という普遍的かつ宗教的なテーマを描いた[4][5][6]。連載初回の読者アンケートが最下位だったため、編集長から打ち切りを宣告されたが、「もう少しで終わりになるから」とかわしているうちに『ポーの一族』が単行本化され、初版3万部が3日で完売し、『トーマの心臓』の評判も上がり連載は最終回の33回まで続くこととなった[7]。
番外編に「訪問者」「湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏」、姉妹編に「11月のギムナジウム」「小鳥の巣」(ポー・シリーズ)がある。舞台・映画化もされており、2009年には萩尾望都のファンであることを公言している小説家・森博嗣によりノベライズ化された。
あらすじ
ある雪の日、シュロッターベッツ・ギムナジウムのアイドルだったトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死し、ギムナジウム中が騒然となる中、委員長であるユリスモール・バイハン(ユーリ)のもとにトーマからの遺書が届く。事故死とされていたトーマの死が自殺であること、トーマが死を選んだ理由が自分自身にあることを知り、ユーリはショックを受ける。
数日後、ギムナジウムに亡くなったトーマとそっくりの転校生、エーリク・フリューリンクがやってくる。エーリクを見るたびにユーリはトーマと重ねてしまい、怒りや憎しみをあらわにすることすらあるのだが、そこにエーリクの母の事故死の知らせが入り、悲しみにくれるエーリクをユーリは慰め、これを機会に2人は次第に心を通わせていく。
エーリクはユーリへの気持ちを深めていくが、心の傷を呼び覚まされたユーリは再びかたくなな態度を取るようになる。しかし、ひたすらユーリを愛し信頼を得たいと願うエーリクの言葉から、ユーリは、トーマがユーリの罪を自ら引き受け、あがなおうとし、そのために自分の命を代償にしたのだと悟る。そうしてユーリは、自分を取り巻く多くの愛と幸福、そして自分を見守っていた周囲の人々に気づく。
神はどんな人をも愛し、許していることを知ったユーリは、神父となるために神学校への転校を願い出、ギムナジウムを去る。
登場人物
シュロッターベッツの生徒
- ユリスモール・バイハン/(ユーリ)
- シュロッターベッツ高等部1年。14歳。品行方正、成績優秀でみんなから信頼される委員長だが、ある事件以来心を閉ざしている。トーマのことを愛していたが、自分には資格がないと思い手ひどくふってしまう。南欧系の特徴を持っているため、自分に向けられる差別に対抗して優等生であろうとしている。
- トーマ・ヴェルナー
- シュロッターベッツ中等科4年。13歳。フロイライン(お嬢さん)と呼ばれ、誰からも愛される子供だった。ユーリを救うために自殺する。
- エーリク・フリューリンク
- シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ル・ベベ(フランス語で赤ちゃん)と呼ばれるくらい自由奔放で勘がいい。母親とずっと2人暮らしだったためマザーコンプレックスだったが、母親の死によって自分の依存心に気づく。トーマが死んだ直後にシュロッターベッツに編入したが、トーマとうりふたつであったので校内で大きな話題を呼ぶ。
- オスカー・ライザー
- シュロッターベッツ高等部1年。15歳。シュロッターベッツ・ギムナジウムに預けられる前は1年間父親と旅行をしていたため、1年遅れて編入している。不良っぽいが兄貴肌。ミュラー校長が実の父で、そのことが原因で父親は母親を殺害し、その父親も死亡していることを察している。ユーリのことが好きだが、ある事件のことを知ってしまったため見守ることしかできない。
- サイフリート・ガスト
- シュロッターベッツ高等部を放校。素行が悪いが頭の切れる悪魔的な魅力を持っていた。己の主義の実証のためにユーリの心身に深い傷を負わせる。八角メガネが特徴。
- アンテ・ローエ
- シュロッターベッツ中等科4年。13歳。オスカーのことが好きで、オスカーからユーリを引き離そうと、トーマとどちらがユーリを落とせるか賭けをした。
- レドヴィ
- シュロッターベッツ中等科4年。13歳。盗癖がある。トーマがユーリにあてた詩を見つけていた。
- ヘルベルト、アロイス
- シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ユーリとは常に対立しているが、ユーリを信頼している。
- リーベ、アーダム
- シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ユリスモール親衛隊。
- ホセ
- シュロッターベッツ高等部3年。16歳。暴力的な性格。時計を盗まれたことからレドヴィにしつこく付きまとう。
- バッカス、シャール、ヘニング
- シュロッターベッツ高等部の最上級生。毎週土曜日の午後に「ヤコブ館のお茶会」を主催している。トーマはこのお茶会の常連だった。
シュロッターベッツの教職員
- ルドルフ・ミュラー
- シュロッターベッツ・ギムナジウムの校長。オスカーの実父。ライザー夫妻とは大学時代の旧友。オスカーを養子にしたいと思っているが言い出せない。
- ブッシュ先生
- シュロッターベッツ・ギムナジウム教諭。古典(ラテン語)担当。大変厳しい先生。
- ホーマン先生
- シュロッターベッツ・ギムナジウム教諭。化学担当。元ヨハネ館の舎監。
- 保健の先生(アルツト)[8]
- 校医。校長からの信頼も厚い。ユリスモールの傷のことを心配している。
その他
- マリエ・シュヴァルツ
- エーリクの母。エーリクと2人で暮らしてきた。恋多き女性であったが、エーリクの編入後、再婚した夫ユーリ・シドとともに事故にあい亡くなる。
- ユーリ・シド・シュヴァルツ
- マリエの再婚相手。マリエとともに事故にあい、片足を切断。エーリクの卒業後、彼を引き取る。
- アルフォンヌ・キンブルグ
- エーリクの弁護士。
- マクス・ドッドー
- ユーリ・シドの友人で医師。ユーリ・シドがエーリクに会いに行く際に同行する。
- ロジェ・ブラウン
- エーリクの実父。
- グスタフ・ライザー
- オスカーの父。妻を殺害したあと、オスカーを連れて逃亡。シュロッターベッツ・ギムナジウムにオスカーを預けて南米に旅立ったが、おそらく死亡しているとオスカーは言う。
- ヘレーネ・ライザー
- オスカーの母。長く夫との間に子供ができず、ミュラー校長との間に子供をもうけるが、そのことが原因で夫に殺害される。オスカーを溺愛していた。オスカーはヘレーネそっくりの顔をしている。
- シェリー・バイハン
- ユーリの母。
- ユーリの父
- ギリシア系ドイツ人。事業に失敗し多額の借金を残して亡くなる。
- ユーリの祖母
- 娘の結婚には反対だった。金髪碧眼の者を好む。南欧系の特徴を持つユーリを嫌っている。
- エリザベート・バイハン
- ユーリの妹。8歳。体が弱い。
- ユーリとは違い、金髪であるため、祖母からはかわいがられている。
- ベルンハルト・ヴェルナー
- トーマの父。元シュロッターベッツ・ギムナジウム教諭。
- アデール・ヴェルナー
- トーマの母。エーリクの実父のいとこ[9]。
- トーマの兄
- トーマの兄。トーマとはそれほど年が離れていない。
番外編
湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏
『トーマの心臓』の後日譚。『ストロベリーフィールズ』(新書館、1976年11月)に書き下ろされた。
あらすじ(湖畔にて)
ユリスモール・バイハンが転校してすぐの夏休み、エーリク・フリューリンクは義父のユーリ・シド・シュヴァルツと湖畔で過ごしていた。2人はなかなか亡くなったマリエの話をすることができなかったが、ユーリ・シドがエーリクはマリエによく似ていると言ったことからそのような悩みもなくなる。ユーリから手紙が来た。エーリクはうまく返事を書けない。オスカー・ライザーが訪ねてくる。神学校へ行ってユーリに会ってきたと言う。エーリクは考える。失ったものは帰ってくるのだろうか、いつか思いは実を結ぶのだろうか、と。
訪問者
『トーマの心臓』のオスカー・ライザーがシュロッターベッツ・ギムナジウムに来るまでの話。漫画雑誌『プチフラワー』1980年春の号に掲載された。母親を殺害した父親と初めて親子らしい日々を過ごす1年間を描いたロード・ムービーのような作品で、独立の作品としても人気が高い。
あらすじ(訪問者)
オスカー・ライザーは母ヘレーネ・ライザーからは溺愛され、父グスタフ・ライザーからは無視され、家庭内に居場所がないように感じていた。それでも家族がうまくやっていると思い込んでいたが、一方で自分は父親の子供ではないのではないかと疑っていた。それは事実で、子供が欲しかった母は大学時代の旧友ルドルフ・ミュラーの子を産んだのだった。父グスタフはそれを疑ってはいたが、妻に事実を告げられ、衝動で撃ち殺してしまう。そしてオスカーは父が母を殺したこと、自分が父の子供でないことを悟る。オスカーは父を必死に警察からかばうが、父はオスカーと飼い犬のシュミットを連れて逃亡の旅に出る。旅に出てから2人は初めて親子らしい時間を過ごし、きずなが深まっていく。しかし殺人のプレッシャーから父は片目が見えなくなり、母にそっくりのオスカーにも当たってしまう。そして、実の父ミュラーが校長を務めるシュロッターベッツ・ギムナジウムにオスカーを預けると、父は南米へと去ってしまう。オスカーは父が自分を捨てたことを分かっていた。シュロッターベッツ・ギムナジウムに入ったオスカーは、父グスタフの子供になりたかったと涙を流す。
姉妹編
11月のギムナジウム
『トーマの心臓』の姉妹編[10]。漫画雑誌『別冊少女コミック』1971年11月号に掲載された。 ごく短編であるためか、キャラクターの心理描写よりストーリー性がまさった作品になっている。 この作品は『トーマの心臓』の原型であると長い間多くの読者に信じられていた。「11月のギムナジウム」が雑誌に掲載されてから約3年後に『トーマの心臓』の連載が始まったとき、そのキャラクターや舞台設定が前者に酷似していたことから、読者の多くが、『トーマの心臓』は「11月のギムナジウム」をもとに生まれたものと解釈していた。しかし、1981年7月に雑誌『grape fruit(グレープフルーツ)』(新書館)に掲載された「しなやかに、したたかに」というエッセイの中で作者自身が明らかにしたところによると[11]、「11月のギムナジウム」が雑誌に載る3年ぐらい前から、まだ仕事が少なかったころに発表の当てもなく趣味で描き始めたのが『トーマの心臓』で、その後同じキャラクターだけ集合させて別のストーリーにする着想を得て描いたのが「11月のギムナジウム」だった。しかし、このエッセイは一部の読者にしか知られていなかったため、2007年に出版された作品集の中で作者から改めてエピソードを紹介されたことにより初めて知ったという読者が多い。制作着手の順番と発表の順番が逆になったのは、本作品が短編であることから雑誌掲載の機会が得やすかったためである[12]。
あらすじ(11月のギムナジウム)
11月の第1火曜日の午後、ヒュールリン全寮制ギムナジウムにエーリク・ニーリッツが転入してきた。転入早々、このギムナジウムのアイドル、トーマ・シューベルとうりふたつのため大騒ぎとなり、短気で気の強いエーリクはトーマの無礼な態度に怒り、トーマを殴ってしまう。家庭内の問題で密かに悩んでいたエーリクは、授業中、オスカー・ライザーに図星をさされたため思わず彼を殴り教室を飛び出し、草地で授業をエスケープしていたトーマと偶然遭遇する。トーマは15年前に死んだ兄とエーリクは特徴がそっくりであると告げ、仲直りをしようともちかけるがエーリクはそれを拒否する。トーマはエーリクと自分の関係を学級委員長のフリーデルに打ち明ける。その後、トーマは雨の週末休暇にエーリクになりすまして彼の母親に会ってきたが、その際にひいたカゼがこじれて肺炎にかかり、数日後、病死する。そして、トーマの葬儀の翌日、フリーデルはエーリクにすべてを打ち明ける。
小鳥の巣
伝説の吸血鬼“バンパネラ”を主人公とする『ポーの一族』シリーズの第6作目。漫画雑誌『別冊少女コミック』1973年4月号 - 7月号に掲載された作品で、『トーマの心臓』「11月のギムナジウム」とともに“ギムナジウムもの”としても知られる。 『ポーの一族』シリーズは当初「ポーの一族」「メリーベルと銀のばら」と「小鳥の巣」の3部作として構想されたものだが[13]、「ポーの一族」構想メモ[14]には「小鳥の巣」の主要登場人物であるキリアン・ブルンスウィッグやマチアス、ロビン・カーなどの名前はなく、後に『トーマの心臓』に登場するオスカー・ライザー(キリアン役)や「11月のギムナジウム」に登場するフリーデル委員長の名前が記され、さらに「レオンハルト」(マチアス役)という名前が記された少年には『トーマの心臓』のエーリク・フリューリンクのイラストが描かれており、「ポー・シリーズ」の構想の中に『トーマの心臓』の構想を持ち込んだ形跡が認められる。また、飛び降り自殺(あるいは墜落事故死)した少年とその事件に関わる別の少年、さらにその事件に関心を寄せる転校生というストーリー展開の類似も、この作品の元が『トーマの心臓』(の構想)であることを示している。
あらすじ(小鳥の巣)
3月もそろそろ終わろうとする頃、ガブリエル・スイス・ギムナジウムにエドガー・ポーツネルとアラン・トワイライトがイギリスから転校してきた。2人は伝説の吸血鬼“バンパネラ”で、何かしらの目的があってやってきたらしい。2人は2年前の5月の創立祭の前日、同じくイギリスからの転校生ロビン・カーが張り出し窓から落ちて死に、翌年も別の生徒が創立祭の前日に沼で溺れて死んだことから[15]、“魔の五月”の伝説が校内でうわさされていることを聞く。やがてエドガーは、ロビン・カーの死にはクラスのお山の大将であるキリアン・ブルンスウィッグが絡んでいたことを知る。その後、エドガーとアランは創立祭の前日、マチアスという少年に正体を見破られ、やむなく彼を仲間に加える。翌日、行方不明だったロビン・カーの死体が浮かび上がったため創立祭は中止になり、その混乱の中、目覚めたマチアスはキリアンのノドにかみつくが、委員長のテオドール・プロニスに枯れ枝を突き刺されたため消滅する。そして、エドガーとアランは何事もなかったかのようにギムナジウムを去っていく。
オスカー・ライザーの相違点
- オスカー・ライザーは『トーマの心臓』と「11月のギムナジウム」に同姓同名で登場し、描かれている人物の絵も似てはいるが、キャラクター設定や環境設定には違いがある。
- 『トーマ』のオスカーは度量が広く思いやりがありいわゆる兄貴肌で、判断力・統率力に優れ、学業においてはサボりさえしなければユリスモール・バイハンと競い合えるほど優秀なようだ。これに対して「11月」のオスカーは勝気で自信過剰、やや不良じみたところがある。学業において本気を出せば優秀なところは『トーマ』と共通している。
- エーリクに対する態度が『トーマ』ではめんどう見がよく思いやりにあふれているのに対し、「11月」ではからかいの対象にしている。ただし、本気でいじめたり敵対しているのではなくあくまで面白半分であることが、エーリクに母親の浮気相手のことを尋ねて殴られたときの様子でわかる。
- 家庭面では、『トーマ』のオスカーは母親が死に父親が行方不明なため帰る家がなく、その代わりに校長のミュラーが実の父親というやや特殊な設定であるのに対し、「11月」のオスカーは、エーリクが週末に家に帰らないことを不自然に感じたことから、本人は週末には家に帰る普通の家庭育ちであることが想像される。
- なお、「精霊狩り」シリーズの第3作目の「みんなでお茶を」(『別冊少女コミック』1974年4月号)に、テイペント・ナンセンス博士の助手A役で登場しているのは『トーマの心臓』の方のオスカーである[16]。
単行本・文庫本
- フラワーコミックス『トーマの心臓』(全3巻)
- 第1巻 1975年1月10日初版発行 ISBN 9784091300416
- 収録作品 『トーマの心臓』、他2編(「千本目のピン」、『とってもしあわせモトちゃん』より「ジョニーウォーカーくんのバラのものがたり」)
- 第2巻 1975年4月1日初版発行 ISBN 9784091300423
- 収録作品 『トーマの心臓』、他1編(「ビアンカ」)
- 第3巻 1975年6月1日初版発行 ISBN 9784091300430
- 収録作品 『トーマの心臓』、他4編(「小夜の縫うゆかた」、「秋の旅」、「白い鳥になった少女」、「みつくにの娘」)
- 第1巻 1975年1月10日初版発行 ISBN 9784091300416
- 萩尾望都作品集 第1期(全17巻中、第11巻・第12巻)
- 第11巻『トーマの心臓1』 1978年3月10日初版発行 ISBN 9784091780119
- 収録作品 『トーマの心臓』
- 第12巻『トーマの心臓2』 1978年4月10日初版発行 ISBN 9784091780126
- 収録作品 『トーマの心臓』、他1編(「ヴィオリータ」)
- 第11巻『トーマの心臓1』 1978年3月10日初版発行 ISBN 9784091780119
- 小学館文庫『トーマの心臓』(全2巻)
- 第1巻 1980年11月20日初版発行 ISBN 9784091907158
- 収録作品 『トーマの心臓』(転入生)
- 第2巻 1981年1月20日初版発行 ISBN 9784091907165
- 収録作品 『トーマの心臓』(同室者)
- 第1巻 1980年11月20日初版発行 ISBN 9784091907158
- 小学館叢書『トーマの心臓』(全1巻) 1989年12月10日初版発行 ISBN 9784091971913
- 収録作品 『トーマの心臓』
- 小学館文庫『トーマの心臓』(全1巻) 1995年9月1日初版発行 ISBN 9784091910134
- 収録作品 『トーマの心臓』
- 萩尾望都Perfect Selection(フラワーコミックススペシャル全9巻中、第1巻・第2巻)
- 第1巻『トーマの心臓I』 2007年7月31日初版発行 ISBN 9784091311191
- 収録作品 『トーマの心臓』
- 第2巻『トーマの心臓II』 2007年7月31日初版発行 ISBN 9784091311290
- 収録作品 『トーマの心臓』、「訪問者」、「11月のギムナジウム」、別冊付録「湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏」
- 第1巻『トーマの心臓I』 2007年7月31日初版発行 ISBN 9784091311191
舞台劇
『トーマの心臓』
『トーマの心臓』は、男性だけの劇団Studio Lifeにより舞台化。耽美的な魅力で大成功をおさめ、劇団の方向性を決定付けたといわれる。
- 1996年 2月10日〜25日、ウエストエンドスタジオ
- 1997年 3月1日〜23日、ベニサン・ピット
- 1999年 4月1日〜18日、シアターサンモール
- 2000年 12月7日〜2001年 1月8日、シアターサンモール(『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演)
- 2月7日・8日、シアター・ドラマシティ
- 2003年 2月27日〜3月9日、アートスフィア
- 2006年 6月3日〜29日、紀伊国屋ホール
- 7月8日・9日、シアター・ドラマシティ
- 2010年 2月27日〜3月22日、紀伊國屋ホール(『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演・劇団Studio Life25周年記念公演)
- 2014年 5月24日〜6月22日、紀伊國屋ホール
- 7月11日〜13日、シアター・ドラマシティ
2003年のキャスト
- 演出・脚本 - 倉田淳
- 舞台美術 - 松野潤
- 照明 - 森田三郎
- 音響 - 竹下亮
- 舞台監督 - 田中力也
- 衣裳 - 福岡裕子・大浦あけみ
- 制作 - 稲田佳雄
- 出演
2010年のキャスト
2014年のキャスト
- 演出・脚本 - 倉田淳
- 舞台美術 - 乗峯雅寛
- 舞台監督 - 倉本徹
- 出演
『訪問者』
『訪問者』は、男性だけの劇団Studio Lifeにより舞台化。
- 1998年 7月1日〜12日、スペース・ゼロ
- 脚本・演出:倉田淳
- 出演:笠原浩夫・山本芳樹・及川健 他
連鎖公演『トーマの心臓』『訪問者』
『トーマの心臓』と『訪問者』は、Studio Lifeにより同時期に同一の劇場の空間で連続して公演された。
- 2000年 12月7日〜2001年1月8日、シアターサンモール
- 2月7日・8日、シアター・ドラマシティ
- 脚本・演出:倉田淳
- 美術 - 松野潤
- 照明 - 森田三郎
- 音響 - 竹下亮
- 舞台監督 -倉本徹
- 照明 - 小川景子
- 衣装 - 三大寺志保美・大浦あけみ
- ヘアメイク - 角田和子
- 出演:笠原浩夫・甲斐政彦・及川健・石飛幸浩・姜暢雄 他
映画『1999年の夏休み』
テンプレート:Infobox Film 映画『1999年の夏休み』は、『トーマの心臓』を原案にした金子修介監督の青春映画。公開は1988年3月26日。出演者は4人だけで、(公開当時の)近未来[17]を舞台に少女が少年を演じるという大胆な演出がなされている。スタッフロールには萩尾の名も原作名も全くクレジットされていないが、監督は翻案という形で萩尾望都にきちんと製作許可を取っている。製作当初、押井守が監督に「決定版みたいなのをこんなに早くつくっちゃってよかったのか?」という懸念を抱いたという逸話がある。なお、角川ルビー文庫からノベライズ版が刊行され、脚本を担当した劇作家の岸田理生が執筆を担当した。
- 監督 - 金子修介
- 製作 - 岡田裕・岸栄司
- プロデューサー - 成田尚哉・肥田光久
- 脚本 - 岸田理生
- 撮影 - 高間賢治
- 音楽 - 中村由利子
- 配役(各人物が『トーマの心臓』のどの人物に対応するかをカッコ内に示す)
- 声の出演